YAMADA's Private Comments on GIO GLOBAL RESIDENT, AUSTRALIA 2001/2002

『地球の暮らし方 オーストラリア 2001〜2002版』への個人的コメント

 山田は、2001年度のオーストラリアへの渡航に際して、『地球の暮らし方 オーストラリア』からたくさんの貴重な情報を得ました。もちろん、留学・ワーキングホリデー・永住など、内容のかなりの部分は、山田とは無縁の話でしたが、参考になったところは多く、手引書として有益な本だと評価しています。
 しかし、個別の記述の中には、首を傾げたくなる点や、単純な誤り、また、情報が欲しくても記述が無い点もありました。このページでは、そうした疑問点や訂正・補足が必要と思われる部分について、山田の個人的な立場からのコメントを紹介します。

 このページの記述は、2001〜2002年版に基づいています。参照している版の詳しい書誌は以下のようになります。
「地球の歩き方」編集室・編『地球の暮らし方 5 オーストラリア 2001〜2002年版』
ダイヤモンド社,2001年3月9日 改訂第4版 第1刷,381ps.
 ここでの記述は、あくまでもシドニー郊外での一時居住者としての生活経験に基づいています。したがって、疑問を呈している点についても、記述とは違った経験をした者もいるという程度に理解してください。
 なお、文中では、特に断りがない限り、「ドル」表示の金額はオーストラリア・ドルでGST(消費税)込みの金額です。

 地球の歩き方のホームページの先には、本書のアップデートのページもありますので、併せてご覧下さい。(ただし、2001.08.21.現在、掲出されている情報はありません。)

