東京経済大学

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2015年2月

最初は相違点が、やがては共通点も

2015年02月27日

外国に行きますと、最初に目につくのはなんといっても、母国との違いです。なぜ、こんなに違うのか!しかし、何度か訪れていると、不思議と共通点も見えるようになってきます。国による制度や考え方には違いがあるのは当然のこと。人間の生活や悩みにはそれほど大きな違いはない。そんなふうに思えるようになってくるのです。国際交流には、「違い」から始まり、「同じなんだ」という感覚に変わっていくものがあるのかもしれません。

本学の「日本語・日本文化研修プログラム」が始まったのは2006年度です。11回目となる今回は、中国と韓国の学生たち12名が参加しました。期間は2月12日から2月27日までの約二週間。日本語の授業がメインになるのですが、富士山、浅草、国会議事堂、スカイツリー、三鷹の森ジブリ美術館などの見学・訪問があります。さらには、折り紙・風呂敷、茶道・着物、染め物、家庭訪問などを通じて、日本の文化に触れてもらおうといった企画がたくさん盛り込まれています。

2月25日(水)にその修了式がありました。私から一人一人の学生たちに修了書を手渡し、一緒に写真撮影を行いました。
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写真のスライドショーでプログラムのプロセスをふりかえったあと、プログラムについての学生たちの感想を述べてもらいました。家庭訪問のときに感じた母国との相違点では、「コタツ」「タタミと正座」「靴を脱いで、一段高いところに上がること」「トイレと風呂が別の部屋になっていること」「芸能人・アイドルのポスター」...。
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一番印象に残ったことは、「実際に日本の家庭を訪れることができたこと」、「小学校の訪問で子供たちと交流できたこと」、折り紙などの手作り体験、着物とハカマを着たこと...。いずれも、個人の旅行では、なかなか体験できないものばかりですね。

今回の滞在で多くの相違点を発見した学生たちには、将来「母国と日本との共通点」にも思いを寄せていくようになってほしいですね。それから、縁の下の力持ちとして尽力された方々にもお礼の言葉を申し上げたいと思います。
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地球をめぐる水と未来

2015年02月18日

「地球をめぐる水と未来」。2月14日(土)、東日本大震災に関する学術シンポジウムと並行して開催された講演会のタイトルです。講師は東京大学生産技術研究所の沖大幹教授。主催したのは、大倉喜八郎記念東京経済大学学術芸術振興会です。水文学(すいもんがく)とは、「地球上の水を扱う科学。地球上の水循環の経路全体をそっくりそのまま取り扱う分野」です。天文学を知っている人は多いのですが、水文学を知っている人は少ないようです。
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「四大文明を生み落したのは、豊富な水の存在なのか?」「"水の惑星"である地球で、なぜ水不足が生じるのか?」「水を運べばいいじゃないか?」「貯めておけば、大儲けできるのか?」「穀物や肉類の生産には何倍の重さの水が必要?」...。いずれも、多くの人が持ちそうな疑問ですね。そんな疑問に対して、わかりやすく説明を加えていくという形で、沖先生のお話は進められました。
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科学の神髄、学問のおもしろさを平易な言葉で、一般の聴衆に伝えていくことは至難の技。しかしながら、沖先生の構成力と話術には、すばらしいものがありました。ときどき、ユーモアを交じえ聴衆を笑いの渦に巻き込んでいかれるというのも、なかなかできるものではありません。

講演の最後の締めくくりの言葉は、「水の悲観論者は間違っているが役に立つ。水の楽観論者は正しいが、危険だ」。水の未来はけっして暗いわけではないが、それを維持するには、やはり人間たちが英知を結集して事に当たることが要請される。そういう解説がつけられました。

講演会に先立ち、2014年度の正会員総会が開催され、14年度の活動報告と予算執行状況報告および15年度の活動計画・予算が認められたことを付記しておきます。

災害復興研究所

2015年02月17日

日本人の価値観に大きな衝撃を与えた東日本大震災から、間もなく4年が過ぎようとしております。この大震災は、地震・津波による被災のみならず、原発による被災が加わったという意味では、まさに世界史的にも非常に大きな出来事でした。しかしながら、困難は人を鍛えます。困難のなかから未来に向けて前進していこうという人々を結束させ、新しい連帯の輪を築き上げていきます。

