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仲村祥一さんを偲ぶ会

・昨年の秋に亡くなられた仲村祥一さんを偲ぶ会が京都で開かれた。40日ほど前の木村洋二さんを偲ぶ会以来の関西行きだったが、今度もまた雪に悩まされた。最近の天気はまるでジェットコースターのような上がり下がりを繰りかえしている。河口湖は16日から雪が降り始めて、夜遅くなると積もりはじめた。20cmにもなるという予報もあって、恨めしげに外を見ていると、仲村さんの「来んでもええ」「そんな会、せんでもええのに」という声が聞こえた気がした。仲村さんはドタキャンの常習者だった。最初は乗り気だったのに、直前になって面倒になる。今度もやっぱりという気になったが、だからこそ、今度は、何が何でも行かねばならない。15cmほど積もった中を、予定より1時間早く出発した。

・道路に積もった春の雪は、車に踏まれるとシャーベット状になったり、洗濯板のようになったりする。そこを走るのは、当然、なかなか難しい。左に右に不規則に曲がるし、横滑りもする。そこをだましだまして前へ進むのだが、路面状態を見ながらのハンドル操作も必要だから、ゆっくり、的確にしなければならない。幸い車の数は少なくて、本栖湖を過ぎて朝霧高原にさしかかったあたりで、道路の雪が消え始めた。しかし、反対車線は大変で、雪が積もっているとは知らずに来た車が何台も立ち往生していた。

・京都へは富士山を右回りに周遊して、新幹線の新富士駅から乗ることにしている。駅前に駐車をすれば、京都までなら3時間ちょっとしかかからない。1時間早く家を出たから、京都へも1時間早く着いた。天気は回復したが北風が吹いて、寒い。しかし、久しぶりだから、会が始まるまでの時間を散歩をして過ごすことにした。大改装中の東本願寺に行き、そこから小路を歩いて鴨川に出て、川沿いを歩いて塩小路を曲がって京都駅へ。桜がまだ残る景色はやっぱり季節外れだ。珈琲を飲もうと京都駅に戻ると、珈琲スタンドで井上俊さんにばったりあった。今日の偲ぶ会は彼の発案である。

・会の参加者は仲村さんと古くからつきあいがある人ばかりだが、その大半はすでに退職していて、僕が久しぶりに最年少ということになった。出席者は池井望さん、井上宏さん、小関三平さん、津金澤聡広さん、田村紀雄さん、中嶋昌彌さん、秋山洋一さん、そして娘さんの小俣さん夫妻の11名。仲村さんの思い出話に花が咲いて、笑いの絶えない会になった。木村洋二さんの会の時も感じたが、関西人は何よりユーモアを大事にする。偲ぶ会とは言え、美談やお世辞ではなく、おちょくりやぼやきは場を和ませ、仲村さんの素顔を思い出させた。

・仲村さんは本を送ったり、このコラムをまとめた冊子を送ると、すぐにお礼と感想を書いた葉書を書いてくださった。いつでもいの一番で、時には唯一ということもあった。ありがたいと思ったが、うまく判読できずに首をかしげることも多かった。そんな筆跡の話も話題に出て、互いの字をけなしあうことがまた、笑いを誘った。二次会をあわせて3時間ほど、久しぶりの人たちと、久しぶりの楽しい時間を過ごすことができた。遺影で参加の仲村さんも、きっと喜んだことと思う。

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2010年04月26日 06:37に投稿されたエントリーのページです。

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