 このページへの情報提供を歓迎します。:yamada@tku.ac.jp

項目
ページ
『地球の暮らし方』の記述の要約(または、コメントの対象)
 山田のコメント。
 (コメントの日付)
リーズナブルな仮住まい
p.53
・バックパッカーズのドミトリーは1泊10ドルから。
・プライベート・ホテルのシングルは週100ドルくらいで十分清潔。
 この値段は非現実的。もちろん、探せばそんなことろもあるのかもしれないが、普通の方法、つまりインフォメーションで紹介してもらったり、インターネットで探しても、この値段では宿は見つからないだろう。ちょっと泊るのがためらわれるような安い宿のドミトリーでも、最低で20ドル近くはする。また、プライベートホテルと看板を出していても、普通のホテルと値段に大差はないのがむしろ普通だ。シングルで一週間泊れば、300ドルを下回ることはないだろう。
 (2001.08.19.)
ゴミ収集について
p.66
・City Council = 区役所。
 区役所というからには、その上に市役所があるような印象を与えるが、そうではない。確かに最近では、日本の(特に東京の)区をCityと訳す場合が増えているので、単純な誤訳とは言いにくいが、オーストラリアの「City」Councilをわざわざ「区」役所とするのは、誤解を生みやすい訳し方だ。
 オーストラリアの地方自治体は、州の下には LAG = Local Government Area と総称される、市町村に相当するものしかない。都市部のLGAは通常Cityとなり、City Council = 市役所が置かれている。都市部のLGAの下には、Suburbという日本の町丁に当たる単位があり、郵便番号などもこれごとに与えられていることが多いが、これも行政上の区画で、自治の単位ではない。
 (2002.02.07.)
トラベルパスの種類
p.75
(Weekly パスの値段)
WeeklyQuarterlyYearly
Train-Bus-Ferry
RED293191160
GREEN374071480
YELLOW414511640
PINK444841760
BROWN505502000
PURPLE586382320
Bus-Ferry
BLUE262861040
ORANGE333631320
PITTWATER465061840
Bus Only
2 ZONE262861040
 シドニーの公共交通機関は、2001年7月1日に料金改定があり、全てのパスが値上げされた。Weekly Travel Pass の値上げ幅は、1〜2ドルである。
 参考までに、現在の価格を、Weekly、Quarterly(3ヶ月)、Yearly(1年)で表に示す。金額の単位はドル。なお、2 ZONE は、バスのゾーン2つの範囲でバスのみ乗り放題となるパス。
 なお、このパスに限らず、シドニーの公共交通機関の料金は、子供(16歳未満)や学生割引などが適用される場合(Concession)は半額になるが、16歳以上の場合は永住者と市民権保持者しか割引きが適用されないので注意を要する。
 Weekly は、駅やニュースエージェントなど、どこでも買えるが、Quarterly と Yearly のパスは販売所が限られている。鉄道やフェリーを含むパスはセントラル駅など主要駅の切符売り場で買うのが確実。フェリーとバスのパスはサーキュラー・キー駅の窓口が確実。
 しかし、駅ではバスのみのパスは売っていない。Quarterly と Yearly の 2 ZONE は、ウィンヤードのバスの窓口で2週間以上の余裕をもって申し込まなければならない。ウィンヤードのバスの窓口は平日のオフィスアワーしかやっていないので注意が必要。
 (2001.08.24./2001.09.17./2001.10.12.)
タクシー
p.75
(ページ下の写真)
 裏焼きと思われる。
 (2001.08.19.)
IELTS? TOEFL?
p.117
(日本でのIELTS受験についての説明がない)
 IELTSは、オーストラリア独自の試験ではなく、英国系の高等教育機関が入学審査の基準に用いるものであり、世界各地で受験できるようになっている。東京では飯田橋のブリティッシュ・カウンシル(英国大使館文化部)が定期的に試験を実施している。
 オーストラリアで学ぶことを考えているのなら、自分の実力を見極めるためにも、出発前に、一度くらいはIELTSを受験しておくべきだろう。出かけてから受験して、芳しくない成績が出ても、3ヵ月以内は再受験ができない。また、成績は、2年間は有効なので、出発の1年以上前から何回か挑戦して、いい結果が出たものを選んで、大学等に提出することもできる。
 また、IELTSの出願窓口は、各都市の主要大学にある。p.117では、シドニーのUTSの窓口だけが紹介されているが、他の都市にも窓口はあるはずだし、シドニーにも、他の窓口(例えば、Macquarie大学内のNCELTR)もある。
 (2002.02.07.)
パブリックスクール
p.122
・パブリックスクールの例として、大学、TAFEなどがある。
 『暮らし方』では、広い緩やかな意味で、私立学校以外のものをパブリックスクールと総称しているが、(少なくともNSW州では)Public School といえば、普通は地域の公立小学校(州立)のことである。公立小学校を含め、小中高の公立学校は Government School と総称される。大学やTAFEなどは、州の直接経営ではなく Government School ではない。しかし、公的な性格の教育機関なので、private か public かを問えば確かに public だが、普通は Public School とは言わない。