2月14日(土)、本学で「津波被災・原発被災に抗して ~広野町での復興への取組み~」というテーマの学術シンポジウムが開催されました。主催したのは、東京経済大学 災害復興研究所。本学にある4つのプロジェクト研究所のうちの一つです。広野町(ひろのまち)が、大震災に抗して、どのような町づくりを行っていくのかという点に焦点を当てて、議論が展開されました。
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まず、①本学の卒業生でもある広野町の遠藤智町長による報告「広野町の避難からの復興の現状と今後の取組み」、②同町の黒田政徳・商工会会長による報告「事業再開と今後の商工業について」、③いわき明星大学人文学部高木竜輔准教授による報告「原発事故からの地域再生を問う」がありました。復興に向けての新しい動きが紹介され、帰還者の増加と経済活動の活性化との関係についても言及されました。私自身は、別の予定が入っているため、高木さんのお話を最後までお聞きできませんでしたが、その後、識者からのコメントと議論がなされました。
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かつてみかん栽培の北限だったことで、「東北に春を告げる町」と称された広野町は、その後、「火力の町」「サッカーの町」「童謡の町」として栄えてきました。これからは、「ふるさとの復興を告げる町」としてさらなる発展を遂げていかれることを願いながら、会場を後にした次第です。

大手町の談話室

2015年02月10日

2月2日(月)、都心のサテライトで「新年午餐会」が開催されました。場所は、「大手町ビル」にある葵友会談話室。サテライトは、談話室と事務室から成り立っています。かつて日比谷の交差点角の「日比谷パークビル」にあった葵友会の事務室は、12年ほど前に大手町へと移り、現在に至っております。
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卒業生、教職員、学生なら自由に使える談話室を舞台に、さまざまな活動が行われています。例えば、葵友会の役員会、葵流通会や葵金融会などの業界別組織の役員会、仕事帰りの卒業生によるちょっと立寄っての懇談、同期会の話し合い、サークルのOB・OGと現役学生の交流会など。また、パソコンとプリンターが自由に使えますので、学生たちがシューカツの拠点として利用したり、碁の仲間で定期的に集まって囲碁を楽しんだりといったことも行われています。趣味あり、実益ありの交流の場になっているのです。

そんな談話室で年に1回開かれているのが、新年午餐会です。新学長が誕生した翌年の午餐会には、学長がゲストになり、「東京経済大学」を肴に懇談するというのがならわしになっているようです。座席との関係で、定員30名で募集をかけたところ、32名の方々が参加されました。
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会の司会は、葵友会事務局長の鈴木博久さんが務められました。会長の後藤鍈四郎さんのあいさつ、瀧本良吉さんによる乾杯のご発声のあと、食事が始まりました。久しぶりに対面した卒業生の方々にとっては、楽しい懇談のひとときです。そして、食後に登場したのが、私でした。6枚のレジュメを配布したうえで、「教学改革に向けて」と題した話を40分ほどさせていただきました。そのあと、たくさんの質問が出されましたので、ひとつひとつに丁寧にお答えしていきました。応援するというありがたい声を頂戴した反面、納得されなかった方もおられたかもしれません。しかし、教学改革に向けてベストを尽くすことだけは、お約束したいと思っております...。

今年の新年午餐会の模様の一端です。

人類の夢と国際シンポジウム

2015年02月09日

人類には、長きにわたって一つの夢がありました。それは、長生きしたいという夢です。1万年前の日本人の平均寿命は15歳だったと推定されています。ところが、長く生きたいという夢は、ほぼ実現されたということができます。とりわけ、日本の平均寿命は、世界でも最高水準になっております。

