東京経済大学

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事業報告書

事業報告書

はじめに

 教育・研究の不断の改革と充実、そして社会貢献の促進、これらの実績の積み重ねが大学の特徴を強め、社会における大学の評価を高める。本学は、このことを2009年度事業計画において掲げ、学長のもとに設置した改革推進本部会議を中心にすすめてきた。「TKUチャレンジシステム」(学生の基礎力を養う「ベーシックプログラム」と高度な資格取得をめざす「アドバンストプログラム」)をはじめとする教育改革、学生支援の強化、高い資質を持つ学生の確保をめざした入試改革、そして環境・景観に配慮しつつ快適な教育・研究環境の構築をめざすキャンパス整備計画等である。以下に、これら諸事業の進捗状況と成果について報告する。

Ⅰ事業の概要
1.教育・研究
(1)カリキュラム改革等の取り組み
 政権交代後の国の高等教育政策の動向についての分析が重要性を増している。前政権期に中央教育審議会が打ち出した「学士課程教育の構築」については、本学は、これを大学の本来あるべきあり方として位置づけ、改革推進本部会議内の教学改革推進プロジェクト会議等で検討をすすめてきた。
 3つの方針(アドミッション、カリキュラム、ディプロマの3ポリシー)については、2008年3月に制定した「学部・学科等の教育研究上の目的に関する規程」を基本に策定し、ウェブサイトに公表している。2009年度より「学士課程教育の構築」のキーワードの一つである「学士力」の強化も視野に入れて、総合教育科目のなかに「ベーシック科目」群を新設した。経営学部では、経済学部と同様、2011年度から1年次生の2学科一括受け入れをめざしており、そのための1年次カリキュラムを中心とした改革等の準備を終えた。コミュニケーション学部では、4専攻(メディアコミュニケーション専攻、企業コミュニケーション専攻、現代文化専攻、コミュニケーション表現専攻)の2010年度からの刷新に向けた準備をすすめている。また、現代法学部では、2010年度の2年次生から「国際学プログラム」を導入するための制度整備を終え、さらに「ビジネス法プログラム」を2011年度2年次生から導入することとしている。
(2)TKUチャレンジシステムの強化・拡充
 TKUチャレンジシステムの一翼を担うベーシックプログラムについては、上記の「ベーシック科目」群がこれと連携する目的を持っており、同科目群のなかに既設のコンピュータ関連科目に加えて、「日本語に関する科目」「数的思考に関する科目」の新科目が配置された。ベーシックプログラムにかかわる総合窓口的な機能を果たしている学習センターでは、「SPI講座」が同科目群の「文系のための基礎数学Ⅰ」と、また、同センターの運営委員による個別学習相談等が同科目群と良好に連携して学習効果をあげている。TKUチャレンジシステムのもう1つの一翼を担うアドバンストプログラムでは、経済学部の海外研修特別コースをグローバルプロフェッショナルコースとして改編・拡充し、2011年度から全学部に開かれたコースとするための準備を終えた。コミュニケーション学部は、初の学部独自のアドバンストプログラムとしての「PRプロフェッショナルプログラム」の2010年度導入に向けた準備をすすめた。既存のアドバンストプログラムもそれぞれの充実に努めている。
(3)教育支援
 ICT活用支援・教材作成支援のためにAVセンター機能の拡充を2009年度から教学改革の一環として行っており、専任・非常勤の教員の利用者層が拡がっている。また、将来の教学面での活用を展望しつつ、動画コンテンツの収録・配信システムの2010年度からの導入の準備をすすめた。2010年度入学式や創立110周年記念の各種イベント、入試・広報・大倉学芸・学術シンポジウム・授業の試験的収録等と活用により経験を蓄積していく予定である。
(4)GPへの取り組み
 文部科学省の各種GPの採択に向けて、2009年度は「TKU英語プロフェッショナルプログラム」を申請し、書類審査を通過してヒアリングまですすんだが、残念ながら採択には至らなかった。
 また、2010年2月に文部科学省から急遽、就職支援を対象とする就職支援GPの追加が公表され、本学も短期間で「個別指導と早期ガイダンスのためのキャリアセンター拡張の試みプログラム」を策定し申請したが、採択には至らなかった。2010年度以降のGP政策は不確定要素もあるが、教学改革を継続推進するなかで、GP採択へ向けて積極的に取り組んでいくこととしている。
(5)早期卒業制度
 成績が極めて優秀で大学院進学をめざす本学学生を対象に、3年次で学士号を取得し本学大学院へ進学させる制度導入のための準備を整えた。2010年度の新入生から実施するために、その啓発と指導が課題となる。また、大学院の教育研究の目的規程の制定や、大学院担当の教員人事にかかわる慣例の規程化等の制度整備を行った。開設6年目を迎えた現代法学研究科でのカリキュラム改革をすすめている。
(6)研究制度の整備
2009年度から研究助成費制度を統合し、学術図書刊行助成制度の改革、研究奨励金規程の制定、国内・国外研究員制度の改正等、研究環境の整備・充実に努めた。また、文部科学省の科学研究費補助金等の公的研究費の管理運用についての改革も行った。
(7)留学生の受入れ
 本学と提携関係を持つ中国の5大学からの半年あるいは1年の短期留学生受け入れを、2010年春・秋に実現するように準備をすすめた。2011年度以降の諸外国からの留学生受入れと本学学生の諸外国への送り出しを充実させるために、国際交流課を強化した。

