東京経済大学

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事業報告書

事業報告書

Ⅰ事業の概要
1.教育・研究
(1)教育改革の推進
 2011年4月の大学設置基準の改正・施行により、大学における社会的・職業的自立に関する指導等、いわゆる就業力の養成が義務付けられたことを受け、本学では、2011年度から、各学部の初年次ゼミ等において授業回数の1回分をキャリアセンターの協力を得て、就職に必要な知識と姿勢についてのガイダンスを実施した。
 ゼミ教育の充実を図るために、経済学部、経営学部及び全学共通教育センターでは、4年次に3回目の演習履修を可能とする制度運用を2008年度から試験的に行っており、2011年度は、これを恒常化する制度整備の検討を進めた。
 このような教育改革を進めるために、本学では、FD(ファカルティ・ディベロップメント)活動の一層の強化と定着を図ってきた。この方針に基づいて、各学部及び全学共通教育センターのFD会議での定期的な情報交換だけでなく、2011年度は、全学FD会議主催による教員相互による授業参観、外部講師を招いての2度の講演会(第1回「アカデミック・ハラスメントはなぜ起きるか」、 第2回「学生のボトムアップのために教員ができること」)を実施した。

(2)TKUチャレンジシステムの推進
 2011年度は、各学部の総合教育科目の中に位置付けているベーシック科目群のコマ数増加と担当教員の充実を実現した。各種アドバンストプログラムは、それぞれの運営組織やその基礎となる学部での議論を間断なく行うことによって、プログラムの適切な運用を図ると同時に2012年度に向けた制度の見直しとして、会計プロフェッショナルプログラムにおけるAO入試の廃止と入学後の適性を見た上でのプログラム生の選抜実施、グローバルキャリアプログラムのうちのオーストラリアコースの2年次派遣の2012年度からの実施、PRプロフェッショナルプログラムの資格取得補助の拡充策、ベルリッツプログラムの開講時間帯の見直し等の検討を行った。なお、アドバンストプログラムの成果の一例として、会計プロフェッショナルプログラムでは、2011年度に3年次と4年次から各1名が公認会計士試験に合格し、法プロフェッショナルプログラムでは、法科大学院への進学者が3名あった。

(3)教育のICT活用支援
 AVセンターで実施している教員向けICT活用支援については、利用件数も年間2,000件を超え定着してきた。2010年度に導入した動画収録システムは、行事のアーカイブ化や、授業内での活用に加え、オープンキャンパス模擬講義の収録・公開等、着実に利用の範囲を広げてきている。双方向型授業を支援するツールとして2011年度に導入したクリッカーについては、より一層の利用の拡大を図るべく、周知や利用支援の強化を図っている。
 一方、増大する教室需要を満たすこと、また、教育のICT環境の整備等を目的に建設した新5号館が2012年3月に竣工したことにより、本学のICT教育支援は新たな段階を迎えることとなった。同館には、1室40人規模で利用できるeラーニング教室が5室、1室40人規模で利用できるPCL教室が5室設置され、これらのPCL教室には、合計418台のパソコンが設置された。既存の3号館PCL教室に比べて36台増設されたことになる(これとは別に、6号館PCL教室には211台のパソコンが設置されている)。同館には新たな教育環境として、1室20人から26人規模で利用できるPCL演習室が4室設置された。この施設にもパソコン82台が増設されている。また、新しいPC自習室は、旧施設よりも18台増の72台のパソコンが設置されている。
 この新5号館が2012年4月から稼働することで、同館内でのパソコン設置台数は、合計572台となり、従来3号館に収容していた同施設でのパソコン設置台数合計436台に対して、136台の増設が実現した。さらに新5号館には、一般教室として350人から400人収容規模の大教室4室、200人収容規模の中教室6室があり、これらの教室には、デジタル・フルハイビジョン対応のAV設備が整えられている。


新5号館

(4)GP(グッドプラクティス)への取り組み
 2010年度に文部科学省「大学生の就業力育成事業(通称:就業支援GP)」に採択された経済学部の取り組みである「TKUエンプロイアビリティ養成プログラム」は準備期間を経て2011年度から本格稼動し、「キャリアデザイン入門」3コマが経済学部1年次対象に2期から開講され、合計312名が履修した。また、個別指導チームによる対面指導や本学オリジナルのキャリア力検定を実施するなど、当初計画したプログラムの内容を着実に実施に移すことができた。

(5)大学院改革
 3年次で学士号を取得した後、ただちに本学大学院へ進学することを可能とした早期卒業制度は、少数の学生を対象とする制度であるが、制度制定の趣旨に沿ってその定着を図るべく、在学生への説明会を積極的に展開した。
 前年度来課題としていたカリキュラムポリシー、ディプロマポリシーの策定については、2012年2月の大学院各研究科委員会で確定し、同年3月にウェブ等に公表した。
 2011年度の学内GPに採択された、大学院生の宿泊を伴う研修は、一定の成果を確認できたことから、今後安定的な制度運営を行うため2012年4月1日付の施行に向けて「大学院学生国内研修実施要領」を制定した。
 海外指定校推薦については、これまで雲南大学、上海杉達大学より毎年一定数の研究生を受け入れ、最短で半年後に入試を経て本学の正規生となっていたが、これまでの実績を踏まえ、今後優秀な学生の一定数確保が可能との見通しから、上海杉達大学からは2011年度入学生、雲南大学からは2012年度入学生から研究生を経ずに本学正規生として受け入れ可能となるよう制度変更を行った。
 また、留学生の奨学金充実のために2012年4月1日付の施行に向けて「海外指定校制推薦入学者奨学金規程」を制定した。

(6)研究環境の整備・充実
 「文部科学省科学研究費補助金取扱規程」を改正し、研究環境の整備を進めた。また、2011年度の科研費の監査は、従来の経理課と研究課に加えて、内部監査人が同席して実施し、科研費の適切な運用を図ることができた。なお、本学の科研費の2011年度の採択件数は、前年度の14件から過去最高の19件に増加した。

(7)プロジェクト研究所
 2011年度は、従来から活動を継続している国際歴史和解研究所、アカウンティング・リサーチセンターに加え、東日本大震災を受け、新たに災害復興研究所がスタートし、シンポジウムの開催(2011年10月、2012年2月)や復興支援に関する研究活動を進めている。

(8)留学生受入れ・送り出しの強化
 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う東日本大震災は、本学への留学生の受け入れでも相次いでキャンセルが出るなど、大きな影響があった。結果的に2011年度の留学生の受け入れは、第1期に協定校から1名(1年間)、第2期に協定校からの短期留学生10名であった。2011年度は、2012年度に向けての留学生受け入れ態勢の課題整理に努める結果となったが、そうした中で、2011年度の学内GPに採択された、協定校からの研修生13名の招待事業(2012年2月実施 参加者12名)が一定の成果を収めた。こうした取り組みが2012年度の留学生受け入れ増加へ繋がることを期待している。
 中国対外経済貿易大学(協定校)とは、主に同大学外国語学院日本語学科との間で様々な交流を重ねて来ているが、新たに同大学国際貿易学院から、半年の短期留学生を2012年4月から9名を受け入れる方向で準備を進めた。
 2011年度の留学生の送り出しの結果は、中国マカオ大学(協定校)に1名、英国チチェスターカレッジ(協定校)に3名の合計4名であった。2012年度には、米国ペース大学(協定校)に1名、また、英国チチェスターカレッジに3名、いずれも1年間の留学を予定している。
また、韓国培材大学、英国チチェスターカレッジへの3週間の語学研修は、2011年度も例年どおり実施することができた。
 数年来のゼミ同士での交流を経て、2010年度に友好校協定を結んだ米国ケネソーステート大学との学生交流は、2011年度も例年どおり実施された。