ただ、長寿という夢が実現されたかもしれませんが、高齢者の生活は、けっしてバラ色というわけではありません。むしろ多くの課題や問題を抱えています。多くの課題のなかでも、最も大きなテーマは、高齢者が、生きがいを感じながら、さらには介護が必要になった場合でも、個人としても尊重されながら、どのようにして生きていくのか、そのために、どのように支援が必要なのかといった課題だと思います。「安心して老いることができる社会の構築」は、まさに人類史的にみても、実に壮大で有益なテーマとなっているのです。

1月31日と2月1日の両日、そのような課題に真っ向から切り込んだ国際シンポジウムが本学で開催されました。テーマは、「北欧と東アジアにおける高齢者介護政策と生活保障」。前述の2つのパラグラフは、冒頭での私のあいさつの一部です。シンポジウムでは、日本との比較を念頭に置きながら、一日目はスウェーデン、二日目は韓国が取り上げられました。第一線で活躍されている研究者・行政担当者・実務家の方々が15にもおよぶ多彩な報告を行ってくださいました。参加者は1日目が280名、2日目が230名でした。「ありのままの姿、光と影を確認したい」と、意気込みを語ったのは、実行委員長を務めた現代法学部教授の西下彰俊教授です。実りの多いシンポジウムだったと思います。
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2001年以降、ほぼ毎年のように国際シンポジウムが開かれ、活発な議論が展開されてきました。扱われたテーマは、日韓経済、WTO、メディア、日独比較、出版、環境、フェアトレード、日中関係、社会保障など、多岐におよんでいます。本学を舞台にして、グローバルな視点で、このような国際シンポジウムが開かれ、実に活発で、有意義な意見・情報交換がなされることは、本学の誇りの一つでもあるのです。

企業と大学との懇談会

2015年02月05日

1月29日(木)、東京駅に近い東京會舘において、本学主催の「企業と大学との懇談会」が行われました。この会は、1984年に始まり、毎年開催されてきました。今回は31回目になります。学生の求人、採用、インターンシップの受け入れなどでお世話になっている企業の方々をご招待し、本学の関係者と懇談をするという会です。参加してくださった企業数は347社、参加者は487名(卒業生53名)。過去最大の規模になりました。

他方、大学関係者としては、理事長をはじめとする法人理事・監事、学部長・全学共通教育センター長、図書館長、大学院研究科委員長、就職委員、インターンシップ推進委員長、同推進委員のほか、専任教員、卒業生の就職アドバイザー、各事務部門の部課長、キャリアセンターの職員など、総勢85名が参加いたしました。

この懇談会は、2部構成になっています。第一部は講演会、第二部は懇談会です。今年の第一部の講師は、本学客員教授、低炭素な地域づくり首長の会顧問、元環境事務次官の南川秀樹先生です。演題は、「気候変動・地球温暖化対策における環境と経済-世界の中で日本が行うべきこと-」。南川先生のお話は、壮大なテーマを非常にわかりやすい言葉でコンパクトにまとめられたものでした。
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第二部は、企業からの参加者と大学関係者が名刺を交換しながら、情報交換するというものです。私自身も、この懇談会には、何度も出席しているのですが、いろいろなことを教えられました。採用の流れや、学生たちが企業のなかで成長していく様子、卒業生の社内での活躍ぶり、大学教育に対する期待や要望などをお聞きいたしました。そして、私の教育にも実に大きなインパクトを与えていただいたのです。
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ところで、大学通信というところが、毎年、高校教員に対する調査をまとめた『大学探しランキング』という雑誌を発行しております。最近刊行された2015年版では、「就職に力を入れている大学」で、本学は、780校余りの全国の大学のなかで28位にランクされております。これはもう、その日にお越しくださった企業をはじめとする採用ご担当の皆様方のおかげです。改めて感謝の気持ちを強くさせられました。

もちろん、高い就職力を維持し、強化するためには、本学で長きにわたって行ってきたゼミナールをはじめとする少人数教育、キャリアセンターによる手厚いキャリア指導、学内でのダブルスクーリングを可能にさせている資格取得支援、卒業生団体による就職支援といったさまざまな努力を持続的に行っていくことが必要であることは、言うまでもありません。

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