2.学生支援
(1)第3号基本金の充実
 大学奨学基金は2009年度から2018年度までの10年間に毎年1億円ずつ計10億円、スポーツ振興基金は2009年度から2013年度までの5年間に毎年1億円ずつ計5億円を組入れる計画としてあり、初年度にあたる2009年度は、それぞれ予定どおりの額を組入れた。
 第3号基本金には、その他、アドバンストプログラム推進基金、国際交流奨学基金、安城記念奨学基金、研究・研修奨励基金、国際交流基金を設定しており、法人による計画的な組入れと篤志家による寄付金を基金として組入れている。2009年度末で第3号基本金の合計は27億9百万円となっており、組入れ計画の完了時には41億円に達する。
(2)経済支援の強化
 深刻な経済状況の悪化に対応して、学生への経済的支援を強化するため、4年計画で段階的に増員してきた支給型の「東京経済大学奨学金」を当初計画より1年前倒しで実施することとし、2010年度の支給枠を160名に増員することを決定した。また、家計の急変に対応した授業料の減免制度も、従来の家計支持者の死亡や病気に加え、失職等の事由についてもその対象を広げ、あらたに「学生緊急経済支援制度」として2010年度から導入することとした。さらに、入試特待生の授業料免除期間をこれまでの最長2年間から2011年度入学生より最長4年間に拡充した。
(3)TKU進一層表彰制度の創設
 既存の学生奨学・奨励制度を再構築し、2009年度より「TKU進一層表彰制度」としてスタートさせた。「AOI学芸部門」「資格取得部門」「課外活動部門」の3部門で正課授業以外の学生課外活動の優れた成果を表彰するものであり、現役学生の公認会計士試験・司法書士試験等の合格、活発なゼミ活動で学外の論文コンクールに入賞等の多彩な活動を促進した。
(4)課外活動の支援強化
 教育の場におけるスポーツの重要性を再確認し、これを奨励する「TKUスポーツ憲章」を制定した。また、体育系全サークルを対象とする「体育会指導者助成制度」を大幅に見直し、体育会活動の活性化をすすめ、端艇部女子ダブルスカルの全日本選手権大会優勝、少林寺拳法部個人女子の全日本学生大会優勝、ソフトテニス部男子の1部昇格等の成果をあげた。文化会支援については、その活動の促進を図るため、学生支援部が文化会本部学生との懇談を開始した。
(5)就職支援
 「2010年度採用状況調査」(2009年10月19日付け『日本経済新聞』)は、主要企業の大卒採用内定者数は、2009年春の入社人数に比べ28.6%減(約7万4,000人減)と2年連続のマイナスとなり、その減少率は1995年度の同調査開始以来最大であり、学生にとっては、かつての「就職氷河期」に迫るきびしい就職情勢となったと解説している。このような状況のもとで、本学への求人件数も、前年度より33%強(1,871件)減少し3,632件となった。
 キャリアセンターでは、86種類に及ぶ就職支援行事を計189回実施した他、キャリアカウンセリングの強化等でこうした現状に対応したが、2010年3月卒業生の進路判明者就職率(就職決定数/(進路判明数-就活せず))は、83.7(昨年度92.3)%と前年度を8.6ポイント下回った。また、卒業者全体の就職率(就職決定数/卒業者数)も69.3(同81.8)%と前年度比で12.5ポイント減少した。
 一方、学生たちが粘り強く就職活動を継続した結果、10月以降の決定率(10月以降の就職決定数/全体の就職決定数)は、昨年度の13.4%(140名)より6.8ポイント高い20.2%(176名)となっている。

