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Danny O'Keefe

"O'Keefe"
" Good Time Charlie's Got The Blues"

O'Keefe1.jpg ・ダニー・オキーフの"O'Keefe" は1971年に発売された彼の2枚目のアルバムだ。その中に入っている’Good Time Charlie's Got The Blues’がプレスリーにカバーされてヒットして、一躍注目を集めた。町から人びとが次々出て行ってしまって置き去りにされた男の物語だ。


勝った奴もいれば、負けた奴もいる
いい時もあったチャーリーだって、憂鬱になるさ

・オキーフはジェームズ・テイラーやジャクソン・ブラウンといったフォーク・シンガーより少しだけ年上で、デビューも早かったが、それ以後のアルバムはほとんど注目されなかった。’Good Time Charlie”は道楽者とか落ちぶれた者といった意味の慣用句だから、たった一つのアルバム、その中のたった一曲だけヒットした「一発屋」の自分を予言したような歌だが、その後も音楽活動は続けていて、アルバムも出している。

O'Keefe2.jpg ・その一つだけのヒット曲を題名にしたアルバムはオキーフが1970年から2000年の間に発表したアルバムから選んだベスト・アルバムである。ヒット曲名をタイトルにしたのはビジネス上の理由なのかもしれない。けれども、地味で気取らないいい曲ばかりが集められた傑作だと思う。2000年にリリースされた”Runnin' From the Devil”からはディランとの合作の'Well, Well, Well'が収められた。


水を盗んだ男は永遠に泳ぎ続けるだろう
だが、けっして黄金の岸辺の大地にはたどり着けない
ぼんやりした白い明かりが彼の心をとらえる
闇の中でたった一つの思い出をなくすまでは

・オキーフの歌は、たまたま読み始めたエリック・ホッファーと強く重なり合う部分がある。放浪と出会い、そして別れ。一攫千金とは無縁だが、アメリカ人の開拓者魂を持って、何かを探し続けている。アメリカは祖国を追われ、あるいは捨てた放浪者達が作った国。フォークやカントリーには、その魂がくり返し歌われている。そんな典型の’The Road'は’Good Time Charlie”同様、この2枚のアルバムに入っていて、ジャクソン・ブラウンもカバーしている歌だ。

遠くから電話がかかってきた
何してたかって
失ったものを忘れ
勝ち取ったものを誇張する
ここで足を止めたのは
ただたまたまのこと
道の途中の一つの町っていうだけ

・Youtubeでも彼の生の歌を聴くことができる。'Good Time Charlie's Got The Blues'''Well, Well, Well'、そして'The Road'。オキーフは21世紀にになってからもアルバムを出し続けている。最近はどんな歌を歌っているのか、聴きたくなった。

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2013年10月28日 07:02に投稿されたエントリーのページです。

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