日本語・日本文化研修(2月)

 

2.学生支援
(1)学生支援の財政的基盤の強化
 アドバンストプログラム推進基金については、2010年度末で当初の予定(5年間、5億円)を達成したが、TKUチャレンジシステムの更なる充実を目指し、2011年度も継続して組入れた。また3号基本金組入れ変更を行い、今後5年間で5億円、10年間合計で総額10億円を組入れることとした。

(2)学生経済支援制度の強化
  1. 東日本大震災の災害救助法適用地域に居住する2011年度在学生は3月末の卒業生を合わせて660名であったが、そのうち、実際の被害(家屋の一部損壊以上、政府指定地域からの原発事故避難、震災による失職)を被った申請学生175名に対し、総額約4,200万円の緊急経済支援を行った。家屋の損壊のレベルに応じた授業料減免を基本に、半壊以上の対象者には、教育充実費の減免も行った。また、新入生は、入学検定料・入学登録料も免除し、3月卒業生にはお見舞金を支給した。さらに、2012年度新入生には、2011年度と同様の支援を行い、2年生以上については、半壊以上と原発事故避難の学生に対して2年度目の支援を行うことになった。
  2. 経済情勢の悪化に伴い、経済的事由による休・退学者が増加傾向にあることや学生支援機構奨学金の貸与者も急増していることに対し、給付型の「東京経済大学奨学金」受給者の計画的増員や奨学生決定方法の改善を決定した。2012年度から毎年10名ずつの奨学生枠を増員し、最終的には200名を達成目標としている。また、奨学生の選考にあたっては、入学後の学業成績を重視した方法に変更し、奨学生継続の手続きも厳格化し、適正な奨学金支給を行えるよう改善をはかった。

(3)就職支援活動の充実
 2011年度は大卒求人倍率が前年度を下回るなど、就職環境がさらに悪化したことを受け、キャリアセンターを中心に就職支援の強化を図った。
  1. 個々の学生に対するキャリアカウンセリングの強化
    3年生全員面談、1年生全員面談、個別相談、TKUエンプロイアビリティ養成プログラム所属1年生への面談、電話相談等、キャリアセンターによる学生との関わり件数は、過去最高の17,069件に上った。
  2. キャリアセンターの体制強化
    キャリアカウンセラー(繁忙期・電話相談)を増員し、23名(含む非常勤)へと体制を強化した。
  3. キャリアセンターの相談環境の改善
    事務執務中心の事務室から相談中心の事務室へとレイアウト変更工事を8月に実施し、また名刺印刷用プリンターを設置した。
  4. TKUエンプロイアビリティ養成プログラムの実施(就業支援GP採択)
  5. 企業開拓・インターンシップ開拓の拡大継続
  6. 4年次支援強化。5月以降の授業期間中、毎月の合同企業説明会開催


(4)TKU進一層表彰制度の活用
 TKU進一層表彰制度は、2009年度に創設した学生の正課授業以外の諸活動における活躍を表彰する制度であるが、2011年度は、論文や作品を作成する「AOI学芸部門」で久々に特賞受賞者を出すことができた。「資格取得部門」では、東日本大震災の影響もあり、全体の受賞者数は減少したが、公認会計士現役合格2名をはじめ、TOEIC900点以上の高得点者も続いて出ている。「課外活動部門」では、体育会端艇部の全日本選手権優勝やゼミにおける日銀グランプリ最優秀賞など大きな成果を残した。一方、簿記や法学検定等の初級資格やゼミ仲間による論文挑戦など、多くの学生にいわば「小さな進一層」が広がり始めことも重視してよい。


TKU進一層表彰式(3月)

(5)「東京経済大学スポーツ憲章」の定着化、学生スポーツの奨励
 2011年4月より、客観的基準による学外の体育会各サークル指導者の助成制度がスタートした。具体的な目標が明示されたことにより、活性化が大いに期待できる。スポーツ関連の入試制度については、学生支援会議が本学体育会や学外の各サークル指導者の意見を調整し、入試委員会に意見具申を行い、2013年度入試から改善されることとなった。

(6)文化会等その他の学生活動の支援
 課外活動活性化推進連絡会議内に文化会部会の前提となる、大学側と文化会の懇談会を実施した。教員顧問制度等をはじめ、有意義な情報交換を行うことができた。

(7)その他
 最近、増加傾向にある対人コミュニケーションを苦手とする「要支援学生への対応研修会」を関係教職員で実施し、さらに2012年度から学生相談室のカウンセラー体制の増強を決定した。

 

3.施設・設備等の整備
(1)国分寺キャンパスの整備計画
 国分寺キャンパス第1期建設整備計画として、2010年12月に着工した新5号館建設工事は、途中、東日本大震災により工期の遅延が懸念されたが、関係者の努力により当初の予定通り2012年1月末に完成・引渡しを受け、2012年度からの利用が可能となった。また、今後の新図書館建設工事に伴う、現3号館機能の仮設校舎への移設を実施した。
 その他、施設の改修としては、トイレ改修の年次計画により2011年度は1号館全フロアの改修を実施、また、各校舎の空調設備更新の年次計画により2011年度は葵陵会館、学生会館、守衛所の整備を行った。今後、設備の耐用年数の到来に応じ、計画的に改修を実施することとしている。
 また2011年9月、大学に隣接する259平方メートルの土地を取得した。

(2)武蔵村山キャンパスの整備計画
 武蔵村山キャンパスは、2009年11月、武蔵村山キャンパス活用計画について学内検討プロジェクトより学長宛答申が提出され改革推進本部会議等での議論が継続されてきたが、2012年3月の理事会、評議員会において村山キャンパス整備計画への取り組みが示され承認された。2012年度に実施される詳細設計等の費用負担については、2012年度予算の予備費又は補正予算で対応する。これに関連して「武蔵村山キャンパス整備委員会(仮称)」、「武蔵村山キャンパス運営委員会(仮称)」の設置についての検討が開始された。

 

4.管理・運営
(1)自己点検・評価の取り組み
 2011年5月1日を基準日とする自己点検・評価報告書については、6月には、「教育研究活動報告書」を、7月には、「大学基礎データ」をとりまとめ、9月には、各執筆担当者から、報告書が提出された。10月から11月にかけて自己点検・評価運営委員会にて原稿を点検し、加筆・修正を行った上で、12月には、報告書(草案)を大学基準協会へ提出・認証評価を申請し、その後、同協会にて報告書の体裁についてチェックを受けた後、2012年3月に報告書の最終版を提出した。なお、本学では、同報告書の作成と並行して、内部質保証を実質化すべく、委員会体制、事務組織体制についても検討しており、2012年度中には一定の方向を見出すこととしている。

(2)監査機能の充実
 2011年6月1日制定の監事監査規程により監事による監査機能を明確化する一方、監事監査には内部監査人(監査室員)が同行し、適宜意見交換をするなど連携を図っている。また、今年度は年度監査計画に基づく内部監査を実施する初年度として、入試課、経理課、研究課、図書課に対する業務監査を監査室が行った。これらにより、本学の三様監査の体制は実効性を帯びたものとなってきている。
 なお、公益通報者保護法に対応する学内規程の制定に関しては監査室で作成した素案を元に検討が行われている段階である。