大学求人倍率・全国大卒就職率推移

3.施設・設備等の整備
(1)国分寺キャンパス
 国分寺キャンパスの建設・整備については、2009年4月16日開催理事会で承認された「国分寺キャンパス建設整備マスタープラン及び第1期建設整備計画」に基づき、キャンパス整備推進プロジェクトのもとに「教室・ICT・研究室作業部会」「図書館作業部会」を設置し設計図面の策定等の具体的作業をすすめた。作業は順調にすすんでおり、法人としては、2010年5月中旬には新5号館、新図書館建設にかかわる施工業者の確定を行う予定である。
 他方、本学は、「国分寺市まちづくり条例」にもとづく高さ制限(15m)のクリアを目標に2009年4月以降継続的に国分寺市との協議を重ね、2回の近隣住民説明会を経て、2010年1月28日付で「20mの制限緩和」の認可を受け、同市と「国分寺市まちづくり条例に基づく協定書」を締結した。この協定書の締結を受けて、2010年2月中旬から仮設校舎の建設工事に着手している。
 仮設校舎は、新5号館と新図書館を建設するために解体する現5号館と3号館の臨時の代替校舎として建設するもので、2010年7月には大教室(2室、各351名収容)としての利用を開始する。
(2)村山キャンパス
 村山キャンパスの活用計画を検討するために、キャンパス整備推進プロジェクトのもとに「村山作業部会」を2008年7月に設置した。同部会での検討結果は、学長に2009年11月5日付で「村山キャンパス整備計画」として答申された。それについての教職員説明会および体育会指導者説明会を開催し意見の聴取を行っており、2010年度より計画の実行に向けた調査を開始する。
4.管理・運営
(1)内部監査組織
 内部監査制度の整備をすすめるため、理事長のもとに内部監査組織として2009年6月1日付で「監査室」を設置し専任職員を配置する一方、「学校法人東京経済大学内部監査規程」(2010年4月1日施行)を2010年3月に制定した。
(2)危機管理対応
「危機管理本部規程」を2009年4月1日から施行し、同年4月頃に問題化した新型インフルエンザへの対応は、「危機管理本部」のもとに「新型インフルエンザ対策本部」を立ち上げ、ガイドラインの策定、感染拡大防止の具体的対策等を迅速に行い、万全を期すことができた。
(3)職員人事制度
 人事システムの構築作業は、事務局長の諮問をもとに事務役職者による新職員人事システム検討委員会での検討を継続している。
(4)格付け評価
 2009年度の本学の格付けが、格付投資情報センター(R&I)から2009年9月30日付で公表され、積極的な改革の取り組み、入試・就職等の実績、堅実な財務内容等が評価されて、2008年度の「A+」を維持した。
5.地域社会との連携及び社会貢献
(1)国分寺市との連携・地域貢献
 国分寺市内のお鷹の道周辺を拠点に2007年度から活動が展開されてきた「おもてなし事業」は、「おたカフェ」としてあらたなスタートをきった。これは、それまでの「東京経済大学・国分寺地域連携推進協議会」の事業の一環としての活動から、国分寺市の委託を受けた事業運営へと本格稼動を開始したことを意味する。また、こうした活動を含めた学生の地域参加活動を単位認定すべく検討した結果、経済学部では、2010年度より特別講義「学生の地域貢献」を開講することとなった。
 なお、プロジェクト研究所としての5年間の研究活動を終了した国分寺地域産業研究所は、2010年度より学長のもとに置き、国分寺地域研究のコア組織としてあらたに活動を開始する。
 およそ15~20年後までの期間を対象とする国分寺キャンパス建設整備マスタープランを策定し、その第1期計画を予定どおりすすめている。マスタープランは、武蔵野の緑を豊かに残す国分寺崖線上に立地するという本学の特性を活かし、環境に配慮した「森のキャンパス」とすることをコンセプトとしている。そのため、第1期建設整備計画においては、工事区域の一画を公開空地として市民に開放する他、校舎南門から新次郎池に至る区域についても公開空間と位置づけ、池周辺の市民利用に配慮することとしている。
(2)武蔵村山市との連携・地域貢献
 武蔵村山キャンパス公開講座は、同地域との代表的な連携事業として2001年度にスタートし、2009年度で9回目を迎えた。毎回、延べ200名程度の市民が参加し定着している。また、武蔵村山市から要請のあった本学村山校舎プールの同市への貸出しについても2008年度中に安全管理上必要な設備対応を済ませ、同市との期間・曜日を定めた施設使用契約を締結して、2009年度より貸出しを実施した。貸出し期間中には、1,200名近くの市民利用があり、これについては、2010年度も継続することとしている。さらに2009年度は、近隣幼稚園の建て替え工事に伴い、本学村山校舎の一部を同幼稚園に施設貸与(有償)するなど、地域連携の強化を図った。
(3)社会貢献
 多くの本学教員が公的機関や行政の審議会等の委員を務め、また、メディアにおける提言を行う等、その専門領域で活発な活動を展開した。本学創立者大倉喜八郎の文化的貢献の志を継承した大倉喜八郎記念東京経済大学学術芸術振興会は、2002年度より活動を開始しており、2009年度もクラッシック演奏会、文化講演会等の5企画を実施し、多数の聴衆がそれに参加し、その文化面での社会的貢献を果たしている。
6.その他
(1)創立110周年記念事業