 わざわざカタカナにしないで「公立学校」か「公立の機関」くらいにした方が誤解がないだろう。
 (2001.08.20.)
転校手続き
p.133
・公立小学校では校長の許可が下りれば、翌日からでも通学できる。
 公立小学校の授業料は、本来は無料だが、永住者でなければ、ビザの種類に応じた授業料が適用される。(少なくともNSW州では)校長からの許可をもらった用紙に、指示された金額の授業料を銀行小切手か郵便小切手を添えて、州教育庁の事務所へ申請し、審査を経て許可が出るのを待たなければいけない。この間、一週間から10日程度の時間がかかる。
 公立学校の授業料は小中高校とも共通しており、1年未満の一時居住者の場合は最高金額の年間4500ドルが適用される。また、授業料の他に、入学手数料が110ドル必要になる。
 (2001.08.22.)
日本食を手に入れる
p.158
(韓国系食料品店についての説明がない)
 日系、中国系の説明はあるが、近年郊外の駅前などで特に多くなっている韓国系の食料品店についての説明も欲しい所。韓国系の店は、看板に堂々とハングルを表記していることが多いので、街の中でも目立って判り易い。
 韓国系の店では、日本製も含め、日本食の食材を扱っていることも多いし、菓子類などは日本のものに似ていて割安なものがよくある。純粋な中国系の店より、日本人としては馴染みやすい。わが家が出かける機会の多い場所の例を挙げれば、チャツウッドやイーストウッドには、韓国系の食料品店が複数あって、結構便利だった。
 (2002.02.07.)
賞味期限をチェックしよう
p.159
・期限切れの日本食が堂々と売られている。
 ここに書いてあること自体は間違いではない。しかし、「賞味期限の確認は忘れずに」と言われても、そんなことをしていては、冷凍して送られてくる納豆のように、ほとんど賞味期限が切れているのが普通になっているような食品は食べられなくなる。(p.161下のコラムを参照)
 とりあえず日系の店であれば、期限切れでも店が売っているのなら信用して買って問題はない。買ってから早めに消費すればよいのだ。
 (2002.02.07.)
ホテルに行こう!
p.172
・パブの上階にホテルがあるので、パブのことをホテルという。
 オーストラリアでは、酒類の販売(飲食店での提供を含む)に厳しい規制があり、一般のレストランでも、酒類の提供が認められている店は「licensed」と看板を出している。酒類の持ち込みができる「BYO」ももともとは酒の提供免許がない店がサービスとしてワインの持ち込みを認めたところから確立した習慣のようだ。BYOは免許とは関係なく店のポリシーなので、中には「licensed & BYO」つまり、酒も出すし、もち込んでも良い、というところも当然多い。(p.167 参照)
 レストランが酒類提供の免許を新たに得るのは面倒なこともあるらしく、BYOや、酒を出さない店も多いのだが、元々ホテルとして営業免許を受けているところはでは、自由に酒を売れるようになっている。また、賭博関係でも同様の事情があり、酒類販売の免許があれば、ポーカー・ゲーム機などを置ける。
 このため、ホテルの免許を得ている事業者が、もっぱら飲食業(パブ)や酒類販売業(酒屋)やギャンブル関係のサービスの提供を主なビジネスとしているケースも多く、中には宿泊業を休業・廃業状態にしている例も少なくない。つまり、ホテルの看板を見て入っていっても泊ることはできないという例が、特に都市では多く、「上階にホテル」がない「ホテル」も存在するのである。
 もちろん、主なビジネスはパブになっていても、ちゃんと泊れるホテルも多い。こういうホテルに泊ることを、特に「pub stay」という。
 (2001.08.21./2001.11.03.)
Bridge Climb 体験記
p.185
・ツアーリーダーが頂上で撮った写真を帰りにもらえる。
 頂上で撮ってもらう写真は有料(金額未確認)。
 (2002.02.07.)
シドニーのアミューズメントスポットリスト
p.185
(Fox Studio Australia の説明)
 フォックス・スタジオは、2001年11月にアトラクション類を閉鎖した。その後もスタジオは稼動しているし、映画館とショッピング・センターは現在もある。
 (2002.02.07.)
(Bridge Climb の料金)
 ブリッジ・クライムの料金は、例年4月に料金の見直しがある(もちろん値上げされないこともある)。2002年3月までの料金は、以下の通り。なお子供は12歳以上16歳までで、大人の付き添いが必要。12歳未満は参加できない。
平日(昼間):大人$125/子供$100
週末・祝日・年末年始(昼間)または平日(夜間):大人$150/子供$125
週末・祝日・年末年始(夜間):大人$170/子供$150
 (2002.02.07.)
インテリア
p.250ff
(レンタル家具についての説明がない)
 家電製品については「長期滞在しない人は」(p279)というレンタルの紹介があるのに、家具について説明がないのは不思議。確かに購入し、帰国時に持ち帰るか、売却する方が有利なものも多いかもしれないが、手間やトラブルのリスクを考えると、1年くらいの滞在ならレンタルの方が気楽な場合も多いはずだ。
 (2001.08.20.)
日本語の活字媒体
pp.267-268