(3)危機管理体制の更なる整備
 危機管理本部では、2011年3月の東日本大震災への対応、特にその初期対応を中心に取り組みを行った。詳細は後述するが、甚大な災害へのさまざまな取り組みが必要であったことから、その他の危機事象への対応については、震災対応や情報管理関係を除き、大きな進展はない。
 情報漏洩等の事故による社会的信用の失墜を未然に防ぐため、また、教育・学生支援のための個人情報の活用を推進するために、情報セキュリティポリシーの構築が必要であるとの判断に基づき、本学は、2010年7月から、その構築に向けた検討を開始した。こうした取り組みの結果、2011年4月1日付で情報セキュリティポリシー基本方針、同基本規程及び情報セキュリティ委員会規程が制定され、次いで同年7月21日付で関連規程も制定された。
 また国分寺キャンパスの非常放送設備の改修を行い、従来3系統となっていた非常放送(第一研究センター、第二研究センター、図書館)を一系統に統一し、非常放送をキャンパス全域で同時に受信できるよう改修を行った。

(4)格付け評価の維持・向上
 2011年9月27日に、例年どおり、R&I社(株式会社格付投資情報センター)によるヒアリング調査を受けた。同調査の対象は、学生サービス、学生募集、教学、企画・選挙制度及び財務の動向など、多岐にわたるものとなった。本学は、2004年度から同社による評価を受けており、2007年度まではシングル A、2008年度以降はA+に格上げされて現在に至っている。今回の評価においても目標とした「A+ 安定的」を維持する結果を得ている。

(5)職員力の強化
 職員人事制度については、大学が生き残りをかけた時代に職員が担うべき役割や意識等の変化を認識しつつ、典型的な年功給制度からの脱却を図り、給与制度、能力開発・育成等が機能的に連動する新人事制度の確立をめざし主として事務局会議内での議論を継続しているが進展していない。社会一般の人事制度の動向等を確認するなかで、これを継続する。一方、職員力の強化の一環として、職員研修制度の充実を図っており、職員研修要項に則り、職員基礎知識研修、年代別研修、外部研修、管理職研修等を活発に実施している。

 

5.地域社会との連携及び社会貢献
(1)国分寺地域との連携
 地域社会との連携は、主として2004年10月に発足した「東京経済大学・国分寺地域連携推進協議会」の下で推進している。この間の効果的な取り組みとしては、学生の地域参加プロジェクトで、これは学生の地域参加を単位認定すべく、2010年度より、「学生の地域貢献」(特別講義)が、通年授業で2単位科目として開講したことである。この授業は、国分寺地域を中心に、国分寺市役所、社会福祉協議会、商店会連合会など、公益性のある機関・団体が主催する各種事業に、学生ボランティアとして参加することによって、「地域を学ぶ」ことを目的に開講される特別授業で、履修学生数は30名以内を前提にスタートし、初年度の履修者は18名、2年目を迎えた2011年度の履修者数は36名であった。今後さらに履修者が広がることを期待している。
 また、2010年度にプロジェクト研究所としての5年間の設置期間を終えた国分寺地域産業研究所については、それ以後、これを学長のもとに設置することとして、国分寺地域における調査・研究を継続することとした。なお、安定的な地域連携推進のための学内組織の確立を目指すべく、「地域連携センター」(仮称)の設置についても検討をすすめる予定である。

(2)武蔵村山地域との連携
 武蔵村山地域においては、従来からの公開講座事業、プール施設市民開放等の連携事業を安定的に継続しているが、行政側からの働きかけもあり、その連携をさらに強化する方向で、定期的に協議しながらその可能性を検討することとした。

(3)その他
 国分寺キャンパス第1期建設整備計画は、武蔵野の緑豊かな自然地帯である国分寺崖線に位置する本学の立地条件を活かし、環境に配慮した「森のキャンパス」をコンセプトとしており、自然景観を守るとともにエコキャンパスの実現に向けて建物のグリーンウォール化をすすめている。このコンセプトには「国分寺市まちづくり条例」にも合致するものとなっており、国分寺市、近隣住民からも理解を得られている。工事における騒音対策にも近隣住民に配慮した工法を取っている。この3月には、新5号館も竣工し、4月から本格稼働するが、建築環境総合性能評価システム「CASBEE」では、環境配慮に対した高品質の建築として、最高レベルを意味する「Sランク」に格付けされた。

 

6.その他
(1)「TOKYO TOP30計画」
 2010年10月23日の本学創立110周年記念式典において、学長は「TOKYO TOP30計画」を宣言し、教育品質、研究実績、学生支援、就職満足度、環境の良さ、国際性、社会貢献の7つの重点分野において首都圏有力大学としての地位を確たるものとするビジョンを公表した。2011年度は、これを推進する学内の機運を醸成する一環として学内GPを実施することとし、予備費として2,000万円を予算計上した。7月には第1回目の学内GP募集選考を行い、応募16件のうち10件を採択し、続く9月の第2回目の同選考では、応募5件のうち5件すべてを採択した。採択件数は、合計15件となり、その総額は、1,758万円となった。採択した各企画については、その後、定期的に改革推進本部会議にて進捗状況を確認し、本学開催のシンポジウムのテレビ放送や教職員学生の被災地復旧・復興ボランティア派遣などの一定の成果を収めた。最終報告は2012年4月に取りまとめる予定である。

(2)父母の会、葵友会等の関係組織
 1983年に設立され、間もなく創立30周年を迎える本学父母の会は、その設立当初から、学生生活の側面支援を目的の一つとして掲げている。従来からある「修学支援奨学金」は、大学の定める「学生緊急経済支援制度」による授業料免除対象者への奨学金給付制度であるが、今年度は、これに加えて「資格試験検定料補助」(検定料自己負担額が1,000円から2,000円程度となるよう補助)及び「東日本大震災災害支援金」(被災学生を対象に災害支援金として家屋等の被災状況に応じた見舞金を支給)の2つの制度を設けて、大学と連携した形での学生支援に取り組んでいる。また、葵友会においても2009年度入学生から、葵友会年会費の前納制度(40,000円を卒業後30年間の年会費に充当)を導入したこともあり、在学生支援の強化を図るべく、学部学生対象の奨学金の新設に向けて、大学と定期的に協議する機会を設けて検討中である。早ければ、2012年度、遅くとも2013年度の実現を目指している。今のところ、大学、父母の会、葵友会の3者による合同会議の開催は、実現していないが、相互の連携体制は、密に図られている。

(3)「エコキャンパス宣言」に基づいたキャンパスづくり
 2010年度に示された「エコキャンパス宣言」に従い、今後の10年を見据えての施設・設備の改修計画の策定にも合わせ、今年度は環境にも配慮した施設・設備の充実に努めた。具体的にはトイレ改修の年次計画により2011年度は1号館全フロアの改修を実施、各校舎の空調設備更新の年次計画により2011年度は葵陵会館、学生会館、守衛所の整備を行った。今後設備の耐用年数の到来に応じ、計画的に改修を実施することとしている。なお、前年度は1号館の空調設備の改修を実施している。

(4)人権に配慮したキャンパスづくり
 2008年度の厚生労働省通達により、セクシュアル・ハラスメントの防止に関する諸規程の整備に取り組んだ結果、2009年4月1日付にて「教職員のセクシュアル・ハラスメントの防止に関する規程」及び「教職員のセクシュアル・ハラスメント懲戒処分手続規程」を制定した。同規程の制定に伴い、学生・教職員・大学関係者を対象とした「セクシュアル・ハラスメント防止ガイドライン」についても教職員の意見を参考に改訂手続きを行い、2009年9月に改訂版を発行した。2010年度には、さらに「アカデミック・ハラスメント及びパワー・ハラスメント防止ガイドライン」の制定・施行に向けて関係委員会にて精力的に検討を行った結果、2011年5月にこれが実現した。こうした一連の規程及びガイドラインの制定により、本学の人権に配慮したキャンパスづくりは、さらに前進したことになる。