 本学が2010年度に創立110周年を迎えるにあたり、その記念事業には2008年度から先行して取り組んでいる。「進一層全国キャラバン」は、2008年度に続き横浜・新潟の両市で開催し、事前の数回にわたる新聞広告等による広報展開とも相まって、本学や記念行事の訴求に効果をあげている。また、学生新聞復刻版を2010年3月に刊行した。2010年度前期には、本学同窓会組織である葵友会による寄付講座「語り継ぐ東京経済大学の110年」が12名の卒業生によるリレー方式の特別企画講義として開講されることになった。なお、記念式典・祝賀会は、本学創立記念日の2010年10月23日(土)に開催することとし、鋭意、その準備をすすめている。
(2) 卒業生組織・父母の会組織との連携
 葵友会は、卒業生会費の前納制度を2009年度入学生から開始した。これにより、同年度入学生から卒業直後より自動的に会費納入会員となる。こうした制度変更等をも前提に、大学は、父母の会関係業務を大学業務として見直し、葵友会業務とともに一括して校友センター業務と位置付け、大学と葵友会と父母の会の3組織の連携の強化を図っている。葵友会と父母の会は、相互の情報交換の円滑化等により、全国の支部単位での交流も広がり、両者共催による支部総会も実現している。また、2002年以降に結成された葵流通会等の業界別の卒業生組織は、他大学に例を見ないユニークな存在となっており、その取り組みに工夫と改善が加えられ、大学と在学生とその父母、そして卒業生との就職支援等における提携強化が図られている。
(3) 学長選挙制度の検討
 学長から学長選挙制度検討委員会宛に2009年4月13日付で学長選挙規程等の総合的検討にかかわる諮問がなされた。諮問の柱は、候補者確定の方法、候補者による意思表明の方法、職員の学長選挙への関与のあり方等である。2010年3月9日付で学長宛に同委員会より答申が提出され、それが教職員全員に配布され、学内での学長選挙制度の検討が始められている。
(4) エコキャンパスの取り組み
 本学では、従来から教職員有志による「エコキャンパス推進会議(通称:エコミーティング)」がクールビズ、エコキャップ運動、適切な空調温度設定、ごみ分別等のキャンパス内におけるエコ推進の活動を行い成果をあげてきた。こうした活動等を引き継ぎ、環境保全に関する本学の取り組みを推進し、社会の要請に応えることを目的に、学長のもとに「エコキャンパス推進委員会」を2009年4月1日付で設置した。同推進委員会の任務は、本学のエコキャンパス化の推進、キャンパス近隣を含む環境の保全、その他キャンパス内外の環境等に関する学長への助言である。エコミーティングは、同推進委員会の下部組織として位置付けられ、教職員のほか、学生や大学に関係する団体の者も加わり、エコキャンパスの実現に向けた活動を推進していくこととしている。なお、同推進委員会は、エコキャンパスの実現に向けた諸方策と進行中のキャンパス整備とをスムーズに連動させる調整機能も果たしている。当面は、創立110周年記念事業のなかで行うエコキャンパス宣言の準備とこれを機に発行する環境報告書の作成に取り組んでいる。
(5)セクシュアル・ハラスメントの防止の取り組み
 2008年度の厚生労働省通達もあり、セクシュアル・ハラスメントの防止に関する諸規程の整備に取り組み、「教職員のセクシュアル・ハラスメントの防止に関する規程」「教職員のセクシュアル・ハラスメント懲戒処分規程」を2009年4月1日付で制定した。これに伴い、学生・教職員・大学関係者を対象とした「セクシュアル・ハラスメント防止ガイドライン」についても教職員の意見を参考に改訂版を発行した。こうした取り組みにより、人権に配慮したキャンパスづくりの課題を前進させることができた。
(6)入試改革と戦略広報の取り組み
 地区入試は、一般入試前期2教科型について2008年度から開始し、2010年度入試(同年2月実施)では、試験会場として、前年度までの新潟、横浜、千葉、水戸、静岡にあらたに高崎を加え、計6会場で実施した。入試特待生制度については、2010年度入試でも引き続き、一般入試成績上位者276名を特待生として合格させ、入学者のさらなる学力アップを目指すこととした。なお、同制度は、前述のように、2011年度入学生から最長4年間の授業料減免制度に拡充する。
 2010年度入試の志願者数は、前期(2月実施)では、一般入試が前年度比25.9%、1,329名の増加、センター入試利用入試が同じく42.2%、1,965名の増加という好調な結果であった。また、後期(3月実施)においても、志願者数は、一般入試とセンター入試利用入試を合わせて34名の増加であった。前期・後期を合わせた一般入試総志願者数(推薦入試等を含まない)は、昨年度比30.7%の増加(3,328名の増)となり14,178名となった。18歳人口が減少し、各大学とも志願者の確保がきびしいなかで、本学は3年連続して志願者を増加させることができており、特に2010年度の志願者数は1999年度入試以降では最も高い水準となった。こうした結果については、詳細な分析を急いでいるが、本学が、この間、取り組んできたTKUチャレンジシステムをはじめとする教育改革、あらたに設置した学習センターによる学習支援活動、就職支援の強化、ブランド力の向上をめざした戦略的広報の実施、そして積極的な入試改革等のさまざまな取り組みの相乗効果と認識している。
 なお、知名度が十分でない場合、本学の教育改革や入試改革の努力が受験生や企業サイド等に必ずしも認知されないことを考慮し、本学は、2008年度から2010年度までの3ヵ年に合計1億円の追加的な戦略広報実施予算を計上している。イメージキャラクターの普及やJR車内広告等を積極的に展開し、本学知名度の向上に努めてきた。このような取り組みは、上述の入試実績にも少なからず寄与したものと思われる。戦略広報実施3年目の2010年度も「2010年の創立110周年に知名度50%」の目標を掲げ、就職に強いTKUブランドの確立に向けた取り組みを強化・継続することとしている。

