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再放送ばかりになったテレビ

・今までよく見ていたテレビ番組のほとんどが再放送になった。たとえば火野正平の「心旅」は、この春も三重県からスタートして愛知、静岡と来たところで、中断が決定された。その後は2014年の旅が再放送されている。見ていたのにほとんど覚えていないが、やっぱり6年前だから若いなと思った。最近の旅では、一日に走る距離は10km前後だが、6年前は20kmはざらで、40kmなんて日もあってびっくりした。やっぱり70歳を超えたらしんどくて、スタッフも気にしているんだろうな、と思った。もちろん、同年代である自分に照らし合わせての感想だ。

・もう一つ、田中陽希の「グレート・トラバース」は日本百名山ひと筆書きに続いて、2百名山をやり、現在は3百名山の途中にある。最初は2014年で208日、次は2015年で221日だったが、今回の3百名山は、まとめて全部に登るから、2018年から初めて2年を予定している。屋久島から出発して現在は宮城県まで来ていて、既に250座を越えているが、やはり緊急事態宣言が出て中断を余儀なくされた。東北地方は感染者も少ないから、中断しなくてもいいのではと思う。しかし、全国的に登山やトレッキングを自粛するよう求めているし、山小屋も閉じているから、そんな時には続けられないと判断したのだろう。

・僕は家周辺で自転車に乗り、近くの山を歩いている。例年の連休なら河口湖の湖畔も近隣の山もにぎわうのだが、今年は閑散としていたし、登山口は閉鎖され、駐車場も入り口が閉じられていた。だから自転車には乗ったが、山歩きは4月の中旬以降やめている。確かに、首都圏から大勢来られたのでは、感染者が出てしまうという不安はあるだろう。しかし、不安感にどれほどの客観性があるのかとも思う。休みには渋滞するほどの人気の山ならともかく、そうでなければ、互いに接触や接近をしなければ、それで充分なのではと思う。

・普段あまり見ていないが、バラエティなどでも距離をとったり、家などからオンラインで出演といった形が増えてきた。しかし、スタジオやロケで収録するドラマや、ロケ中心の旅番組は、撮ったところまでで中断ということになるようだ。テレワークが出来るものと出来ないものの違いが、こんなところにも出ているのである。いずれにしても、テレビが主な仕事場であるタレントは仕事が減って困っているようだ。こんな様子もやっぱり、危険というよりは、不安感を与えないための配慮のように思う。

・スポーツは現状では、競馬以外は開催の見通しが立たないようだ。ほぼ終息した台湾や韓国の野球は、無観客ながら開催し始めている。近いうちに観客も入れるようだ。日本よリも感染者数も死者数も多いアメリカも、MLBを何とか開催しようと、いろいろな案を出して探っている。ところが日本では、野球もサッカーも、開催が出来るような対策があまり見えてこない。やっぱり、不安を煽るようなことはしてはいけないと自粛しているように見える。

・今日本中に蔓延しているのは、コロナウィルス以上に「不安」という空気なのだと思う。しかし「不安」を解消させるのは「安心感」ではなく「安全」で、必要なのは、それをどうしたら可能にできるかという模索なのだと思う。政府が中途半端な対応をしているのに、どこも批判ではなく忖度して、出る杭になってはいけないと躊躇しているのだろうか。

・テレビのニュースは、自宅待機せずに出かけている人を探し回る監視塔になったかのようだ。サーフィンをしたって、釣りをしたって、接触を避けるよう気をつければいいじゃないか。そんなことを発言する人は、テレビではほとんど見かけない。オーウェルの『1984年』に出てくるテレスクリーンそのものである。

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2020年05月11日 06:38に投稿されたエントリーのページです。

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