・『D・O・M・O』(p.268)は住まい関連情報が中心
DOMO (ISSN 1035-3720)
Moshi-Moshi Pages Australia Pty Ltd
Phone(02)9360-5832 Fax(02)9360-5834
Email: mosimosi@domo.net.au
2001年版は16.50ドル
『オーストラリア生活便利帳』
日本総販売元:飛鳥出版株式会社
2001年版は2000円+税
 『D・O・M・O』は、シドニーで編集されているが、サブタイトルの「オーストラリア生活便利帳」が示すように、内容は多岐にわたっている。簡単にまとめてしまうと、『歩き方』と『暮らし方』にイエローぺージまであわせたような一冊である。「住まい関連情報」というと住宅情報誌と誤解しかねない。
 『D・O・M・O』は、同一内容の日本版が飛鳥出版から『オーストラリア生活便利帳』として刊行されている。日本版は『暮らし方』のライバル本なので、詳しく紹介できないのは、ある意味では仕方ないのかもしれない。
 もし、『暮らし方』を未購入なら、この日本版を買う方が包括的でよいかもしれない。特に、索引がしっかりしているのは『暮らし方』にも見習って欲しいところ。ただし、B5判なので、持ち運びには不向きだ。また、もし『暮らし方』を既に入手しているなら、こちらは渡豪後に購入する方がよい。オーストラリア版の方が割安だし、『暮らし方』になくて『D・O・M・O』にある情報のほとんどが渡豪前には不要と思われるからである。
 (2001.09.01.)
各テレビ局の特徴
p.270
・SBS、ABCは国営放送
 ABCも、SBSも、日本のNHKと同じように、法律の枠組みの中で一定の自主性が認められている公共団体が運営しており、国家が運営する国営放送局ではない。「国営放送」ではなく、「公共放送」とするべきである。
 (2001.08.24.)
ポストショップ
p.273
・エアログラム(簡易レター)にいろんな物を詰められる。
 これは、エアログラムとプリペイド封筒を混同した記述である。
 エアログラムは、通常の切手代より安いが、中に余分な紙などを入れることも、テープなどを貼ることも禁じられており、そうした場合は、通常の航空便と同じ金額が必要になってしまう。
 プリペイド封筒は、切手の金額だけで封筒になっているから封筒代が節約でき、額面に応じた重さの範囲内ならいろいろ入れることもできる。
 もっとも、オーストラリアの郵便は検査が甘いのか、消印漏れは日常的にあるし、料金不足でもそのまま届くことがあるくらいだから、エアログラムに軽いものを入れても気づかれずに届くことがあるのかもしれない。しかし、それはあくまでも僥倖である。
 また、厳密に言うと、国際郵便には international と記入された専用の切手を使わなければいけない。これはGSTが国際郵便にはかからないためである。つまり、国内用の切手数枚で額面1ドルにしたとしても、そのうち10セントはGST分なので実際の価値は90セントにしかならないのである。どうしてもきれいな国内用の記念切手などを使って出したい場合は、10パーセント増しの額、つまり料金1ドルなら額面1ドル10セント分を貼ればよい(価値が99セントとなるので切り上げて1ドル相当と扱われる)。もっとも、この辺りの事情は、郵便局員でもちゃんと理解していないことが多く、日本へ送るはがきに貼りたいと言って記念切手はないかときいたら、国内切手1ドル分を出してきて、これを貼って出せばいいと言われたことも数回あった。
 (2001.08.19.)
コンピュータ
pp.276-277
・新品パソコンの持ち込みには関税がかかる。
・日本とは通信回線の規格が異なる。
・モデムの持ち込みは禁止。
 入国時、持ち込み品について、特にパソコンが云々という指示はなかった。ただし、高額商品の持ち込みに該当するおそれがあると思ったので、いずれも購入1年以内のノートパソコン3台(全て機種が違う)をわざわざ税関で申請したが、何のひっかかりもなく通された。少なくとも自分で使うものについては、関税はかからないようだ。
 また、モデム内蔵のパソコンだとも説明したが、何の問題もなかった。
 一般家庭の宅内配線が、日本で一般的なモジュラージャックと異なることがけっこう多いのは事実だが、少なくともテルストラならレンタルする電話はジャックをモジュラージャックに変換してある。また、安ホテルの電話などでも、かなりの確率でモジュラージャックで問題なくつながる。
 もちろん、規則の条文を杓子定規に当てはめれば、ここでの説明のようになっているのだろうが、実態とはかなりのズレが生じているように思う。
 (2001.08.19./2001.11.03.)
主な劇場リスト
p.289
・シドニー・オペラハウスのコンサート・ホールは2960席、オペラ・シアターは1547席、ドラマ・シアターは54席。
 オペラ・シアターの席数は正しいが、コンサート・ホールは2690席、ドラマ・シアターは544席が正解。コンサート・ホールは2700席とする資料もあるが、これは丸めた数字だろう。
 (2001.08.21.)
近代・現代文学
p.298
(ネヴィル・シュート原作映画についての記述)
 ネヴィル・シュートについての言及があることは喜ばしいが、先行する邦題が言及されていないのはいかがなものか。
 『Towns Like Alice』(邦訳『アリスのような町』日本図書刊行会)を原作とした映画は、1956年の英国映画で、ハリウッド映画ではない。この映画の邦題は『マレー死の行進/アリスのような町』。