Ⅱ 決算の概要
1.収支の概要

 2009年度の消費収支差額は、当初予算では2億94百万円の支出超過を見込んだ。入試志願者増加に伴う入学検定料収入(手数料収入)の増、リスク管理に留意しつつ効率的な運用を心がけた資金運用や村山キャンパスも含めた積極的な施設貸し出し等による資産運用収入の増、例年に比べ多数の退職者があったことによる退職金財団交付金収入(雑収入)の増等により収支の改善が行われた。他方、2008年9月以降の世界的な金融危機の影響を脱しきれず、2008年度に続いて有価証券評価差額(5億27百万円)を計上した。これにより、消費収支差額は、2009年度決算では、結果的に4億77百万円の支出超過となり、翌年度繰越消費収支差額の累積額は、前年度までの79百万円の支出超過から5億56百万円の支出超過となった。

消費収支計算書(2009年4月1日から2010年3月31日まで) 単位:千円
科 目 予 算 決 算 科 目 予 算 決 算
学生生徒等納付金 6,008,556 6,007,510 人件費 4,201,487 4,247,382
手数料 281,176 375,846 教育研究経費 2,374,111 2,263,043
寄付金 41,190 35,639 管理経費 492,741 519,194
補助金 658,000 604,835 借入金利息 10,105 10,105
資産運用収入 410,399 495,992 資産処分差額(※) 13,000 532,002
事業収入 142,122 140,713 予備費 (26,000)
0
-
雑収入 202,063 263,455 消費支出の部合計 7,091,444 7,571,726
帰属収入 7,743,506 7,923,990 消費収支差額 △294,487 △ 476,845
基本金組入額 △946,549 △ 829,109 前年度繰越消費収支差額 △79,119 △ 79,119
消費収入の部合計 6,796,957 7,094,881 翌年度繰越消費収支差額 △373,606 △ 555,964

(※)資産処分差額532,002千円のうち、527,000千円が有価証券評価差額である。

2.帰属収入

 2009年度の帰属収入は、79億24百万円となり、予算比1億80百万円の増(前年度比では42百万円の減)となった。主要な項目については、以下のとおりである。
 学生生徒等納付金収入は、予算比1百万円の減(前年度比では47百万円の増)であり、予算とほぼ同額となった。在籍学生数(各年度の5/1現在)は、昨年の6,272人から6,334人へ、納入人員は6,077人から6,126人へとそれぞれ増加した。これは、近年の学生生徒等納付金収入減少の解消に向けて、学生数規模を確保し維持していくために定員増の努力を継続し、2008年度から経済学部で入学定員30名、2009年度には経営学部で50名の各定員増を行い、全学の入学定員を1,390名とした結果である。
 手数料収入のうちの検定料収入は、3年連続での志願者増(前年比3,396人増、28.4%増、編入、大学院含む)の結果、予算比では94百万円の増となった。前年度比では71百万円の増額となり、近年の教育改革及び入試改革に向けた努力が堅調な入試結果につながったものと認識している。
 資産運用収入については、まず、資金運用の項目では、2008年9月以降の世界的な金融危機の影響が懸念されたが、事業債や仕組債による利息収入等により2.0%での運用となり、予算比では59百万円の増となっている。また、学外の専門知識を有する者を資金運用委員に委嘱し、運用体制の一層の強化を図った。施設設備利用料収入では、休日貸出等を積極的に行ったことと、2009年度は臨時的に武蔵村山キャンパスの一部を外部に施設貸与したことにより予算を大幅に超える実績となった。
 雑収入のうち退職金財団交付金収入では、予定外の退職者により予算を上回ることとなった。
 反面、寄付金及び補助金は予算を下回る結果となった。経常費に対する国庫からの補助金は、予算比53百万円の減(前年度比では11百万円の減)となった。これは、特に、経常費補助金のうちの特別補助の制度が従来の採択制から単価制へと変更になったことに関連しており、特別補助部分が前年比48百万円の減額となり、このことの影響が大きい。
 帰属収入、学生生徒等納付金及び学生数の過去10年間の推移は、下表・下図のとおりである。

帰属収入、学生生徒等納付金、 学生数 の推移(金額の単位:百万円)
年度 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009
帰属収入 8,000 7,988 8,474 8,503 8,199 8,274 8,148 8,411 7,966 7,924
学生生徒納付金 6,334 6,575 6,999 6,813 6,495 6,265 5,952 5,891 5,961 6,007
学生数 (人) 7,786 7,722 7,917 7,647 7,333 6,904 6,410 6,256 6,277 6,254

