突然ですが、会社とは一体何でしょうか？　「会社の方針で工場を閉鎖する」というと、会社＝「ヒト」という感じがしますね。一方、「会社を海外のファンドに売却した」という表現をするとき、会社＝「モノ」として扱われている感じがしますよね。この講義ではまず、会社が法律学の世界でどのような存在として位置づけられているのかを考えてみます。
皆さんも、自動車メーカーの不正検査や電力会社の価格カルテルなど、企業による法令違反や不正行為のニュースを見聞きしたことがあるでしょう。こうした行為を防ぐための“防波堤”である「会社法」は、会社のあり方の指針となる法律です。私たちはどのような経済社会を構築してゆくべきか、会社法の視点で一緒に考えてみましょう。