(5)ブランド力の向上
 2012年度入試結果は、一般入試前期・後期、センター利用入試前期・後期のすべての合計志願者数が12,129名で、前年度比441名、3.8%の増加となった。2011年度入試の結果は、志願者が前々年度比2,490名の減少(17.6%減少)となったが、2010年度入試で極端な志願者の増加があり、2011年度には、前々年度比で減少したが、2012年度入試では若干回復することができた。
 今年度の受験界全体は、数年前から続いている「文低理高」の傾向に変化はなく、理工系大学が着実に志願者を増やしているのに対し、法学、経済学といった社会科学系大学の減少幅が大きく、文系全体の志願者減のもとになっており、こうした学部を持つ大学の多くで志願者を減らしているのが現状である。この中で、本学は、若干でも増加できたのは、入試実施現場のたゆまぬ努力に加えて、この間に取り組んできたブランド力の向上を目的とした戦略的広報活動が効果的に機能した面がある。本学では、4年前から「2010年の創立110周年に知名度UP」の目標を掲げて就職に強いTKUブランドの確立に向けて一定の予算措置をとった上で、こうした戦略的広報に取り組んでいる。今後も、「TOKYO TOP30計画」を訴求する取り組みとして、TKUブランドの一層の向上を目指すこととしている。


JR車輌掲示ステッカー


(6)学長選挙規程
 学長選挙規程及び学長選挙施行細則は、これまで数次の改正を経ているが職員の学長選挙への関与のあり方、候補者確定の方法等の課題が残されている。そのため学長は、2009年4月に学長選挙制度検討委員会を設置して、これらの課題について検討を依頼した。同委員会からの答申を受けて、学長は、2010年7月に具体的な改正案の作成を学内諸制度整備委員会に依頼し、2011年1月には、同委員会から検討結果の報告を受けた。一方、こうした動きの中で2010年7月の臨時全学教授会において、現行の学長選挙規程を改正する必要がある旨承認されており、理事会の意見も求めながら、学内で議論を重ねてきたが、結果的には、2011年3月2日、5月18日の二度の教職員投票によっても職員の学長選挙への関与のあり方等の改正を内容とする学長選挙規程改正案及び学長選挙施行細則改正案は否決された。

(7)東日本大震災への取り組み
 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う東日本大震災に対して、つぎの取り組みを行った。特に初期対応は危機管理本部が中心となって迅速な対応をとった。
  1. 学生・教職員の安否(罹災状況)の確認を行い、その結果、学生の母親の死亡1件、家屋の損壊100件強を把握した。
  2. 罹災学生への経済支援としては、4月新入生への入学検定料・入学登録料の免除、在学生への家屋の罹災レベルに応じた授業料・教育充実費の減免、3月卒業生へのお見舞金の支給を行った。さらに福島原発事故による政府の指定区域からの避難生活者や震災による失職者に対する授業料の減免も実施し、総支援件数は、175件となった。また、2012年度については、受験生・新入生にも同様の措置をとることとし、さらに2年生以上の半壊以上の罹災者と福島第一原発事故による避難者については、2年度目の支援を継続することとした。
  3. 学事日程の変更として、卒業式、入学式等を中止し、第1学期授業開始を5月2日に変更し混乱なく授業を開始できた。
  4. 夏期に実施された電気使用制限に対し、冷房設定温度下限の引き上げ、照明の間引き、施設利用時間の制限等で目標を達成した。
  5. 義援金の取り組みとして、学内に募金箱を設置して広く協力を呼びかけるとともに、法人として500万円を拠出した。
  6. 防災マニュアルの見直し及び防災用備蓄品の補充を行うとともに、7月には学生、教職員を対象に地震発生を想定した避難訓練を実施した。
  7. 震災復興支援学生ボランティアに関しては、学内GPを活用した派遣が夏期に3回、留学生を中心とした派遣が11月に1回実施され、また、父母の会の資金援助による派遣が11月に別途実施された。
  8. 復興支援の一環として、学内に「災害復興研究所」が設置され、10月には同研究所主催による「東日本大震災の復興・復旧を考える」と題したシンポジウムが開催された。
なお、東日本大震災への取り組みについては、7月に中間総括が行われ、文書で学内に配布された。


被災地での活動

 

Ⅱ 決算の概要
1.消費収支の概要

 学校法人会計において重視されるのが消費収支計算である。ここでは毎年度の消費収支の内容と、それらの収支均衡の状態を明らかにし、学校法人の経営状況をみる。
 消費収支計算は、帰属収入(学生生徒等納付金など)から、学校法人が教育研究活動を行うために永続的に保持しなければならない資産として位置づけられる基本金への組入額を除いた額をまず収入の基礎とする。この収入を消費収入という。一方、人件費をはじめ、1年間に消費する物品などの取得費用や業務委託や保守などの用役にかかる費用の合計を消費支出といい、これと消費収入を比較することにより消費収支が決まる。
 今年度の消費収支は、当初予算では1億18百万円の収入超過を見込んでいたが、決算では退職給与引当金計上基準の変更に伴う変更時差異の一括計上、4期連続となる有価証券評価差額の計上などにより、20億37百万円の支出超過となった。その結果、翌年度繰越消費収支差額は前年度までの△6億95百万円から△27億32百万円へと拡大した。
 なお、2011年度においては、2011年11月の第一次補正予算編成に続き、2012年3月に第二次補正予算を編成した。これは主に、第一次補正予算で10年間での分割計上とした退職給与引当金にかかる変更時差異を、2011年度での一括計上に変更したことによる。なお、本文中でいう予算は第二次補正後予算を指す。

消費収支計算書(2011年4月1日から2012年3月31日まで)
(単位:千円)
科 目 予 算 決 算 科 目 予 算 決 算
学生生徒等納付金 6,190,287 6,189,486 人件費 5,931,919 5,927,016
手数料 312,181 307,876 教育研究経費 2,503,740 2,514,741
寄付金 32,511 34,371 管理経費 551,281 538,184
補助金 606,981 604,948 借入金等利息 36,494 36,494
資産運用収入 362,176 404,849 資産処分差額 389,161 398,739
事業収入 132,889 131,619 予備費 (30,000)
0
雑収入 244,216 254,531
帰属収入合計 7,881,241 7,927,680 消費支出の部合計 9,412,595 9,415,174
基本金組入額
合計
△ 571,755 △ 549,562 当年度
消費収支差額
△ 2,103,109 △ 2,037,056
消費収入の部
合計
7,309,486 7,378,118 前年度
繰越消費収支差額
△ 694,456 △ 694,456
  翌年度
繰越消費収支差額
△ 2,797,565 △ 2,731,512

※資産処分差額398,739千円のうち、53,846千円が有価証券処分差額、311,900千円が有価証券評価差額である。

消費収支計算書とは・・・
収入と支出の内容及び収支の均衡を明らかにし、学校法人の経営状況が健全であることが明らかにすることのできる計算書。

 

2.帰属収入

 今年度の帰属収入は、79億28百万円となり、予算比で46百万円の増、前年度比では50百万円の増となった。主な項目については、以下のとおりである。

(1)学生生徒等納付金
 帰属収入の約8割を占める学生生徒等納付金は、予算比およそ1百万円の減、前年度比では49百万円の増となった。在籍学生数(各年度の5月1日現在、大学院研究生を含む)は、2010年度の6,485人から6,533人へ、納入人員は6,251人から6,301人へとそれぞれ増加した。これは入学定員について、2008年度の経済学部での30名及び2009年度の経営学部での50名の定員増によるものである。

