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数字フェチの快と苦

・数学は苦手だが数字は嫌いではない。と言うよりは大好きだといった方がいいかもしれない。たとえば、記録を取ること。車の走行距離とガソリン量と燃費、ブログのカウント数は何年も続けている。寒くなるとストーブをつけるから外気温と室内の温度チェックは欠かせないし、ストーブ自体の温度にも注意が必要だ。その車とストーブを最近続けて買い換えた。で、その数字におもしろがったり、振り回されたりしている。

・12年ぶりに乗り換えた車は2007年製の中古だが、デジタル表示で瞬間的な燃費や給油後の平均燃費が表示される。これはいいと思って、運転中は絶えず気にするようになった。だから、急加速はしなくなったし、信号待ちの長い停車ではエンジンを切ったりもするようになった。車自体の燃費もよくなっているから、リッターあたり2kmも余計に走るようになったと喜んだのだが、給油をしたら1km程度でがっかりした。数値は必ずしも正確ではないから、おおよその目安と考えてください。マニュアルにはそう書いてあるから、クレームをつけて直してもらうほどのことでもないのだが、やっぱり正確な数値を知りたいとは思う。

・車と同時に速度監視をキャッチする機器も新しくした。燃費を気にするようになってからスピードを出すことは控えているのだが、たまたま運悪く捕まることもあると思ってつけることにした。しかし、これも以前とはまるで違って表示が多様になって、走行中の路面の海抜が表示できたりもする。我が家と勤め先の大学とは高低差が800mもあるから、これはこれで気になる数字になっている。

・そんなことに興味を持って運転しているうちに、下り坂だと思っていたところが実は上っていて、上り坂だと思っていたところが実際には下っている場所が結構あることに気がついた。そう言えば、以前から急な下り坂に見えるのにそれほど加速しないとか、それほど上っているようには見えないのにアクセルを踏まないと速度が落ちてしまうと感じることがあったから、標高を確認して、その理由がわかった場所がいくつもあった。不思議坂とか幽霊坂とか名がついて、名所にもなっているところがあるが、そんな坂は案外どこにでもあるのではないか、などと思ったりもするようになった。

・新しく買い換えたストーブは以前よりも大型で、空気を絞って燃やす還元状態では薪の消費量を少なくして温度を高く保つことができるというのがキャッチフレーズである。ところが、以前のストーブに比べて暖かくない。しかし、鋳物は急激な温度変化は禁物で、じっくり時間をかけて温度を上げるようにと言われたし、250度を保って、それ以上はあげないようにと念を押されたから、しょっちゅうストーブの温度計をチェックするようになった。確かに、前のストーブに比べて薪はきれいに燃えて真っ白い灰が残るようになった。それなのになぜ、室内の暖まり方が悪いのか。

・考えられるのはストーブではなく煙突で、前のものは途中までシングル管でかなり熱くなっていたが、新しいのは二重になっていて、間に特殊な砂がつまっている。だから触れるほどの温度にしかならないのだ。つまり、以前はストーブだけではなく、煙突の熱でかなり暖かくなっていたのだが、今度は熱はストーブだけからしか出ないのである。そうしたのにはもちろん理由がある。煙突で放熱した煙は冷やされて、出口に煤をためがちになる。暖かいまま外に出してやれば、煤はたまりにくくなるし、煙自体がほとんど出なくなる。実は、買い換えようと思った一番の理由は、煙突が詰まって空気の引きが弱くなったことにあったのである。

・そんなわけで、ここのところ数字フェチと言われるほどに数字と戯れ、惑わされている。楽しくもありまた、煩わしく感じることも少なくない。数字ではなく自分の感覚を研ぎ澄ましてなどと思うのだが、数字をみると、自分の感覚がいかにいい加減なものかということを改めて実感したりもする。もっとも、その数字が決して信用できるものではないこともまた、数字からわかったりもするのだが………。

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2011年12月19日 07:08に投稿されたエントリーのページです。

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