東京経済大学

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2017年度 第32回
経営学部 小木 紀親 教授

バイト先の店の「売り逃し」金額、2カ月かけて算出しました。経営学部 小木 紀親 教授 バイト先の店の「売り逃し」金額、2カ月かけて算出しました。経営学部 小木 紀親 教授

Ogi Norichika
東京経済大学 経営学部教授
東京経済大学経営学部経営学科卒業。慶應義塾大学大学院商学研究科 博士課程単位取得満期退学。松山大学、日本福祉大学を経て、現職。主な研究分野は、マーケティング、医療・福祉や地域・行政のマーケティング。著書に『マーケティングEYE [第4版]』(中部経済新聞社)、『マーケティング・ストラテジー』(中央経済社)ほか。

少子化対策から企業戦略まで、研究テーマが幅広いですね。

 小木ゼミでは、2年次から個人研究、いわば"プレ卒論"に取り組み、3年次にはほぼ卒論に仕上げます。テーマは、「生活習慣病者削減に向けた特定保健指導の活用」「事業所内保育の活用による少子化問題の緩和」「国産スマートフォンの顧客シェア獲得」「日本の温暖化抑制」など実に様々です。
 大切にしているのは、まずは物事に取り組む際の「姿勢」、そして自らの気づきや関心から問題意識を持つこと、さらにはそれを的確に掘り下げていくこと。言い換えれば、「批判的精神」をいかに身に付けていくかということです。
 例えば、以前「アルバイト先のカフェで、混んでいると立ち去ってしまうお客さんが一定数いる」と気づき興味を持ったゼミ生がいました。彼女は、実際のデータを取るために2カ月間、毎日店頭に立って「売り逃し」をしたであろう客数をカウントし、本来得られたはずの売上額を算出。回転率を上げるためにスタッフを増員すべきか等を検証し、論文にまとめました。まさに自分の足を使って稼いだ、学生ならではの面白い研究でしたね。

企業やNPOとのコラボ企画にも取り組んでいるとか。

 いま進めているプロジェクトは三つあります。一つ目は、イーグル製菓・鈴木栄光堂とのコラボによるお菓子の商品開発。実際にスーパーやコンビニなどで発売された商品もあります。二つ目は、国分寺の魅力を紹介するウェブサイト「国分寺物語」の企画・制作。昨年はテレビ番組での国分寺市長との対談も実現しました。そして三つ目が、国際貢献プロジェクト「TFT」(Table For Two)への参加です。これは、「先進国での肥満・生活習慣病」と「開発途上国への食料支援」という課題を同時に解決しようという取り組み。授業で紹介したところ、当時のゼミ生が「東経大でもやりたい」と言い出し、自ら生協や大学と交渉。カロリー計算された健康的なランチに寄付金を上乗せした「TFTメニュー」を学食で提供するようになりました。いまも、後輩たちがメニューや告知方法に工夫を凝らしつつ活動を盛り上げています。

ゼミ中の意見交換は、かなり白熱するそうですね。

 個人研究の発表時は、それこそ集中砲火のようにバシバシとツッコミが入ります。その厳しさたるや、私が良い点や可能性を褒めるフォロー役に回らなければいけないほど(笑)。毎週これだけ真剣に取り組んでいるので、当然プレゼンスキルやディスカッションスキルは上がりますし、互いの研究発表を聞くことで知見も広がります。
 そして、「学び」と同じくらい「遊び」にも本気なのが、小木ゼミです。夏合宿での出し物や料理コンテスト、クリスマス会や卒業イベントなど、盛りだくさん。約45名のゼミ生のうち女子学生が2/3以上を占めており、非常に賑やかかつ華やかです。OB・OG会も活発で、毎年100人ほどが集まります。ゼミの伝統が受け継がれ、その輪が広がっていく様子を見られるのは、教員冥利につきますね。

小木ゼミの就職実績が良い理由は、何でしょうか?

