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Coldplay他

・あけましておめでとうございます。2006年の最初のレビューです。今年もよろしくお願いしいます。

coldplay1.jpg・昨夏にイギリスに行ったときに先ず目に入ったのは、ヒースロー空港での"Coldplay"の大きな広告だった。イギリスに来たという感じがしたし、売れ過ぎなのにまだ売りたいの、という皮肉も言いたくなった。去年のグラミー賞も意外だったが、"X&Y"のヒットはもっと驚いた。デビューの頃から静かな感じときれいなメロディが気に入っていて、”Travis"とあわせて聴く機会が多かった。ちょっとうるさいが” Stereophonics"もじっくり聴くといい曲で、最近の若いイギリスのミュージシャンには好感を持っている。
stereophonics1.jpg・"Coldplay"のヴォーカルはクリス・マーティンで風貌もけっして派手ではないのだが、女優のグイネス・バルトロウと結婚していて、女の子が一人いるのだということを、つい最近知った。バルトロウは好きな女優なのに何度聞いても名前を覚えられなくて、かえって印象が強い人だが、クリス・マーティンとはどうしても結びつかない。彼はどう見たって、どこにでもいる兄ちゃんで、ハリウッドの売れっ子女優とは合いそうもないからである。一方のバルトロウは両親とも映画関係の人で、ブラッド・ピットとの関係が話題になったりして派手だ。
・クリス・マーティンについて、なんか意外ということがもう一つある。彼は「トレード・フェア」のキャンペーンに積極的に関わっていて、ハイチやガーナといったアフリカの最貧国を訪れたりしている。「トレード・フェア」とは公正な貿易のことで、発展途上国の貧しさの原因は第一に、豊かな国との間で行われている不当な貿易に原因があると主張して、その改善をもとめる運動が存在するのである。その運動を進める「Oxfam」のサイトには、彼の他に"REM"のマイケル・スタイプスやアラニス・モリセットなどの名前もある。この種の運動ではマイケル・スタイプスは以前から活動的で、ほかにU2のボノなども有名だ。

wallflowers1.jpg・話が横道にそれてばかりだが、"X&Y"はもちろんすごくいい。去年のベスト・アルバムといっていいかもしれない。 "Coldplay"はこれまで3枚のアルバムを出していて、どれもいいのだが、心配なのは傑作を出してそれが大ヒットすると、後しばらくだめになってしまうケースが多いことだ。古くはU2の"The Joshua Tree"の後、"REM"の"New Adventures in Hi Fi "の後、そしてRadioheadの"Ok Computer"の後……。一方でそれほど話題にならなくても、堅実でいいアルバムを出した人たちもいる。"Stereophonics"の "Language,sex,violence,other?"や"The Wallflowers"の”Rebel,sweetheart"などだ。

morrison1.jpg・去年もずいぶんたくさんのCDを買った。その多くは古い人たちが出した新しいアルバムで、相変わらずの精力的な活動や尽きない創造力に感心させられることが多かった。ボブ・ディラン、ヴァン・モリソン、ニール・ヤング、ブライアン・ウィルソン……。そう言えば、死んだ人も多かった。高田渡、ウォーレン・ジボン……。同世代の人が死んでいくニュースは、寂しい限りだが、歳をとっていくのだから、これは避けられないことでもある。もっともあきれるくらい元気な人たちもいる。ローリングストーンズは今年も東京ドームでやるようだ。新しいアルバムがいいわけでもないのに、どういう分けか、例外的に彼らを好きな日本人は多い。商売上手なのか、日本人好みなのか。ぼくは嫌いではないが、アルバムもコンサートチケットもあまり買う気がしない。

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2006年01月02日 09:34に投稿されたエントリーのページです。

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