帰属収入、学生生徒等納付金、 学生数 の推移

3.基本金組入れ
 基本金組入れ総額は8億29百万円となり内訳は以下のとおりである。
(1)第2号基本金組入れ
 2000年3月の理事会において新校舎建設の組み入れ計画が策定され、その後、建設計画の進捗に合わせて、組入れ総額の変更と取得予定年度の変更を行っている。2009年度も変更された組入れ計画に従って4億円の組入れを行い、2009年度末をもって計画どおり31億円の組入れ総額となった。
 なお、2010年度予算において同年度以降の組入れ計画が策定され、2012年度末までに43億円を組入れることとしている。
(2)第3号基本金組入れ
 第3号基本金のうち、「大学奨学基金」「スポーツ振興基金」については、2009年度以降、引き続き、計画的に組入れることとしており、「大学奨学基金」は、毎年1億円を10年間組入れて総額10億円、「スポーツ振興基金」については毎年1億円を5年間組入れ総額5億円とする。他方、これまでの計画を引き継いでいる「アドバンストプログラム推進基金」は、毎年1億円を5年間組入れ、総額5億円の組入れとする。
 また、2009年度から常務理事(財務担当)を中心に寄付金プロジェクトをスタートさせ、取引先業者等を対象に奨学基金への寄付金依頼を始めた。それを含めた2009年度末の組入れ額合計は3億7百万円となり、その他の基金と合わせて、第3号基本金の総額は27億9百万円となっている。
 第3号基本金の残高の推移は、下表のとおりである。
(単位:百万円)
年度 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009
金額 474 499 527 557 678 887 1,393 1,896 2,402 2,709
4.消費支出
(1)人件費
 人件費は、最近の10年間を見ると、45億円規模から40億円規模へと漸減しており、人件費比率は2000年度の56.3%から2007年度の48.0%、2008年度の49.6%まで低下している。これは、この間、教員構成の見直し、職員数の削減及び教職員給与の見直し等、人件費の節減をはかってきた結果である。教員においては、任期制の特任講師制度及び客員教授制度を取り入れ、非常勤教員への依存を抑制しつつ多様な教育需要に対応している。職員においては、業務の見直しやアウトソーシングにより人件費の削減を行ってきた。
 しかし、2009年度については、退職者数が増加したことに伴う退職給与引当金の繰り入れ増等により、対前年度比2億97百万円の増となり、人件費比率も53.6%まで上昇している。
人件費比率(帰属収入に占める人件費の比率)の推移は、下表のとおりである。
消費収支における人件費の推移(単位:百万円)
年度 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009
人件費 4,506 4,434 4,504 4,729 4,197 4,408 4,118 4,038 3,950 4,247
帰属収入 8,000 7,988 8,474 8,503 8,199 8,274 8,146 8,412 7,966 7,924
人件費比率 56.3 55.5 53.2 55.6 51.2 53.3 50.5 48.0 49.6 53,6
(2)教育研究経費・管理経費
 教育研究・管理経費は、予算比85百万円の減(前年度比では1億87百万円の減)となった。教育研究経費では、会計プロフェッショナルプログラムの定員枠50に対し合格者が前年と同程度の32人になったこと等により、奨学費・奨学金対象者が当初見込みより下回ったこと、経常経費の節減に努めたこと等により予算比で1億8百万円の減、教育研究経費比率は28.6%と若干の減少となった。管理経費では、予備費として計上していた110周年記念事業関係への支出等により42百万円の増となり、管理経費比率は6.5%と前年度比で若干の増となっている。
(3)資産処分差額
 世界経済は2008年9月以降の金融危機から立ち直りの傾向にあるが、為替は円高の状況を保っており、保有の仕組債の評価についてはきびしい状況が続いている。保有銘柄の一部について、本学所定の基準により減損処理の対象としたことから、昨年度に引き続き、5億27百万円の有価証券評価差額を計上することとなった。
5.資金収支計算書

 資金収入合計額143億97百万円に対して資金支出合計額は94億20百万円であり、資金収支差額は49億77百万円となって、この金額を現預金として次年度へ繰り越すこととなる。

資金収支計算書(2009年4月1日から2010年3月31日まで) 単位:千円
科   目 予 算 決 算 科   目 予 算 決 算
学生生徒等納付金収入 6,008,556 6,007,510 人件費支出 4,279,647 4,298,115
手数料収入 281,176 375,846 教育研究経費支出 1,786,822 1,675,756
寄付金収入 31,470 26,471 管理経費 474,471 500,926
補助金収入 658,000 604,835 借入金利息 10,105 10,105
資産運用収入 410,399 495,992 借入金等返済支出 49,990 49,990
事業収入 142,122 140,713 施設関係支出 53,130 71,980
雑収入 202,063 263,455 設備関係支出 145,382 137,554
前受金収入 1,634,202 2,284,522 資産運用支出 2,928,040 2,668,691
その他の収入 405,984 552,743 その他の支出 111,105 117,340
資金収入調整勘定 △2,450,349 △ 2,366,163 予備費 ( 26,000 )
0
-
前年度支払資金 6,011,592 6,011,592 資金支出調整勘定 △40,957 △ 109,818
次年度繰越支払支出 3,537,480 4,976,877
資金収入の部合計 13,335,215 14,397,516 資金支出の部合計 13,335,215 14,397,516
6.貸借対照表

