東京経済大学

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2017年度 第35回
現代法学部 中川 純 教授

就職すると身近になる労働法。学ぶほどに自分に自信を持てます。現代法学部 中川 純 教授 就職すると身近になる労働法。学ぶほどに自分に自信を持てます。現代法学部 中川 純 教授

Nakagawa Jun
東京経済大学 現代法学部教授
中京大学法学部法律学科卒業。愛知学院大学大学院法学研究科 法律学専攻 博士前期課程修了。愛知学院大学大学院法学研究科 法律学専攻 博士後期課程単位取得満期退学。マギル大学ロースクール 単位取得満期退学。著書は、『障害者雇用促進法:新たな平等社会の実現に向けて』『障害法』(ともに共著)。主な担当科目は、障がい児・者と法、労働法研究(現代法学研究科)ほか。

「労働法」とは、どういうものですか?

 働く人々(労働者)の経済生活や健康・安全を守るための法律をまとめて「労働法」といいます。労働者は、使用者である会社に対して弱い立場に置かれることが少なくありません。そこで例えば、労働時間や賃金の最低基準を決めることで労働者を守ったり、労働組合を認めることによって会社との格差を是正したりしているのです。また、事故や過労死などが生じた際は、会社の安全配慮義務違反が問われます。ちなみに、労働法という一つの法律があるわけではなく、労働基準法、労働組合法、最低賃金法、育児・介護休業法など、労働者を保護するための法律群の総称を指します。

雇用や社会保障に関する判例研究をしているそうですね。

 今年度ゼミ生が取り組んだテーマは、「パワハラ」「安全配慮義務」「介護従事者の離職」などの雇用をめぐる問題から、「生活保護受給の基準」「里親制度」といった社会保障に関するものまで様々です。
 判例研究では、対象の判例を読み込むことに始まり、関連する判例や学説も理解しなければなりません。ここまででも相当ハードルの高い作業ですが、さらに法的論点の対立を理解し、自分なりの考えをまとめ上げることが必要です。しかも僕のゼミでは、レジュメが完成した段階でグループ全員に研究室に来てもらい、その書き方や内容を何度も添削・ダメ出しします。一定のレベルに達するまで発表はできないので、ゼミ前日まで粘っても「発表は延期しよう」ということもあります。皆とても苦労しているようですが、回を重ねるごとに学生たちの成長が感じられるのは嬉しいですね。

「価値観を磨き、考える」ことを大切にしているとか。

 以前、生活保護受給者がパチンコをすることが話題になったことがあります。生存権を実現するために給付されたお金を、自由に使える原則があるとはいえ、ギャンブルに費やすことの是非を問題にしました。ゼミ生の意見は割と分かれたのですが、こういう時に僕が大事にしているのは、正解を探すことではありません。仮に「そんなのずるいからダメだ」と思ったのなら、あなたのどういう感覚や正義感が「ずるい」と思わせたのか、突き詰めて考えてみることが大切だと思っています。そうやって価値観を磨くことが、解決すべき問題を発見し、ロジカルにものを考えたり分析したりすることの第一歩。その力は、社会に出てどんな分野に行っても、必ずや皆さんの"武器"になることと思います。

卒業したゼミ生とも、交流があるそうですね。

 東経大はまだ着任して1年目ですが、前の大学で送り出した卒業生とはいまだに繋がりがあります。時には、私自身の研究のために、障害者就業・生活支援センターや精神科病院で働く卒業生たちに話を聞かせてもらうこともあります。かつての教え子がすっかり立派になって、実務で得た知識・経験を今度は私に教えてくれる──。実に感慨深いものがありますね。東経大の学生たちとも、卒業後も続く関係を築いていけたらなと思っています。

学生やこれから大学に入る人へメッセージを。

 自分の伸びしろを信じてほしいと思います。「どうせ自分はこんなもんだろう」と思い込んでいたら、その範囲内でしか成長できません。向上心や野望を持って4年間頑張れば、何にだってなれると思う。自分はできると信じている人に出会いたいし、そんな人を僕も必死で育てていきたいと思っています。
 それから、若いうちに色々な環境、できれば海外に行ってみることをお勧めします。様々な価値観に触れることは、自分を相対化するということ。外国から日本を見れば、日本の素晴らしさも問題点も見えるでしょう。チッポケな自分自身にも向き合わざるを得ません。スマホの中の世界だけでなく、ぜひ色々な経験を重ねてください。一見無駄に思えることも遠回りも、きっと皆さんの糧になると思いますよ。

Students'VOICE中川ゼミで学ぶ学生の声

濱田隼平さん(現代法学部3年)
就職してから身近になるであろう労働法について学びたくて、このゼミに入りました。判例研究は、判例や論文を読むだけで一苦労。必死にまとめて「完成だ!」と思って研究室を訪ねても、先生からは必ず辛辣なコメントがあります。でも、僕らが納得いくまで質問に答えたり、参考文献を貸してくれたりと、いつも根気よく付き合ってくださるのでありがたいです。
辻本実由さん(現代法学部3年)
判例研究には本当に苦戦しました。図書館で調べ、グループで話し合ってまとめ、ダメ出しされ、修正する......その繰り返しは大変でしたが、先生の丁寧なご指導のおかげで「絶対にやってやる!」という気持ちを維持できました。この経験は、きっと就職活動や社会人になってからも役立つと思います。
川人直也さん(現代法学部3年)
思い出深いのは、5月に来日したタイのブーラパー大学の皆さんとの国際交流です。中川先生のお知り合いがいて実現した交流会だったのですが、就職競争の激しいタイでは、大学2年から全員必修の就職プログラムが組まれている所もあるなどの実情を知ることができて、とても貴重な経験でした。

※学年は取材当時のものです。

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