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晩秋の憂鬱

・毎年のことですが、ゼミの4年生の卒論が最後の仕上げの段階になっています。就職先未定者もかなりいて、卒論に集中できないということもありますが、今年のできは例年になく悪いです。特にひどいのは、読んだ本やネットで見つけた文章を、ほぼそのまま盗用して、それが悪いことだと思っていない点です。「パクリ」は駄目ということは、3年生の時点から、ゼミで繰りかえし言ってきたのに、いったい何を聞いていたのかと、学生たちににコメントを出すたびに雷を落とさざるを得ない状況です。

・ネットのおかげで、自分の調べようとしていること、考えようと思っていることが、ちょっとグーグルすれば、簡単に見つかるようになりました。学生たちにしてみれば、それを利用して要領よくまとめることがなぜ、してはいけないことなのかわかりにくいのかもしれません。あるいは、安直さは自覚しても、就職で頭がいっぱいで、卒論をがんばろうという気持ちがわいてこないということもあるでしょう。しかし、そんな付け焼き刃的な卒論を何本も読んでいると、憂鬱になって、読む気も起こらなくなってしまいます。

・そんなわけで、ここのところ気分は優れないのですが、プライベートなことでも面倒なことに煩わされています。高齢の父親が急に衰えて、いろいろしておかなければならないことに直面しているのです。葬式はどうしたらいいのか、遺言状をどうするのか、元気なうちに確かめておかなければなりません。介護や入院が必要になったらどうするか、相続の手続きはなど、わからないことばかりですから、ネットを検索しては、一から勉強しています。

・長寿といえども、死が近づいてくることを自覚すれば、不安や恐怖に囚われるようです。会えばすぐにあそこがいたい、ここが悪いと言った話をしてきます。夏前まではしていた街歩きもしなくなりましたし、近所への買い物もしなくなりました。そんな両親を見ていると、もう少しつきあう時間を増やさなければとも思うのですが、自分の仕事や生活を考えると、なかなかそういうわけにもいきません。

・憂鬱になる材料はまだまだあります。ぼくは大学に就職して以降、「長」と名のつく役職には、これまで一度も就かずにここまで来ました。何度か打診をされたことはあるのですが、その都度断って、何とか免れることに成功してきました。しかし、今度はそうもいかない状況に追い込まれそうな気配です。もちろん、今回も断固拒否の態度は貫くつもりです。日本人的な関係の中では、もちろん、そんな態度は疎まれます。だから自問自答をし悩んだりもするのですが、引き受けたらもっとしんどいことになりますから、憂鬱だといってばかりはいられません。

・晩秋になって、家から見える景色は赤や黄色に変わりました。天気のいい日を見つけては、周辺を歩いて、気分転換を図っています。ストーブを焚き始めて薪を積むスペースが空いてきたので、みずならの木を4立米ほど買って、チェーンソーでの玉切りと薪割りをはじめました。いつもと変わらない季節の仕事です。冷たい風が吹く中でじんわり汗をかくことは、しんどいけれども爽快なことでもあります。今年ほど、こんなことをしているときが一番いいと感じた年はありません。

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2010年11月22日 06:46に投稿されたエントリーのページです。

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