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パティ・スミスとニール・ヤング

・とにかく忙しい。18日にゼミの4年生の卒論が提出された。これから、読んでコメントをつけて返し、また書き直したものを再提出。こんなやりとりが一ケ月ほどつづく。それに各種入試がはじまって、20日の論文入試の試験監督と採点にかり出された。おまけに、22-23日は関西学院大学で日本社会学会。ぼくは「文化・社会意識」の部会で司会を指名された。
・ こんな具合で、これから冬休みにはいるまで、週末も雑用に追われることになってしまう。毎年恒例化している胃の痛みが、早くも数日前から出はじめていて、病院に行く日もつくらなければならない。それでもホームページの更新は休みたくはない。実は、本もCDも新しいものが手元にたまって、レビューの順番を待っているのだ。
・そんなとき、たまたま「京都みなみ会館」でニール・ヤングとクレイジー・ホースのロード・ムービー『Year of the Horse』をやることを知った。監督はジム・ジャーミッシュ。「パティ・スミスと仲間たち展」が京都駅ビルではじまっていたから、21日に両方一緒に見に行くことにした。
・ 「パティ・スミスと仲間たち展」はパティ・スミスの絵とREMのマイケル・スタイプの写真が展示してあった。パティ・スミスが絵を描いていることは知らなかったが、彼女は美大の出身だから、考えてみれば何の不思議もない。どんな絵を描くのか非常に興味があった。
・で、見ての印象だが、額縁に納まってミュージアムに飾られているからそれらしく見えるが、ほとんどは落書きといった感じのものだった。紙もたまたま手元にあったもので、しみがついたり、しわになったり、破れたりしていた。絵の評価はぼくにはわからないが、ぼくにはそんな絵がおもしろく感じられた。鉛筆でさっと描きあげて、色を塗ったり塗らなかったり、時にはそこにことばを書き加えている。インスピレーションのおもしろさと彼女の繊細さがあらためて実感された気がした。
・駅ビルで昼食をとって、次は東寺近くの南会館へ。『Year of the Horse』は1997年の作品だが、中身は最近のライブと25年前のものをだぶらせる形で進行させている。間に、ニール本人やクレイジー・ホースのメンバー、それに父親へのインタビューが挟み込まれる。メンバーの死と交代など、彼らの歩んできた歴史がよくわかる。当然若くて格好よかった昔と、太って頭のはげた現在の姿が対照的になってしまう。しかし、コンサートでのパフォーマンスは相変わらず名前の通り「若い」ままだ。
・監督のジム・ジャーミッシュは『ストレンジャー・ザン・パラダイス』で脚光を浴び、そのあと『ダウン・バイ・ロウ』や『ミステリー・トレイン』を作った。ニール・ヤングのファンで以前にレビューで紹介した『デッド・マン』の音楽を頼んだのがきっかけで、このロード・ムービーが作られた。
・ぼくはこの映画をずっと見たいと思っていたが、おなじ「京都みなみ会館」で来週4日間(11/29-12/2)だけレイトショーで上映される。見に行く元気があればいいのだが......。見たい映画はそれだけではない。年末にかけてウッディ・アレンの『ワイルド・マン・ブルース』『地球は女で回ってる』、それにマイケル・スタイプが製作総指揮をした『ベルベット・ゴールドマイン』などが公開される。本当になぜこんな忙しいときにと泣きたくなってしまう。(1998.11.25)

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1998年11月25日 10:38に投稿されたエントリーのページです。

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