DATE2024.06.10 Mon. START18:30
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人の心は、生涯「育つ」のか?

― 全学共通教育センター 野田 淳子准教授
発達心理学で読み解く心と行動の不思議

10年後、皆さんはどんな自分になっていると思いますか。いまとあまり変わらない部分もあれば、考え方など大きく変わっている部分もあることでしょう。人は、育つ環境や社会・文化の影響を絶えず受けながら、一生涯にわたって変化・発達し続けていきます。そうした心の変化の過程について学ぶ学問が「発達心理学」です。
人は、持って生まれた特質も育つ環境もそれぞれ異なるため、どう育つかを完全に予測することはできません。人の心は想定外の環境にも適応して「柔軟に変化する」力が大きいことが、貧困や虐待などの逆境を経験した人のその後の研究から明らかにされているのです。
発達心理学の学びが、人間や社会の成り立ちを論理的・分析的に捉えるとともに、「周囲の人とどう関わるか」「いかに年齢や経験を重ねていくか」を考えるきっかけになればうれしいです。