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Neil Young (武道館、2003年11月14日)

young8.jpeg・行こうかどうしようか迷っていたニール・ヤングのコンサートに行った。大学の行事が土曜日にあって出席しなければならなくなったから、金曜日も東京に泊まることにした。コンサートは7時からで、武道館には5 時半頃に着いた。当日売りのチケットを買おうと窓口を探していると、若いカップルが「チケット1枚あまっているんですけど,買ってくれませんか?私たちダフ屋ではないんです。」と言ってきた。チケット売り場はすぐそこで、わざわざ彼らから買う必要はないのだが、一応チケットを確認。偽物ではないようだ。席は2階の2列目で悪くはない。「値段は一緒でいいの?」と聞いたら「もちろん」という。少し不安は感じたが、買うことにした。

・開場まで時間があるのでカフェテラスに入って腹ごしらえ。サンドイッチとビール。コンサートの時はいつもこんな感じだったな、と思うが、最後に見たのは誰でいつだったか。このレビューのコラムで確かめると1999年4月のアラニス・モリセットとなっている。場所は大阪城ホール。4年半ぶりで、東京でははじめてということになる。

・入り口近くにテントがあって、そこでオフィシャル・グッズを売っているのだが、何と長蛇の列。パンフレットが3000円、Tシャツが 5000円。行列してまで何でこんな高い買い物をするんだろうと思ったが、目当てのものが変えた人は大喜び。武道館には駐車場があって無料だという。空きもまだあるようだ。だったら、今度来るときには車にしようか。

・会場に入って席を探すとど真ん中。なかなかいい席だ。アリーナを見下ろすと、客の世代がばらばらであることがよくわかる。禿頭、白髪、スーツ姿、年配のカップルもいれば、少年や少女もちらほら。これなら、最初から立ちっぱなしということはないだろう。ちょっと安心したが、座席が堅くて、背もたれがほとんどない。坐りつづけるのはちょっとしんどいかもしれない。武道館は全然改装工事をしていないんだろうか。近頃には珍しいひどい椅子だ。

young9.jpeg・開演は7時だがちっともはじまらない。2階席からはステージの横がよく見える。そこにたくさんの人が集まっている。コンサート前に楽屋にファンでも入れているのだろうか。音楽がやむたびに催促の拍手と口笛。コンサートが始まったのは25分も過ぎてからだった。舞台が明るくなると、右側に小さなカントリーハウス。そこに老人夫婦。おじいちゃんは新聞を読んでいる。左側には留置所。真ん中上には大きなモニターと小さな舞台。ニールヤングが登場して演奏と歌がはじまる。

・「グリーンデール」は物語仕立ての新しいアルバムだが、コンサートはそれを中心にした構成だった。アメリカの小さな田舎町に住む一家に起こる出来事。平和でのんびりした町で警察官が撃たれる。撃ったのは老人夫婦の息子ジェド。彼は町の留置所に入れられる。テレビが老人のところに取材に来る。彼は興奮して心臓発作を起こして倒れる。打ちひしがれる家族だが、孫娘が反撃に出る。

・こんなストーリーでステージは展開するのだが、残念ながら、詳しいことはわからない。僕はこのアルバムを買っていなかったので、聞く音もはじめてだった。ヤングの歌い方は淡々としていてバックもきわめてシンプル。僕は途中からあきてしまって早く終わらないかな、という気持になってしまった。しかし、話が終わったのは1時間半も経ってから。時間はもう9時になろうとしている。いったい聴きたい曲は何分やってくれるんだろうと、気持には早くも失望感が………。

・後半は1時間近くあって、ニール・ヤングも大熱演だったが、聴きたい曲はほとんどやらなかった。前日の朝日新聞の夕刊には大阪公演についての記事が載っていて「ライク・ア・ハリケーン」をやったと書いてあった。ヤング・ファンのサイトではダントツの聴きたい曲1位なのだが今日はなし。僕が聴きたかった「ヘルプレス」や「ロング・メイ・ユー・ラン」、「ハーベスト・ムーン」もなし。意外なのはディランの「オール・アロング・ア・ウォッチタワー」をやったこと。これはよかった。

・そんなわけで満足はしなかったが、とにかく一度は見ておきたいミュージシャンだったから、それだけでもいいか、という感じ。帽子を目深にかぶって顔もほとんどわからなかったが、一度その帽子が落ちて脳天のハゲがまる見え。うん、歳なのに2時間半もぶっ通しで歌い、演奏しつづける体力は素晴らしい。と、妙なところで感心。 (2003.11.24)

コメント (1)

jerry:

ニール・ヤングの11月14日に行かれたんですね。私も、同じ日に行きました。
私も、初めてのニールでした。アルバム『greendale』は、聴き込んでいったんで、ライブ自体は楽しめました。最近はニールに限らず、アルバム全曲再現って結構やっているみたいですね。
生ギター&ソロのニールの方が、お好みのようですね。このアルバムの限定盤2枚組には、収録曲をそのままの曲順で(生ギター、ニール一人)やっているDVDが付いていました。
クレイジー・ホースとやっているアルバムと対です。ニール本人の2面性が見て取れます。
私自身は、どちらのニールも好きです。2003年、武道館ライブは、凄すぎでした、感動を超えて、身震いを感じたほどです。当時60歳目前のニールと荒馬達、昔の人じゃない!、バリバリの現役感を感じざるを得ませんでした。彼らから、生きる勇気まで頂きました。
ニール、アメリカでは、すでに出ている(今月)みたいなんですが、70年のフィルモアのライブ盤が出るそうです。あの、マイルス・デイヴィスの前座? です。マイルスの方は、5年くらい前にこの日のライブ盤公式で出ているんですが、これまた凄いんです。
恐らく、ニール&荒馬、 聴いたマイルス、本気でた!と推測しております。これぞ、ライブ!

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2003年11月24日 22:44に投稿されたエントリーのページです。

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