 2009年度末における貸借対照表の「資産の部」の合計額は361億97百万円となり、前年度比では2億91百万円の増となった。

(1)資産の部
 固定資産全体は、前年比13億25百万円の増となった。有形固定資産では、学生会館中2階への遮音壁の設置、葵陵会館2階店舗の改修、武蔵村山キャンパスへの防犯カメラの設置及び仮設校舎の線路側への電飾看板の設置等を行った。
 また、国分寺キャンパス第1期建設整備計画にかかる基本設計料、設計・監理委託料、仮設校舎建設の一部費用を建設仮勘定として執行している。
 その他の固定資産では、長期有価証券新規購入分として19億50百万円を執行した。また、前述したように有価証券の減損処理を行ったこと、各種特定資産への振替を行ったことにより、有価証券残高としては前年比11億24百万円ほどの増となった。
 第2号基本金引当特定資産は、第2号基本金の計画的組入れによって4億円増加し、国分寺キャンパス第1期建設整備計画にかかわる基本設計料等、第2号基本金から第1号基本金(建設仮勘定)への振替により合計残高は30億35百万円となった。
 第3号基本金引当資産は、計画的組み入れにより、大学奨学基金への1億円(2018年度までに計10億円の計画的組入れ)、「東京経済大学スポーツ振興基金」への1億円(2013年度までに計5億円の計画的組入れ)、「東京経済大学アドバンストプログラム推進基金」への1億円の組入れ、奨学基金への篤志家および寄付金プロジェクトによる寄付金の組み入れを合わせて、総額3億7百万円の増となった。
 運用可能資産は、「その他の固定資産」154億34百万円と流動資産49億77百万円とを合わせた204億10百万円となった。
(2)負債の部
 借入金は、創立100周年記念事業による24億60百万円の借り入れが計画的返済により4億50百万円まで減少した。これにより、前受金を除いた総負債比率は6.8%となる。創立100周年記念事業による借入金は、今後、毎年50百万円の返済を行い2018年度に完済する予定である。
貸借対照表(2010年3月31日) 単位:千円
資 産 の 部 負 債 の 部
科   目 本年度末 前年度末 科   目 本年度末 前年度末
固定資産 31,105,752 29,780,873 固定負債 2,052,506 2,153,229
有形固定資産 15,667,476 16,059,330     長期借入金 399,920 449,910
  土地 1,940,755 1,940,755     退職給与引当金 1,652,586 1,703,319
  建物 7,775,038 8,266,950 流動負債 2,676,285 2,637,021
  構築物 527,228 565,650     短期借入金 49,990 49,990
  教育研究機器備品 164,854 183,200     未払金 104,094 111,105
  その他の機器備品 25,799 33,650     前受金 2,284,522 2,257,577
  図書 5,168,782 5,069,125     預り金 237,679 218,349
  車両 600 0 負債の部合計 4,728,791 4,790,250
  建設仮勘定 64,420 0
  その他の固定資産 15,438,276 13,721,543 基 本 金 の 部
  電話加入権 3,781 3,781 科   目 本年度末 前年度末
  有価証券 8,025,342 6,901,100     第1号基本金 25,753,504 25,567,501
  長期貸付金 450 465     第2号基本金 3,035,579 2,700,000
退職給与引当特定資産 1,652,586 1,703,319     第3号基本金 2,709,589 2,402,062
大倉学芸振興会引当特定資産 10,399 10,281     第4号基本金 526,000 526,000
瀧本記念奨学金引当特定資産 550 535 基本金の部合計 32,024,672 31,195,563
  第2号基本金引当特定資産 3,035,579 2,700,000
  第3号機本金引当特定資産 2,709,589 2,402,062 消費収支差額の部
流動資産 5,091,747 6,125,821 科   目 本年度末 前年度末
現金預金 4,976,877 6,011,592 翌年度繰越消費収支超過額 △ 555,964 △79,119
未収金 108,686 107,784 消費収支差額の部合計 △ 555,964 △79,119
前払金 6,077 6,016
立替金 107 429
資産の部合計 36,197,499 35,906,694 負債の部、基本金の部及び消費収支差額の部合計 36,197,499 35,906,694

借入金残高の推移

 1997年、1998年に創立100周年事業のための借入(24億6000万円)を行ったが計画による返済により、2009年度末の残高は4億5000万円。

消費収支計算書関係比率の推移

人件費比率=人件費/帰属収入  帰属収入に占める人件費の割合
教育研究経費比率=教育研究経費/帰属収入 帰属収入に占める教育研究経費の割合
帰属収支差額比率=(帰属収入-消費支出)/帰属収入 この比率が大きくなるほど自己資金の充実度が高いことを示す。
学生生徒等納付金比率=学生生徒等納付金/帰属収入
補助金比率=補助金/帰属収入

Ⅲ 学校法人の概要
1.設置する学校・学部・学科及び入学定員・学生数の状況
(1)設置する学校  東京経済大学
学校の所在地:
東京都国分寺市南町1丁目7番34号
東京都武蔵村山市学園5丁目22番1号
(2)大学院・学部・学科及び入学定員、学生数の状況
(1) 大学院(2009年5月1日現在)
研究科 修士課程 博士課程
入学定員 収容定員 在学生数 入学定員 収容定員 在学生数
経済学研究科 10 20 17 5 15 7
経営学研究科 10 20 13 3 9 3
コミュニケーション学研究科 20 40 21 5 15 14
現代法学研究科 10 20 11
合  計 50 100 62 13 39 24
(2) 学部(2009年5月1日現在)
学部 学科 入学定員 収容定員 在学生数
経済学部 経済学科 300 1,150 2,046
国際経済学科 155 610
経営学部 経営学科 325 1,150 1,400
流通マーケティング学科 160 700 707
コミュニケーション学部 コミュニケーション学科 200 860 953
現代法学部 現代法学科 250 1,040 1,087
21世紀教養プログラム   61
合計   1,390 5,510 6,254
2.役員・評議員・教職員の概要
(1)役員(2009年4月1日現在)

理事長 村上 勝彦
理事(学長) 久木田重和
常務理事(広報・教学等担当) 一瀬 益夫
常務理事(学生支援等担当) 安川 隆司
常務理事(財務担当) 田中 紀之
常務理事(事務局・総務担当) 船木  明
理事 橋谷 弘
理事 宮﨑 良夫
理事 飯村 敏光
理事 加治  章
理事 岩本  繁
理事 米谷 雅彦
理事 大倉 喜彦
理事 大平 惠吾
理事 小村  武
理事 田中 章義
以上16人
監事  菅原 寛貴
監事 八木 茂樹 以上 2人
(2)評議員
山田 洋生(議長) 若尾 良男(副議長)  
秋葉いづみ 安藤 明之 池宮 正才
石原 紀彦 伊藤 乾司 伊藤 治雄
今田  肇 浦田智恵子 榎島 景子
岡村 敏彦 岡本 英男 海田 恭敬
風間 佳子 川島 康男 北山 喜之
木村  純 國吉 昌良 坂井 一郎
佐藤 和夫 佐藤 知美 島田  茂
新保 桂一 徐  京植 曽根 春海
瀧本嘉一郎 千葉 良信 経沢  守
豊生益太郎 馬場 章夫 浜尾恵二郎
早瀬 秀一 原  靜枝 廣根 光政
松田 周三 三上 卓也 宮﨑 庄一
向井 一郎 村田 昌代 山根 睦嘉
横山 弥生    

