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中山ラビ・コンサート

吉祥寺 Star Pine's Cafe 6/18

rabi1.jpeg・吉祥寺の街を歩いたのは何年ぶりだろうか。昼前に雨がやんだ日曜日の午後。通りは人で溢れかえっていた。実は街中を歩くのも数カ月ぶり。人のたくさんいるところはせいぜい大学のキャンパスだったから、暑さもあって目眩がした。体はすっかり森のリズムになっている。居心地の悪さを感じたが、今日は夜コンサートがあって、吉祥寺にはそのために来たのだ。
・吉祥寺には中央線の特別快速は止まらない。しかしデパートがいくつもあって活気がある。昔からある駅前の商店街も健在なのに、北口の道路が整備されて駅前には広場ができているから、ごみごみした感じもない。折からの衆議院選挙でロータリーには選挙カーがやってきていた。菅直人、中村敦夫とタレント揃いで、思わず足を止めて話を聞いてしまった。結果が決まっている田舎の選挙区に住んでいると選挙にはほとんど関心が持てないが、やっぱり東京はタレント社会だな、と思った。
・で、コンサートである。中山ラビは50歳を過ぎている。60年代の関西フォークのスターで、何枚もレコードを出して根強い人気を持っていたが、店(国分寺ほんやら洞)のきりもりや子育てで音楽活動をやめていた。それがここ数年動きを再会しはじめている。僕は彼女とは高校生以来のつきあいで、関西でも友達だった。「東京に来たのだから来て!」という再三の誘いがあったから今日は行かないわけにはいかなかった。彼女の歌を聴くのは「中山容さんを偲ぶ会」以来だから3年ぶりである。
・会場はライブハウスの「Star Pine's Cafe」。開場の6時半に行くとすでに長蛇の列。チケットの整理番号順に並んだが、チケットの番号は171で会場には100席ほどしかいすがないという。入場前に長いこと立たされた上、入ったらもう席はない。ステージ脇のスピーカーにもたれて立ったまま聴くことになった。腰が痛くなったらかなわないな、と正直言って憂鬱になった。
・中山ラビは皮のホットパンツに金太郎の腹巻き姿。木履(ぽっくり)のようなサンダルをはいて頭はブロンド。「ヤー、がんばってるな!」とさっそく驚嘆。最初はギター一本で数曲やり、その後はバックをつけて喋る間もなく次々と歌うこと2時間。懐かしさと相変わらずのエネルギーに腰の痛さを忘れてしまった。観客の大半は同世代かそれに近い人たちで、ほとんど身動きのとれない状態だったが、楽しく盛り上がったコンサートだった。
・最後に歌ったのは「いい暮らし」。実は僕は彼女の歌ではこれが一番好きだ。


忙しさにかまけ 忘れてたんだ
こんな力があるなんて

ほんのわずかな暇もとれないと思い
こんなこともなかったよ
虫を追いかけ土を握れば あたしの中で暖かく臭ってる

だから今でもでも時々は思うんだ こんな暮らしに憧れて
君といつか戻ろうと あたしの中で声が呼んでいる


・そう「いい暮らし」。これが一番の生きる理由。彼女の歌は今でも、僕の心に響いてくる。東京もいいけど、やっぱり森の中に戻ろう。憧れてた暮らしに………。
・ 中山ラビの歌とパフォーマンスを楽しみながら連想したのはマリアンヌ・フェイスフル。ロックもいいけど、アコーディオンのバックでじっくり歌ったらかなりいい味が出るのではと思った。それに今の心境や時代を描写した歌も聴きたい。

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2000年06月26日 22:51に投稿されたエントリーのページです。

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