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周牧之ゼミ東近江市フィールド調査

[2017.08.01]

(ローカルサミットin東近江での発表に向けた事前調査。周ゼミからのレポートです)

周牧之ゼミは7月15、16の両日、滋賀県東近江市で同市役所の協力を得て、今年12月に同市で開催予定のローカルサミットでの発表に向けて、事前フィールド調査を行なった。市役所の方々のご案内のもと、一日目はフィールドワークを、二日目はローカルファイナンス研究会に参加した。

(7月15日 午前)
(伊庭班)
7月15日初日は二班に分かれ、それぞれ伊庭、蒲生を視察した。伊庭班は伊庭と五箇荘金堂という、琵琶湖から愛知川流域を上流に向かうコースを見学した。伊庭では、昔かなり大きな集落であった理由やその場所での人々の暮らしぶり、他の村との違い等の興味深い話を聞いた。
次に向かった五箇荘金堂では、蔵屋敷や錦鯉が泳ぐ堀が走る街並みや近江商人の邸宅を訪ね、外村繁邸を見学した。どのような格好で商売をしていたのか、何を主に扱っていたのか、また暮らしぶりなどの事柄を確認した。
午前中は土地の人々の当時の暮らしぶりを観察し、ネットで調べたものと実際現地を訪れて解ったことは一味違うと感じた。同行してくださった市役所の方々や現地の人々の説明を生の声で聞くことで、知識を深く身に着けることができ、また興味がより深まる充実した時間だった。

(蒲生班)
蒲生とは滋賀県中東部にある東近江市の地名である。古来この地域は渡来人の影響を色濃く受けてきた。その代表的な例として石塔寺と百済寺があり、双方を訪ねた。
阿育王山にある石塔寺は石で作られた三重塔(別名阿育王塔)が約100段の階段を登った先にそびえ立っている。
作家の司馬遼太郎がここを訪れた際「最後の階段を登りきったとき、眼前に広がった風景の怪しさについては、私は生涯忘れることができないであろう」という言葉を残している。この塔は形状が朝鮮半島の石塔に似ており「日本書紀」にも7~8世紀に蒲生郡へ渡来人を入植させた記載があるため渡来人によって建てられたとの見方もある。地域の方の話では石塔だけでなく渡来人がこの地に来た影響として集落の瓦の形状、模様も朝鮮半島の影響を受け他の地域とは異なっているという。
歴史的に価値のある建物や文化を数多く残すこの地は、日本の歴史を知る上で非常に魅力のある地域である。

(7月15日 午後)
(木地師)
午後は両班が合流し、木地師の里を訪れた。
木地師とは、轆轤(ろくろ)を用いて椀やお盆など木工品を加工する職人で、東近江市永源寺地区の小椋谷が発祥の地とされている。ほとんどが人里離れた山奥で生活し、また土地を転々と移っていくことが特徴である。
小椋谷で始まった木地師は平安時代前期に隠居していた惟喬親王が技術を教えたことで各地へ広まっていき、今日まで祖として木地師の間で伝説になっている。
当時は約10万人以上存在したとされているが、今では担い手の減少などにより縮小化している。木地師の伝統、技術を継承するため、同地や市役所の方々が様々な取り組みを模索している。

(7月15日 夜)
六班に分かれ、農家の方の御宅で農作業を手伝い美味しい郷土料理を味わった。農家の皆様の暮らしを体験し、様々なお話を伺った。

(7月16日 午前)
7月16日、周ゼミの調査2日目に東近江市役所でローカルファイナンス研究会が開かれた。今回は東近江市で立ち上がった「三方よし基金」をケーススタディとしてローカルファイナンスのあり方を議論した。
ローカルサミットの主催者である吉澤保幸さん、東近江市役所の山口美知子さん、富山県南砺市役所の川森純一さん、深尾昌峰龍谷大学准教授、石田秀輝東北大学名誉教授、周牧之東経大教授が各々発言し議論した。
小椋正清東近江市長自ら出席し、同市の課題を紹介してローカルファイナンスへの期待を示した。

(7月16日 午後)
現地で周ゼミは学習セミナーを開き、近江商人の歴史、地域プランディング、インバウンド、ローカルファイナンスの四班に分かれ発表した。東近江市の方々及び吉澤さんからコメントを頂き、学習を深めた。

(総括)
この度の事前フィールド調査合宿において、近江商人の歴史・ローカルファイナンス・インバウンド・ブランディングそれぞれのグループが、この先の研究につながる何らかのきっかけを手にすることができた。
東近江市での2日間の日程の中で、自分たちの目で、生の東近江市を体験することができた。昨年のローカルサミット終了時の中で出てきた、私たちが学んできたことと現地の情報の差異があるという問題点について、今回の事前合宿でかなり解消できた。
フィールド調査で案内してくださった東近江市役所森と水政策課課長の田口さん、東近江市学芸員の嶋田さんと山本さんから、現地の課題、歴史、知識などを大いに教わった。
農家民泊では、東近江市のご家族の温かさに触れることができた。夕食にいただく野菜を一緒に収穫し、お子さんと花火をするなどして過ごし、ご家族から今後の研究に有益な様々な話を伺った。
周ゼミの学生にとって、東近江市で過ごした2日間、農家民泊でお世話になったご家族の皆様と過ごした時間は、これからの長い人生においても忘れることのない思い出となった。
今回の事前合宿は、東近江市役所の皆様に綿密なスケジュールを組んでいただき、行政バスを手配、丁重なご案内など、手厚いおもてなしを受けた。私たちは成長する機会をいただき、場所フォーラム名誉理事の吉澤保幸さん、そして田口仁紀課長と山口美知子さんを始めとする東近江市役所の皆様には深くお礼を申し上げます。
12月のローカルサミット本番では誠心誠意取り組みます。

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ローカルファイナンス研究会での一枚

記事作成:周ゼミ 長谷川敬大(経済3年)、佐々木拓也(経済2年)、園田妃奈子(経済2年)、関根佳威(経済2年)、高山新平(経済4年)

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