 当然の事ながら、学生生活で真剣に打ち込んだものがない人は、就職活動時に語れるものはありません。小木ゼミでは、3年の終わりまでに個人研究を卒論に仕上げ──もちろんプレゼンスキルやディスカッションスキルも向上させ──コラボ企画にも注力しています。積み上げてきたこれらの成果をきちんと伝えることができれば、必ず良い結果が出ると自負しています。また、各ゼミ生(2年~4年生の約45名)のカルテを作成し、個人面談を行う中で、各人に合った指導を徹底的に行っていることも成功の秘訣かもしれません。
 ただ実は、私がゼミで一番厳しく指導するのは、研究成果の良し悪しではありません。それよりも、段取りがうまくできていないとか、合宿先でスリッパが散らかっているとか、イベントの準備の際に後輩が動かないなどといった、人としての振る舞いや気遣いという点では相当厳しく注意します。つまりは、何事に対しても、取り組む際の「姿勢」を厳しく指導するわけです。
 そうやって築かれたマニュアル化できないトータルな人間力こそが、社会で求められる「就職力」ではないでしょうか。おかげさまで、小木ゼミからは東経大初の某大手企業の内定者や大学研究者も出るなど、輝かしい成果を上げています。スポーツと同じように勉強も、とことん本気で取り組んだ後の爽やかな達成感は格別なもの。皆さんにとって、その一つがゼミ活動であればとても嬉しいですね。

Students'VOICE小木ゼミで学ぶ学生の声

三井和泰さん(経営学部4年)
ゼミ長を務めていたので、ゼミの思い出は「楽しさ半分・苦しさ半分」というのが正直なところです(笑)。でもだからこそ、ゼミを引っ張ってくれる頼もしい後輩が育ち、仲間がゼミ活動を楽しんでくれている今の状況が本当に嬉しいです。僕は浪人というハンデを払拭すべく、「最強のゼミ」と先輩から聞いた小木ゼミを選びました。大学は入学してからが肝心。どう成長したいのか、明確な目的意識を持って過ごすことが大切だと思います。
壁島祐紀さん(経営学部4年)
卒論のテーマは、過疎中山間地域の「買い物難民」。移動販売事業者の採算性確保、需給のマッチングなどによる解決策を考えています。皆の前で発表する際は、どう伝えれば聞き手にとって分かりやすいだろうかと、いつも心を砕いています。コラボ企画「TFT」は、ポスター告知で売り上げが伸びたりと、成果が現れるのでやりがいがあります!
本庄 萌さん(経営学部4年)
Webサイト「国分寺物語」プロジェクトのリーダーとして活動しました。コンテンツの制作に加え、国分寺市のイベントの企画・運営に携われたことも貴重な経験となりました。卒論のテーマは「日本の温暖化の抑制」。対策が遅れがちな中小企業において、カーボン・オフセット等により、その取り組みを推進する方法を検討しています。
立川 采さん(経営学部3年)
ゼミに入って、「論理的に物事を考える」「人に伝える」という力が不足していたことを痛感。他のゼミと比べて大変だと感じることもありますが、先生や先輩のご指導のおかげで有意義な時間を過ごしています。観光に興味があるので、個人研究のテーマに選んだのは「日本版DMO」。地域経済衰退の抑制に繋げるべく、普及の方法を考えています。
早川椋子さん(経営学部3年)
以前は、大学の仲間内や身の回りのことばかりに関心が向きがちでしたが、このゼミに入ってから、他の人の研究テーマに関するニュースを見たり、世の中の出来事の背景に興味がわいたりと、探究心が強くなった気がします。小木先生は、恋愛相談に応じてくれることもあるほど(笑)、学生にきちんと向き合ってくれる素敵な先生です!
長島七海さん(経営学部3年)
私は東経大のグローバルキャリアプログラムを使って、2年の夏から5カ月間、オーストラリアに留学していました。小木先生は聴講生というかたちで2年次から私を受け入れ、帰国後も色々なフォローをしてくださいました。個人研究では、外国人留学生と海外に興味のある日本人学生が交流できる仕組みについて考えたいと思っています。

※学年は取材当時のものです。

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