(2)手数料
 手数料では入学検定料について、予算比では4百万円の減となったが、入試志願者数については前年比微増の12,896人となった。私立大学の社会科学系の学部系統志願者数が減少傾向にある中で、近年の教育改革及び入試改革に向けた努力が良好な入試結果につながっているものと思われる。

(3)寄付金
 寄付金のうち特別寄付金については、2009年度から2年間にわたって取り組んだ寄付金プロジェクトによる成果があったが、2011年3月の東日本大震災の発生により、新入生及び在学生父母を対象とした教育振興資金の募集時期を遅らせたため、全体では減額となり、予算比で2百万円の減、前年度比では48百万円の減となった。

(4)補助金
 収入割合で学生生徒等納付金に次ぐ補助金は、予算比で2百万円の減、前年度比で36百万円の減となった。この中で最も大きな比重を占める私立大学等経常費補助は2011年度に大幅な制度改正が行われ、一般補助については、これまで以上に定員超過率や教員一人当たりの学生数あるいは学費の学生への還元率が重視されることとなった。本学のそれらの比率は前年度並みあるいは改善の結果となり、一般補助の額も増加したが、経常費補助のもうひとつの柱である特別補助の対象事業の一部が一般補助に移行し、予算規模が縮小されたことにより、全体としては5億49百万円と前年度比では微増にとどまった。今後は、一般補助の比重が増す中で、減額要因となる各比率の改善をさらに図る必要がある。以上のほか、文部科学省からの研究設備整備費等補助20百万円及び2010年度に借り入れた借入金の利息返済に対する利子助成21百万円などが補助金収入に含まれる。

(5)資産運用収入
 資産運用収入のうち資金運用については、期末にかけて環境が好転した結果、主に仕組債による利息収入の増収により、平均利回りは1.55%の見込みに対し1.73%となった。予算比では42百万円の増である。なお、2011年度末に保有している仕組債は12銘柄あり、そのいずれもが為替連動タイプとなっている。債券の購入等資金運用にあたっては、専門知識を有する学外者も加えた資金運用委員会で検討し、理事会で了承された方針に則り、安全かつ効率的な運用を心がけており、仕組債については2009年度以降購入していない。一方、資産運用収入のうち教室貸出などにかかる施設設備利用料は予算を大幅に上回ることはなかった。資産運用収入全体では予算比で43百万円の増、前年度比では34百万円の減である。

(6)雑収入
 雑収入のうち私立大学退職金財団交付金収入については、2011年度退職金に対する交付金を計上している。その他の雑収入については、本学研究者に対して交付される文部科学省科学研究費補助金のうち、大学への経費として交付される間接経費によって増収となった。

 帰属収入、学生生徒等納付金及び学生数の過去10年間の推移は、下表・下図のとおりである。

帰属収入、学生生徒等納付金、学生数 の推移
(金額の単位:百万円)
年度 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011
帰属収入 8,474 8,503 8,199 8,274 8,148 8,412 7,966 7,924 7,878 7,928
学生生徒等納付金 6,999 6,813 6,495 6,265 5,952 5,891 5,961 6,008 6,141 6,189
学生数 (人) 7,917 7,646 7,332 6,904 6,410 6,256 6,277 6,340 6,485 6,533

帰属収入、学生生徒等納付金、 学生数 の推移
帰属収入、学生生徒等納付金、 学生数 の推移

 

3.基本金組入れ
 学校法人会計独特の考え方である基本金は、学校法人が教育研究活動を行うために永続的に保持しなければならない資産とされており、第1号から第4号までに分類される。そのうち、第1号基本金は固定資産の取得や除却によって増減し、学校法人設立当初から設定される資産であり、学校法人に不可欠の資産である。第2号基本金は新たな校舎の建築など将来の固定資産取得のために積み立てられる資産である。第3号基本金は大学奨学基金など基金として保持しその運用によって事業を行うための資産である。第2号基本金、第3号基本金ともに基本金組入計画を前提としており、恣意的な組入れないしは取崩しは認められていない。最後に第4号基本金は恒常的に保持することが義務付けられた資金であり、およそ1ヶ月の経常経費と同額が設定される。
 以上のうち、第1号から第3号までの基本金について、2011年度はそれぞれ増減があり、結果としておよそ5億50百万円を組入れる。この額が帰属収入から差し引かれることとなる。なお、第4号基本金に変動はない。
 以下が各基本金の増減の内容である。

(1)第1号基本金組入れ
 国分寺校地南面に隣接する土地(259㎡)を、取得した。2010年度に続き取得した土地であり、その価額は83百万円である。  国分寺キャンパス第1期建設整備計画に伴う基本金組入れについては、新5号館完成に伴う2011年度中の建物・構築物・教育研究用機器備品の取得費用及び2009年度から2010年度にかけて計上した建設仮勘定の精算を行ったほか、新図書館にかかる建設仮勘定を計上した。
 新5号館本体の取得費用(建物)は19億43百万円となった。その他新5号館にかかる費用として、ネットワーク工事にかかる建物支出(48百万円)、共同溝や通路などの構築物支出(43百万円)、机・椅子・AV設備などの教育研究用機器備品支出(3億27百万円)があり、その総額は23億62百万円となった。
 このうち、本体取得費用については、2010年度に日本私立学校振興・共済事業団から借り入れた15億円を除く4億43百万円が第1号基本金組入れ対象となる。これは、第1号基本金については自己資金での取得が前提とされているためであり、借入金元金の返済が始まる2013年度から返済した分だけ組入れ、2020年度に未組入れ額は消滅する。
 また、上記の費用のうち2億89百万円については過年度に建設仮勘定としてすでに組入れられているほか、2010年度に取り壊した旧5号館の取得価額合計4億44百万円を、学校法人会計のルールに則り、新5号館の完成した2011年度に基本金より取り崩すため、結果として、2011年度の新5号館にかかる第1号基本金組入額は1億28百万円となる。
 なお、基本金組入れ対象外の経費としては、新5号館内パソコン教室へのパソコン類の設置にかかる費用(70百万円)、樹木の移設費用(4百万円)などがあり、それらをあわせた新5号館にかかる費用の総額は24億57百万円となった。

新5号館にかかる2011年度第1号基本金組入れ
(単位:千円)
種別 内容 取得価額 組入額
建物 本体工事 1,942,879 442,879
ネットワーク工事 48,300 48,300
建設仮勘定から振替   △ 289,467
旧5号館分取崩額   △ 344,908
小 計
1,991,179 △ 143,196
構築物 共同溝、通路等 43,084 43,084
旧5号館分取崩額   △ 50,306
小 計
43,084 △ 7,222
教育研究用機器備品 機器備品及びAV設備 327,333 327,333
旧5号館分取崩額   △ 49,104
小 計
327,333 278,229
合  計
2,361,596 127,811


 国分寺キャンパス第1期建設整備計画関連では、上記のほか、新図書館本体費用の一部である2億45百万円を建設仮勘定として組入れた。
 そのほか1号館トイレの改修工事(41百万円)、葵陵会館・学生会館・正門守衛所の空調改修工事(1億30百万円)、仮設校舎改修工事(38百万円)、村山校舎体育棟他改修工事(7百万円)、国分寺校地東側擁壁の取得(15百万円)、図書の購入(95百万円)などについて組入れを行った。
 一方、2011年度中に除却した1号館トイレ、葵陵会館などの空調設備、東側擁壁の当初取得価額計1億32百万円のほか、2010年度より年次計画で進めることとした、廃棄・使用不能となった機器備品の除却について、2011年度は1億5百万円を取り崩した。
 これらの組入れと取り崩しの結果、第1号基本金の組入額は6億50百万円となった。