※評議員数は、以上42人の評議員に理事16人を加え、合計58人である。

(3)教職員数(2009年4月1日現在)
(1) 教員数
学部 専任教員 特任講師 客員教授 兼任講師
教授 准教授 専任講師 小計
経済学部 32 11 3 46 4 2 55
経営学部 31 8 3 42 4 0 104
コミュニケーション学部 17 7 1 25 0 2 23
現代法学部 18 4 4 26 2 2 37
合計 98 30 11 139 10 6 219

※学長は含まない

(2) 職員数
事務職員 112 人
技能職員 4 人
校務職員 12 人
合計 128 人
Ⅳ 東京経済大学の建学の精神、大学の理念、目的及び教育目標

以下は、本学の理念、目的及び教育目標である。

(1)理念
 建学の理念である「進一層」の気概を持ち、「責任と信用」を重んじ、実践的な知力を身につけてグロ-バル社会で活躍する人材の育成をはかる。「専門学術の真摯な研究」を通じて社会に貢献する。100年を越えた伝統と経験を踏まえ、時代と社会の要請に積極的に応えて絶えざる自己改革を推進し、地域と社会に開かれた大学を目指す。
(2)目的
大学の理念を踏まえて、5つの目的を設定する。
(1) 進取の精神
 グローバル社会で活躍する、進取の精神に富んだ人材の育成をはかり、絶えざる自己改革を目指す。常に自己点検を行い、第三者の評価をも受けて、改革を推進する。
(2) 実学と外国語の重視
 創立以来受け継がれてきた「実学と外国語の重視」の伝統をさらに発展させ、実践的な知力のある、社会で活躍できる人材の育成をはかる。
(3) 総合的判断力を持ち、責任と信用を重んずる人材の育成
 幅広い教養と専門的な知力に裏付けられた総合的な判断力に加えて「責任と信用」の重要性を自覚した、「世界に通用する人材」の育成をはかる。
(4) 社会の知的センターとしての貢献
 「専門学術の真摯な研究」の発展に一層努力し、蓄積された研究成果を社会へ還元することを目指す。
(5) 開かれた大学、学生とともにある大学
 創立の理念の一つである「意欲ある社会人青少年の教育」を現代的に継承して、地域や社会、世界に開かれた大学を目指す。学生一人ひとりの立場にたって、学生生活を支援し、学習環境の不断の改善に努める。
(3)教育目標
 前世紀の最後の四半世紀から21世紀にかけて、グローバル化、高度情報化、環境問題の深刻化、少子・高齢化など、社会は大きく変化し、一層複雑化している。規制緩和等の推進に伴って、経済社会システムの変革も進んでいる。このような現代社会で活躍できる人材の育成を可能とする教育システムを構築し、一層の教育改革の推進をはかる。そのため、本学の理念及び目的を踏まえて、7つの教育目標を掲げる。
(1) 独自な学部教育の追求と総合的、学際的な教育の展開
 経済学部、経営学部、コミュニケ-ション学部、現代法学部の独自性を活かし各学部の特色ある教育の徹底をはかる。同時に、学部横断的なカリキュラムを通じて、社会と時代の要請に応じるため、総合的、学際的な教育を行う。
(2) 職業人に必要な知識・思考法と実践的な知力の涵養
 地球規模の現代的諸問題を的確に認識するための知識・能力及び社会科学の専門的知識・思考法を身につけた、グロ-バル社会で活躍する人材を育成する。社会で通用する学力・能力、とくに日本語・外国語のコミュニケーション能力、コンピュータリテラシーを学生が身につける教育を展開する。インターンシップ教育などによって実践的感覚を練磨し、理論と実践の統合をはかる。
(3) 学生の志向を反映した教育の展開、学生一人ひとりの学習意欲・学力に応じた能力開発
 授業評価などを通じて学生の志向が反映する教育を展開し、学生一人ひとりの学習意欲、学力に応じた能力開発を行う。このため、習熟度別教育、個別学習支援体制、学習奨励制度等の一層の充実をはかる。
(4) 責任と信用を重んじた健全な市民精神の涵養
 経済社会システムの変革に伴って、21世紀には、一人ひとりの自立と社会運営への参画の要請が強まる。市民、職業人に必要とされる、責任と信用を重んじた健全な市民精神が身につく教育を展開する。
(5) 職業意識の涵養とキャリア形成支援の充実
 社会で生きるために職業に就き、働くことの意味を自覚し、さらに職業人として活躍するための力を修得できるような教育を推進する。これらの目標達成のため、授業における教育の展開はもとより、卒業生組織、地域社会、他の教育機関等との連携を推進する。
(6) 学習意欲、学力のある学生の確保
 教育効果を高め、次世代の人材を育成するために、学習意欲・学力の優れた入学志願者を多く集め、質の高い学生を確保する。そのため、教育システムを魅力あるものにし、工夫を凝らした入試制度を実施する。
(7) 専門職業人の育成、学術研究の担い手育成のための大学院教育の強化
 複雑多様化する現代社会で活躍できる専門職業人育成の場としての大学院の強化をはかり、学術研究の担い手をつくり出すための大学院教育を拡充する。卒業生を含む職業人、留学生に開かれた大学院を目指す。

大学紹介