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猛暑はもう異常ではありません

・長い梅雨がやっと明けたと思ったら、いきなりの猛暑です。前回のコラムでも書きましたが、東北旅行は散々で、一日早く切り上げて帰って来ました。その河口湖も、連日30度を超えています。河口湖周辺ではエアコンをつけずに車に乗っていたのですが、去年からはつけずにはいられない温度になりました。気象台が発表する温度は、日陰で下に芝生を敷き詰めた所で測ります。ですから日なたではもっと上がりますし、アスファルトの上ではさらに上がります。先日東北の帰りに、車の温度計は何度も40度を超えました。

・テレビの気象予報では、猛烈な暑さになりますから、外出やスポーツは避けるようにと警告しています。もっともだと思います。ぼくは連日自転車に乗っていて、24、5度の朝の6,7時台と決めていますが、それでも、汗びっしょりになります。30度になる日中にはとても走れたものではないでしょう。クーラーのない我が家でも、去年からは欲しいなと思うようになりました。

・ところがテレビでは夏の甲子園野球を中継していて、相変わらず熱闘甲子園と連呼しています。35度を超える甲子園で高校生が全力で野球をやるというのは、どう考えたって異常です。日程を8月の後半にずらすとか、午前中と夜間だけにするなどの方策を考える必要があると思いますが、そんな声はどこからも聞こえてきません。そもそも甲子園野球は新聞が始め、テレビが人気にしたものですから、批判は封じ込められてしまうのかもしれません。

・投手の連投について、大船渡高校の佐々木選手をめぐって議論が起こりました。監督は準決勝で投げたので決勝では出場させなかったのですが、その事で高校には抗議の電話が殺到したようです。自分勝手もいい加減にしろと言いたくなりますが、プロ野球の解説者には相変わらず、根性論や甲子園を理想化する発言が目立ちます。しかし、高校生に連投を強いるのは日本だけの悪習で、成長過程にある高校生に過度の運動をさせては駄目だというのが、最近の健康医学の常識になっているのです。

・160kmを越える球速を出した佐々木投手は来年にはプロ野球入りし、数年後にはメジャーに行く素質を持った選手です。高校の監督はそのことを考えて、壊してはいけないと判断したようです。きわめて当たり前だと思うのですが、甲子園は高校生球児の夢だからとか、佐々木が出ないのではつまらないといった発言を平気でする神経が、信じられない気がします。

・ところで、東京オリンピックが1年後に迫りました。テレビにはその事をはやし立てる番組が目立つようになりました。もっぱらメダルが有望の日本選手に注目しています。しかしこの暑さでほんとうにできるのか。熱中症で倒れる選手が続出し、観客も含めて死人まで出たら、一体誰が責任をとるのでしょうか。すでにチケットも販売され初めていて、当たった、外れたと騒ぎになっています。またホテルの予約も行われていて、すでに大会期間中は満室となっているところが多いようです。チケットは取れたけど宿泊先がない、ボランティアに応募したけれど泊まるところがない。こんな混乱が起こるのは明らかでしょう。一体どんな「おもてなし」をするというのでしょうか。

・政府やメディアが一体となって熱く盛り上げようとしているオリンピックも、大会が終われば深刻な経済不況に襲われるという予測が出されています。米中の経済摩擦などにより、世界不況はすでに始まっているという見方も、すでに出されています。ここのところの株価の急落は、猛暑の中の寒々しい話しで、怪談話どころではないのです。このまま行けばオリンピック前に、日本は大不況に見舞われる危険性もあるのです。異常なのは猛暑ではなく、この国の政策とメディアのはしゃぎようにこそあるのです。

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2019年08月12日 05:30に投稿されたエントリーのページです。

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