(2)第2号基本金組入れ
 理事会において策定された総額58億円に及ぶ新校舎建設資金計画が進行中であり、2011年度は4億円を組入れ、39億円を確保した。2012年度にさらに4億円を組入れることにより、最終的な組入れ額は43億円となる。
 一方、国分寺キャンパス第1期建設整備計画の進展に伴い、2011年度は、新5号館と新図書館にかかる当年度支出分として8億17百万円を第1号基本金へ振り替えた。結果として第2号基本金は4億17百万円の取崩しとなった。2011年度末の残高は26億51百万円である。

第2号基本金の推移
(単位:百万円)
年度 2008 2009 2010 2011
組入れ 400 400 400 400
第1号へ振替   △ 65 △ 367 △ 817
残高 2,700 3,035 3,068 2,651
(3)第3号基本金組入れ
 「大学奨学基金」「スポーツ振興基金」「アドバンストプログラム推進基金」の3つの基金計画が進行中である。「大学奨学基金」については、2009年度から10年間、計画的に1億円ずつ組入れることとし、最終的には22億25百万円を確保する。「スポーツ振興基金」については、2011年度中に計画の前倒しが決定され、2011年度に1億円、2012年度に2億円を組入れる。総額11億円に変更はない。「アドバンストプログラム推進基金」については、2010年度で、いったん計画は終了したが、2011年度中に計画延長が決定され、目標額が当初の5億円から10億円へ増額された。2011年度は1億円を組入れた。
 上記の計画による組入れのほか、寄付金による組入れも含め、2011年度の組入れ合計は3億17百万円となり、その他の基金と合わせて、第3号基本金の総額は33億85百万円となった。
 第3号基本金の残高の推移は、下表のとおりである。

第3号基本金の推移
(単位:百万円)
年度 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011
金額 527 557 678 887 1,393 1,896 2,402 2,709 3,068 3,385

 

4.消費支出
(1)人件費
 これまでは期末における全教職員・役員の退職金総額の50%を基に計上してきた退職給与引当金について、2011年2月17日付文部科学省「退職給与引当金の計上等に係る会計方針の統一について(通知)」により、その計上基準が100%に変更された。当初はこの50%と100%との差額(変更時差異)を2011年度から10年間に分割して計上する予定であったが、債務を早期に確定させる観点より、2011年度での一括計上に方針を切り替えた。これにかかる支出は退職給与引当特別繰入額として計上され、その額は17億86百万円である。
 最近10年間の人件費比率(帰属収入に占める人件費の比率)は、削減努力により当初の50%台の半ば水準から近年の50%前後の水準で推移してきたが、前述の退職給与引当特別繰入額の計上により、2011年度は対前年度比で19億87百万円の増、人件費比率も一時的に74.8%となった。
 人件費比率の10年間の推移は、下表のとおりである。

消費収支における人件費の推移
(単位:百万円)
年度 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011
人件費 4,504 4,729 4,197 4,408 4,118 4,038 3,950 4,247 3,940 5,927
帰属収入 8,474 8,503 8,199 8,274 8,148 8,412 7,966 7,924 7,878 7,928
人件費比率(%) 53.2 55.6 51.2 53.3 50.5 48.0 49.6 53.6 50.0 74.8
(2)教育研究経費・管理経費
 教育研究経費と管理経費の合計額は、予算比で2百万円の減、前年度比では1億75百万円の増となった。対予算ではほぼ100%の執行率であったが、各費目でみれば次のような動きがあった。
  • (主な減額要因)
  • ・国分寺校舎での東日本大震災以降の節電効果などによる光熱水費の減(8百万円)
  • ・アドバンストプログラムでの採用者数が当初見込みを下回ったことや緊急経済支援にかかる奨学金が見込みを下回ったことなどによる奨学費の減(16百万円)
  • ・紀要の発行号数が当初予定より少なくなったことやシラバスの印刷コストを抑制したことなどによる印刷製本費の減(16百万円)
  • ・国分寺校地東側擁壁にかかる費用を構築物支出などへ振り替えたことによる修繕費の減(21百万)
  • (主な増額要因)
  • ・経理規程改正に伴い鉄骨造の建物などの耐用年数が短縮化されたことによる減価償却額の増(71百万円)
 教育研究経費は、対予算で11百万円の増となった。前年度比では1億85百万円の増であり、この主な要因として、国分寺キャンパス第1期建設整備計画に関連したパソコンなどの消耗品費や各種作業にかかる委託費の支出があげられる。帰属収入に対する教育研究経費比率は31.7%であり、前年度の29.6%を上回るとともに第二次補正見込みの31.5%をも上回り、当面の目標であった30%台の回復を実現した。
 一方、管理経費は、予算比で13百万円の減、前年度比で10百万円の減となり、帰属収入に対する管理経費比率は前年度の7.0%から6.8%へと低下した。

(3)資産処分差額
 年度末にかけ円安が一時的に進行したものの、保有する仕組債1銘柄について本学所定の基準により減損処理を行った結果、3億12百万円の有価証券評価差額を計上することとなった。これは米ドルに連動するタイプの債券であった。また、2011年6月には、本学の保有する有価証券1銘柄(仕組債)が簿価を下回って償還された。これは日経平均株価に連動するタイプであり、東日本大震災以後の株価低迷が大きく影響し、簿価との差額(54百万円)を有価証券処分差額として計上することとなった。
 一方、2011年度に改修した際に除却した1号館トイレや葵陵会館などの空調設備の残存価額(14百万円)を不動産処分差額として、また予算外の支出となったが、改修工事を行った際に除却した仮設校舎の椅子などの備品の残存価額(14百万円)をその他の資産処分差額として計上した。

(4)予備費
 予備費として計上した30百万円のうち、学内GPなどにかかる費用として教育研究経費の消耗品費に8百万円、同旅費交通費に2百万円、同委託費に9百50万円使用し、当該科目の予算額に振り替えたほか、管理経費の広告費の予算額に10百50万円を振り替えた。

 

5.資金収支計算書

 資金収支計算では、主に1年間の教育研究活動にどれほどの資金の出入りがあったか、また、いつでも引き出せる現金(支払資金)の動きはどうであったかをみる。現金の動き(キャッシュフロー)に着目するため、消費収支計算では扱われない(1年間の消費収支として認識しない)前受金収入や資産運用支出などが計上される一方、現金の移動を伴わない現物寄付や減価償却などは資金収支計算からは除外される。
 資金収支の結果、翌年度に繰り越す現金、すなわち次年度繰越支払資金は49億17百万円となった。

資金収支計算書(2011年4月1日から2012年3月31日まで)
(単位:千円)
科   目 予 算 決 算 科   目 予 算 決 算
学生生徒等納付金収入 6,190,287 6,189,486 人件費支出 4,368,032 4,363,299
手数料収入 312,181 307,876 教育研究経費支出 1,969,643 1,909,418
寄付金収入 29,511 31,983 管理経費支出 529,121 516,136
補助金収入 606,981 604,948 借入金等利息支出 36,494 36,494
資産運用収入 362,176 404,849 借入金等返済支出 49,990 49,990
資産売却収入 4,816,703 4,418,472 施設関係支出 1,134,558 807,426
事業収入 132,889 131,619 設備関係支出 153,790 478,902
雑収入 244,216 254,531 資産運用支出 5,664,536 4,765,549
借入金等収入 1,615,022 2,128,464 その他の支出 96,283 102,082
その他の収入 1,381,926 1,403,117 (予備費) (30,000)
0
-
資金収入調整勘定 △ 2,212,135 △ 2,245,831
前年度繰越支払資金 3,991,888 3,991,888 資金支出調整勘定 △ 41,807 △ 324,890
収入の部合計 17,471,645 17,621,402 次年度繰越支払資金 3,511,005 4,916,996
  支出の部合計 17,471,645 17,621,402
資金収支計算書とは・・・
その年度のすべての資金の収入・支出の内容を明らかにし、支払資金の一部始終が明らかになる計算書であり、消費収支計算書にない、施設設備投資額が含まれている。