 一方、『On The Beach』(邦訳は『渚にて』文藝春秋版、創元SF文庫版などがあったようだが、現在は絶版?)を原作とした同名の映画(邦題も翻訳と同じ)は、1959年の米国映画でハリウッド作品だが、これだけ有名な古典映画なのに邦題があがっていないのは不思議。  (2002.02.14.)
図書館リスト
p.302
(シドニー日本人会についての説明)
 図書館リストの「日本語の書籍の置いてある図書館」としてシドニー日本人会が挙げてあるが、日本人会の情報は別の形で紹介する方がよいだろう。
 まず、シドニー日本人会の図書室は、蔵書5000冊とされているが、そのほとんどは小説や肩の凝らない読み物の文庫本などで、保存状態も余りよくないし、新刊書も参考図書もほとんどない。司書が居るわけではなく、レファレンス業務なども期待できないので、少なくとも調べ物には向いていない。閲覧スペースが確保されているわけでもなく、娯楽としての読書の場にするのも難しい。その意味では、ちゃんとした図書館としての機能を揃えている国際交流基金図書館と並べるのは少々不釣合いだし、もし並べるにしても順序は逆にすべきだろう。
 また、説明があるように会員にならないと利用できないのだが、会員になるための手続きや会費等が説明されていないのも不親切。入会資格は、20歳以上の日本人・日系人およびその配偶者で会員の推薦のある者となっている。駐在員のように法人が会員の場合はほぼ自動的に会員になるようだ。一般個人会員には、単身会員と(夫婦を想定した)家族会員があり、入会金が単身8.80ドル/家族11ドル、年会費が単身118.80ドル/家族158.40ドルとなっている。入会申し込みには、会員2名の推薦が必要だが、事情によっては直接の知り合いがいなくても入会が認められる可能性はある。
 なお、シドニー日本人会の事務所は、2001年9月に下記へ移転している。
Japanese Society of Sydney Inc.
 Level 5. 333 George St., Sydney NSW 2000
 Tel.02-9262-6022 Fax.02-9262-5290
 日本人会は、企業駐在員にとっては重要な社交の場であり、そうした人々とビジネスの機会がある個人にとっても大きな意味がある。定期的に講演会などのイベントが開催されたり、個別のスポーツや趣味によるクラブがある。在豪日本人会には、シドニー日本人会のほか、メルボルン日本人会、ブリスベン日本人会、ゴールドコースト日本人会、ケアンズ日本人会、アデレード日本協会、西豪州日本人会(パース)がある。このほか、「日本クラブ」といった名称で、永住者を中心とした組織や、日豪交流を目的とした組織が各地にある。
 (2001.09.01./2001.09.03./2001.10.12.)
出発前の準備
p.344ff
(航空券購入についての説明がない)
 地球の歩き方の読者は旅慣れているということか、あるいは情勢の変化があり得るので記述を避けているのだろうか。出発前の準備に関して、航空券の買い方のアドバイスが一切ないというのは不親切だ。
 特に、半年くらいから一年未満の滞在の場合、ついつい一年や210日のオープン・チケットを買ってしまいがちだが、これは実は割高になってしまう。シドニーでは東京への片道切符も往復切符も、東京より比較的安く手に入る(東京では、片道の安売り券は手に入らないのが普通ではないか)。もし、日本からの出発時期が、短期(28日)の切符が安くなってる時期(概ね10万円以下)なら、それを使ってオーストラリアへ入り(帰りの切符は使わず)、帰国の際には改めて安い切符(ほとんどの時期に7万円以下で入手できる)をオーストラリアで求めた方が、長期のオープン・チケットを買うよりも確実に安いし、いろいろ融通が利く。
 (2001.12.11.)
銀行口座
pp.372-374
・大別すると、普通預金、当座預金、定期預金がある。
・残高照会状は、希望すれば一カ月おきに送付される。
 以下の記述は、コモンウェルス銀行で口座を作った経験に基づいている。他行では事情は違うかもしれない。
 普通預金の場合、通帳はないのが普通。ATMでは取引伝票をもらえるが、ATMでは1000ドルまでしか出金できない。窓口では入金の領収書はもらえるが、出金の際は伝票はない。わざわざたずねないと残高(balance)さえ教えてくれないし、伝票類も手書きが普通なので、日本の感覚からすると実に頼りない。
 定期預金の途中解約はできないが、普通預金と定期預金の中間のような、Cash Management Trust という口座があり、出金手続きに数日前の予約が必要となる代わりに、利率が高い。まとまった生活資金を置いておくのに便利だ。
 キャッシュカードは郵送されて来た後、予め窓口で指示された電話を使う方法で有効化(activate)してから使用する。
 残高照会状の送付は、コモンウェルス銀行の場合、6ヶ月に一度しか送付されない。
 なお、この前後のページではコモンウェルス銀行のスペリングが Common-wealth となぜかハイフン入りになっているが、通常は一語の Commonwealth と表記される(p.272 は正しい)。「共通の富」銀行ではなく、「連邦」銀行である。
 (2001.08.19./2001.09.01.)

[文書作成:2001.08.19.]
[最終更新:2002.02.14.]


このページへの情報提供を歓迎します。:yamada@tku.ac.jp

山田晴通研究室・別館にもどる