プノンペンの語学教室
国際都市プノンペンでは、よる、仕事が終わった後に語学を勉強する若者が多い。
セントラルマーケットに程近いこの学校では、英語、フランス語、中国語、タイ語のクラスが開かれていた。


英語

もっとも人気があるのはやはり英語のようで、レベルごとにさまざまなクラスが用意されている。日本でもなじみのある「American Streamline」を教材として使用。ただし、海賊版のため紙質は悪い。

フランス語

かつて仏領インドシナ時代に多くのカンボジア知識人たちがフランスへ留学していたせいか、現在でもフランス語を勉強する若者が結構いる。プノンペンにはフランス語だけのラジオ放送がひとつある。

中国語
ここで教える中国語はいわゆる標準中国語のみ。多くの華僑が話す福建語、広東語などのクラスはない。文字は繁体字を使用。
首都プノンペンは多くの華僑がいるが、ポルポト時代に中国語が禁止されていたため、現在でも中国語を話せる華僑はあまりいない、とある中国系の若いバイクタクシー運転手が言っていた。「中国へ帰りたいか」と聞いたら、少し間を置いて「一度は自分の両親の祖国へ行ってみたいけど...わからない。僕はカンボジア人だから」と英語で答えた。彼も全く中国語を話すことができない。


タイ語
タイ語は、この学校でもっともマイナーな言語のようで、ひとクラスしか開講されていなかった。
しかし、教室内の座席の占有率はかなり高く、ほぼ満席に近い。先生は、かつてポルポト時代に国境近くの難民キャンプで生活していたということで、とても流暢なタイ語を話す。タイ語のクラスだけあって(?)フレンドリーな雰囲気が漂っていた。教材はタイの小学校の国語の教科書を使用。子音ごとの声調規則の理解や発音の練習、簡単な日常会話の練習などもおりまぜた実践的な授業が行われていた。