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ミラクル! SFジャイアンツ!!

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・SFジャイアンツが今年のワールド・シリーズの勝者になった。まさにミラクルで、地区シリーズから見ることのできる試合はすべて見て応援した。以前からファンだったわけではないが、8月にAT&Tパークで見た試合があまりにおもしろくて、それ以来気になって、追いかけるようになったからだ。残念ながらシーズン中の試合はNHKではまったく中継されなかったから、ポストシーズンの試合は特に待ち遠しかった。

journal4-132-2.jpg・8月に見た試合では、中盤で満塁ホームランが出て逆転し、再逆転された後の9回にサヨナラ勝ちをして、球場は歓喜の渦に包まれた。ほとんどの選手は名前さえ知らないチームだったが、ポストシーズンが始まる頃には、めぼしい選手の名前はわかるようになっていた。しかし、試合が始まり、目立たなかった選手が活躍して勝ち進むと、チームのほとんどを熟知するようになった。

・優勝の原動力になった選手の多くは、ここ数年ジャイアンツにやってきた。フィリーズのハラディから初戦で二本のホームランを打ったロス外野手は、今シーズン中にマーリンズを解雇されて拾われているし、ここ一番で強みをみせたウリーベはホワイトソックスを解雇されて昨年からチームの一員になっている。四番を打ったバレルは一昨年までフィリーズにいて、昨年レイズにトレードされ、今年は調子が悪くて、やはり解雇されて移籍してきた選手だ。僕が見た試合で満塁ホームランを打ったから期待をしたのだが、シリーズでは三振ばかりで一人蚊帳の外という状態だった。

journal4-132-3.jpg ・ジャイアンツ生え抜きという選手は野手ではキャッチャーのポージーと代打で出たイシカワぐらいだが、ピッチャーは先発の4人のほかに中継ぎ、そして抑えとそろっている。最近のドラフトで一巡目に指名した選手が大成したようで、どのピッチャーも20代の前半から半ばと若い。そんな若手が、フィリーズやレンジャーズといった強打線を押さえ込んだのだから、相当の自信をつけたことだろうと思う。ネットで読んだ記事には、ジャイアンツの黄金時代の始まりと書いたものや、チーム作りのうまさを賞賛するものがあった。

・確かにそうかもしれないが、一方で高額のお金を出して獲得したのにポストシーズンには出場しなかった選手もいる。バリー・ジトは2006 年に7年1億2600万ドルでアスレチックスから移籍したが、毎年期待を裏切る成績しか残せていない。また、野手にもシリーズではほとんど出場機会がなかった外野手のロウワンド(12億円)がいる。あるいはロイヤルズから今シーズン途中にトレードで加入したホセ・ギーエンは禁止薬物の購入という嫌疑をかけられている。選手の当たり外れをこれほど顕著に見せたチームもめずらしいのである。

・ちなみにジャイアンツの今年の総年俸は約9800万ドルで第10位で、相手のレンジャーズは約5500万ドルで27位だった。無名や若手、そして再生した選手が多い割にジャイアンツの年俸が高いのは、高額で活躍できなかった選手がほかにもいるということだろうか。強打者をそろえたレンジャーズは全球団の下から4番目だし、ジャイアンツとペナントを最後まで争ったパドレスは下から2番目である。ヤンキースの1位はいうまでもなく、リーグ 3連覇を狙ったフィリーズが4位と高いのは当然だが、その他にポストシーズンに進んだチームは、ブレーブスの15位、ツインズの11位、レイズの21位とけっして高くはない。戦力になる選手は買うものではなく育てるものだ。ジャイアンツの投手や捕手の活躍を見ていて感じたことである。

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2010年11月08日 06:55に投稿されたエントリーのページです。

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