 

6.貸借対照表

 貸借対照表では、毎年度末の資産・負債・基本金・消費収支差額の内容と残高を示すことで、学校法人の財政状況をストックの観点から明らかにする。また保有する資産とその資金提供元を明らかにすることで、その学校法人の財政状況が健全であるかどうかが分かる。
 資産は負債と自己資金によって賄われている。当然、自己資金の比率が高い方がよいが、自己資金とは基本金と消費収支差額の合計のことを指すため、消費収支差額がマイナス(累積赤字)の場合、自己資金を消費収支差額が食いつぶす形になる。

(1)資産の部
 資産の部の合計額は383億37百万円となり、前年度比では3億82百万円の増となった。
 固定資産のうち有形固定資産では、基本金組入れの項でふれたように、土地、新5号館完成に伴う建物・構築物・機器備品、1号館トイレや葵陵会館などの空調改修工事などによる建物、国分寺校地東側擁壁取得に伴う構築物、新図書館本体の建築費用としての建設仮勘定などがそれぞれ増加する一方、減価償却や除却、あるいは振替により減少した結果が表示されている。前年度比では6億28百万円の増加である。
 その他の固定資産では、有価証券が26億85百万円減少しているが、これは有価証券評価差額の計上による減少と、退職給与引当金と同額を設定することとしている退職給与引当特定資産に有価証券の一部を充てたことによる。退職給与引当特定資産が、負債の部の退職給与引当金と同額となっていることを確認したい。第2号基本金引当特定資産と第3号基本金引当資産は、それぞれの基本金と同額を計上しているため、基本金組入れ額と同額が増減している。
 流動資産のうち現金預金が9億25百万円増加しているが、これは2011年度に予算化した有価証券購入支出(30億円)について、理事会方針をふまえ、安全性の高い事業債を求めた結果、予算残が発生(9億1百万円)したためである。
 資金運用の原資となる運用可能資産は、その他の固定資産153億69百万円と、流動資産のうちの現金預金49億17百万円とを合わせた202億86百万円となった。

(2)負債の部
 固定負債の長期借入金と流動負債の短期借入金の合計額18億50百万円の内訳は、新5号館建設費用として日本私立学校振興・共済事業団から借り入れた15億円と、創立100周年記念事業による借入金の残高3億50百万円である。新5号館にかかる借入金は2年の据置き期間の後、2013年度より元本の返済が始まり、2020年度までの8年間で完済する予定である。創立100周年記念事業にかわる借入金は2018年度に完済する。
 長期未払金は、リース資産にかかる翌々年度以降に支払う未払金額であり、翌年度に支払う分については流動資産の未払金に含まれている。
 退職給与引当金はすでにふれたとおり、2011年度から 退職金の期末要支給額の100%を算出の基礎とすることになった。100%の数字に対し、本学が加盟している私立大学退職金財団に対する掛金の累積額と交付金の累積額との調整額を加減した額が退職給与引当金として計上されている。
 なお、総資産に対する前受金を除いた総負債比率は、前年度の10.0%から14.5%へと上昇している。これは退職給与引当金の増加による。

(3)基本金の部
 すでに消費収支の概要でふれたとおり、それぞれの基本金組入額と同額が増減している。全体では5億50百万円増加している。

(4)消費収支差額の部
 前年度までの消費収支の累積赤字6億95百万円に、2011年度の赤字20億37百万円を加え、消費収支差額は27億32百万円のマイナスとなった。結果として、基本金と消費収支差額からなる自己資金はその分だけ減少することとなる。

貸借対照表(2011年3月31日)
(単位:千円)
資 産 の 部 負 債 の 部
科   目 本年度末 前年度末 科   目 本年度末 前年度末
固定資産 33,205,261 33,798,223 固定負債 4,909,353 3,394,601
有形固定資産 17,836,458 17,208,274     長期借入金 1,799,940 1,849,930
  土地 2,057,056 1,973,901     長期未払金 6,231 5,207
  建物 9,150,042 7,454,226     退職給与引当金 3,103,182 1,539,464
  構築物 503,033 495,021 流動負債 2,793,205 2,438,622
  教育研究機器
  備品
494,656 194,286     短期借入金 49,990 49,990
  その他の
機器備品
22,672 29,547     未払金 317,693 96,283
  図書 5,355,348 5,263,347     前受金 2,128,464 2,039,209
  車両 360 480     預り金 297,058 253,140
  建設仮勘定 253,291 1,797,466 負債の部合計 7,702,558 5,833,223
  その他の
    固定資産
15,368,803 16,589,949
  電話加入権 3,781 3,781 基 本 金 の 部
  有価証券 6,214,650 8,899,868 科   目 本年度末 前年度末
  退職給与引当
  特定資産
3,103,182 1,539,464     第1号基本金 26,803,279 26,153,542
  大倉学芸振興会
  引当特定資産
10,889 10,341     第2号基本金 2,651,047 3,068,469
  瀧本記念奨学金
  引当特定資産
3 22     第3号基本金 3,385,251 3,068,004
 第2号基本金
 引当特定資産
2,651,047 3,068,469     第4号基本金 526,000 526,000
 第3号基本金
 引当資産
3,385,251 3,068,004 基本金の部合計 33,365,577 32,816,015
流動資産 5,131,362 4,156,559
  現金預金 4,916,996 3,991,888 消費収支差額の部
  未収入金 206,621 156,361 科   目 本年度末 前年度末
  短期貸付金 997 978 翌年度
繰越消費支出
超過額
2,731,512 694,456
  前払金 6,688 7,081 消費収支差額の部
合計
△ 2,731,512 △ 694,456
  立替金 60 251  
資産の部合計 38,336,623 37,954,782 負債の部、基本金の部及び
消費収支差額の部合計
38,336,623 37,954,782
貸借対照表とは・・・
決算日における資産や負債、基本金及び消費収支差額の内容が明示されており、学校法人の財務状況が明らかになる。

借入金残高の推移

 1997年、1998年に創立100周年記念事業のための借入れ(24億6000万円)、2010年度に国分寺キャンパス第1期建設整備計画のための借入れ(15億円)を行い、2011年度末の残高は18億50百万円となっている。

消費収支計算書関係比率の推移

※各比率の説明(↑高いほどよい ↓低いほどよい)
↓人件費比率     =人件費/帰属収入
帰属収入のうちどれほど人件費に使用しているか。50%台が目標。
↑教育研究経費比率  =教育研究経費/帰属収入
帰属収入をどれほど教育研究に使用しているか。30%台が目標。
↑帰属収支差額比率  =(帰属収入-消費支出)/帰属収入
この比率が大きくなるほど自己資金の充実度が高いことを示す。
10%が目標。余裕がないと基本金組入れに無理が生じることも。
-学生生徒等納付金比率=学生生徒等納付金/帰属収入
学費収入への依存度。一概にどれほどの比率がよいとはいえない。
-基本金組入率    =基本金組入額/帰属収入
帰属収支差額比率と同率でないと収支均衡にはならない。
10%程度が理想的といわれている。

 

Ⅲ 学校法人の概要
1.設置する学校・学部・学科及び入学定員・学生数の状況
(1)設置する学校  東京経済大学
    学校の所在地:
  1. 東京都国分寺市南町1丁目7番34号 国分寺キャンパス 敷地面積58,895.23m2
  2. 東京都武蔵村山市学園5丁目22番1号 武蔵村山キャンパス 敷地面積78,438.05m2
(2)大学院・学部・学科及び入学定員、学生数の状況

