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Pearl JamとStereophonics

Pearl Jam "Gigaton"
Stereophonics "Kind"

jam3.jpg・パール・ジャムとステレオフォニックスは、僕が聴ける数少ないロック・バンドで、新譜が出るとほとんど買っている。そのパール・ジャムのアルバムは6年半ぶりのようだ。リーダーのエディ・ベダーのソロアルバムの方がじっくり聴かせる感じでいいのだが、今度のアルバムには、そんな落ち着いた歌もある。3月にリリースした後、今ごろはヨーロッパをツアー中だったはずだが、コロナ禍でキャンセルされたようだ。
・ アルバム・タイトルは「メガトン」の上を行く「ギガトン」という意味なのだろうが、それと同名の曲名はない。ジャケットは海洋生物学者のポール・ニックレンの作品を使用していて、ノルウェイのスヴァーバル諸島で撮影した、地球の温暖化によって解け出した氷河だという。ギガトン級の規模と速さで温暖化が進むことへの警鐘なのかもしれない。

・とは言え、アルバムのコンセプトが地球温暖化にあるわけではないようだ。エディ・ベダーはデビュー以来、政治的なメッセージを歌に載せてきたが、今度のアルバムでもトランプ大統領を批判することばがいくつも出てくる。


国境を越えてモロッコへ
カシミール、それからマラケシュ
トランプがまだ台無しにしてない場所を見つけて
どこまでも行かなければならない "Quick Escape"

ヤツが何と言い、何と言われたか
認めたくはないだろうが、ヤツの良き日は去った "Seven O’Clock"


stereophonics7.jpg ・ステレオフォニックスの"Kind"は意外なほど穏やかなサウンドで仕上げられている。音は激しくても、メロディがあって歌詞に物語がある。それがこのグループの魅力だったが、この新譜は、僕にとっては音も好ましい。パール・ジャムはバンド結成30周年だが、ステレオフォニックスも20年を超えたようだ。ネットで見つけたこのアルバムの批評には、前作の"Scream Above The Sounds"を2017年に出して世界ツアーをした後で、リーダーでほとんどの楽曲を作っているケリー・ジョーンズがバンドを辞めたいと言い出したそうだ。で、しばらく休息期間があって、今までとは違う歌が生まれてきた。心身ともに疲れ、ただ休息をしようとした時に、自然に生まれてきた曲ばかりだと言う。今度のアルバムには、物語のある曲はないが、生ギターだけの曲もあって、繰り返し聴いている。

流れ星が遠くにあり
君はジャーから水を飲む
僕は自分の傷を癒やしたい
子供の世話をし、妻の面倒を見る
だが、自分の落ち着かない心にはあまり優しくなれない "Restless Mind"

・ケリー・ジョーンズには高校生の娘がいて、彼女が性同一障害であることをカミング・アウトした。その時に感じた動揺をもとに作った曲が、このアルバムの中にあって、シングル・カットされている。歌詞からはよくわからないが、ビデオ・クリップを見れば納得する。 「何もかも上手く行く。全て大丈夫だ」。親として悩み、葛藤した後で出てきたことばだと思う。。→"Fly Like An Eagle"

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2020年06月29日 06:10に投稿されたエントリーのページです。

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