大学院(2011年5月1日現在)*研究生は除く
(単位:人)
研究科 修士課程 博士課程
入学定員 収容定員 在学生数 入学定員 収容定員 在学生数
経済学研究科 10 20 13 5 15 7
経営学研究科 10 20 16 3 9 0
コミュニケーション学研究科 20 40 18 5 15 10
現代法学研究科 10 20 7
合  計 50 100 54 13 39 17
学部(2011年5月1日現在)
(単位:人)
学部 学科 入学定員 収容定員 在学生数
経済学部 経済学科 300 1,200 2,104
国際経済学科 155 620
経営学部 経営学科 325 1,250 2,217
流通マーケティング学科 160 700
コミュニケーション学部 コミュニケーション学科 200 860 974
現代法学部 現代法学科 250 1,040 1,164
合計   1,390 5,670 6,459
*21世紀教養プログラム生(50名)は各学部に分かれて在籍している。

 

2.役員・評議員・教職員の概要
(1)役員(2011年6月1日現在)
理事長 岩本  繁
理事(学長) 久木田重和
常務理事(広報・教学等担当) 一瀬 益夫
常務理事(学生支援等担当) 安川 隆司
常務理事(財務担当) 飯村 敏光
常務理事(事務局・総務担当) 船木  明
理事 手塚  眞
理事 大出 良知
理事 加治  章
理事 後藤鍈四郎
理事 鈴木 健二
理事 大平 惠吾
理事 河西 千廣
理事 小村  武
理事 小山敬次郎
理事 田中 章義
以上16人
監事  菅原 寛貴
監事 八木 茂樹 
以上2人
(2)評議員(2011年6月1日現在)
山田 洋生(議長)    
余部 福三 飯田 克己 池田 裕司
潮来 克士 伊藤 治雄 今田  肇
右澤 信一 浦田智恵子 榎島 景子
奥山 正司 岡村 敏彦 海田 恭敬
加藤 裕己 金谷 和幸 川田 龍平
木村  純 國吉 昌良 黒坂 東五
近藤 浩之 坂井 文衛 佐藤 知美
佐藤 和夫 島田  茂 志村  実
新見 邦由 鈴木 敏行 須藤 誉人
髙橋  悟 瀧本嘉一郎 田中 紀之
千田 啓子 経沢  守 馬場 章夫
浜野 隆典 早瀬 秀一 松田 周三
向井 一郎 山根 睦嘉 吉井 博明
若尾 良男 渡辺  潤  
※評議員数は、以上42人の評議員に理事16人を加え、合計58人である。


(3)教職員数(2011年4月1日現在)※学長含む
学部 専任教員 特任講師 客員教授 兼任講師 職員
教授 准教授 専任講師 小計
経済学部 29 10 7 46 4 1 53  
経営学部 30 9 7 46 5   88
コミュニケーション学部 17 6 2 25 1 2 20
現代法学部 20 7 0 27 2 1 34
合計 96 32 16 144 12 4 195 128

 

Ⅳ 理念、目的、教育目標

(1)理念
 建学の理念である「進一層」の気概を持ち、「責任と信用」を重んじ、実践的な知力を身につけてグロ-バル社会で活躍する人材の育成をはかる。「専門学術の真摯な研究」を通じて社会に貢献する。100年を越えた伝統と経験を踏まえ、時代と社会の要請に積極的に応えて絶えざる自己改革を推進し、地域と社会に開かれた大学を目指す。

(2)目的
  大学の理念をふまえて、5つの目的を設定する。
  1. 進取の精神
    グローバル社会で活躍する、進取の精神に富んだ人材の育成をはかり、絶えざる自己改革を目指す。常に自己点検を行い、第三者の評価をも受けて、改革を推進する。
  2. 実学と外国語の重視
    創立以来受け継がれてきた「実学と外国語の重視」の伝統をさらに発展させ、実践的な知力のある、社会で活躍できる人材の育成をはかる。
  3. 総合的判断力を持ち、責任と信用を重んずる人材の育成
    幅広い教養と専門的な知力に裏付けられた総合的な判断力に加えて「責任と信用」の重要性を自覚した、「世界に通用する人材」の育成をはかる。
  4. 社会の知的センターとしての貢献
    「専門学術の真摯な研究」の発展に一層努力し、蓄積された研究成果を社会へ還元することを目指す。
  5. 開かれた大学、学生とともにある大学
    創立の理念の一つである「意欲ある社会人青少年の教育」を現代的に継承して、地域や社会、世界に開かれた大学を目指す。学生一人ひとりの立場にたって、学生生活を支援し、学習環境の不断の改善に努める

(3)教育目標
 前世紀の最後の四半世紀から21世紀にかけて、グローバル化、高度情報化、環境問題の深刻化、少子・高齢化など、社会は大きく変化し、一層複雑化している。規制緩和等の推進に伴って、経済社会システムの変革も進んでいる。このような現代社会で活躍できる人材の育成を可能とする教育システムを構築し、一層の教育改革の推進をはかる。そのため、本学の理念及び目的を踏まえて、7つの教育目標を掲げる。

  1. 独自な学部教育の追求と総合的、学際的な教育の展開
    経済学部、経営学部、コミュニケ-ション学部、現代法学部の独自性を活かし各学部の特色ある教育の徹底をはかる。同時に、学部横断的なカリキュラムを通じて、社会と時代の要請に応じるため、総合的、学際的な教育を行う。
  2. 職業人に必要な知識・思考法と実践的な知力の涵養
    地球規模の現代的諸問題を的確に認識するための知識・能力及び社会科学の専門的知識・思考法を身につけた、グロ-バル社会で活躍する人材を育成する。社会で通用する学力・能力、とくに日本語・外国語のコミュニケーション能力、コンピュータリテラシーを学生が身につける教育を展開する。インターンシップ教育などによって実践的感覚を練磨し、理論と実践の統合をはかる。
  3. 学生の志向を反映した教育の展開、学生一人ひとりの学習意欲・学力に応じた能力開発
    授業評価などを通じて学生の志向が反映する教育を展開し、学生一人ひとりの学習意欲、学力に応じた能力開発を行う。このため、習熟度別教育、個別学習支援体制、学習奨励制度等の一層の充実をはかる。
  4. 責任と信用を重んじた健全な市民精神の涵養
    経済社会システムの変革に伴って、21世紀には、一人ひとりの自立と社会運営への参画の要請が強まる。市民、職業人に必要とされる、責任と信用を重んじた健全な市民精神が身につく教育を展開する。
  5. 職業意識の涵養とキャリア形成支援の充実
    社会で生きるために職業に就き、働くことの意味を自覚し、さらに職業人として活躍するための力を修得できるような教育を推進する。これらの目標達成のため、授業における教育の展開はもとより、卒業生組織、地域社会、他の教育機関等との連携を推進する。
  6. 学習意欲、学力のある学生の確保
    教育効果を高め、次世代の人材を育成するために、学習意欲・学力の優れた入学志願者を多く集め、質の高い学生を確保する。そのため、教育システムを魅力あるものにし、工夫を凝らした入試制度を実施する。
  7. 専門職業人の育成、学術研究の担い手育成のための大学院教育の強化
    複雑多様化する現代社会で活躍できる専門職業人育成の場としての大学院の強化をはかり、学術研究の担い手をつくり出すための大学院教育を拡充する。卒業生を含む職業人、留学生に開かれた大学院を目指す。

大学紹介