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老人力とは言うけれど

・赤津川源平が死んで、彼がポピュラーにした「老人力」ということばがまた、話題になりました。そう言えば、そんなことばがあったな、と思うと同時に、心身の老化を自覚することが多くなったこともあって、以前とは違う意味でいろいろ考えてしまいました。

・「老人力」は老化による衰えを読み替えて、積極的な意味を持たせようとしたことばです。これを耳にしたときには「なるほどそういう解釈の仕方もあるか」と思いましたが、いざ心身の衰えを自覚しはじめると、なかなか積極的な読み替えはできない自分に気づかされてしまいます。衰えはやっぱり不都合なこととして、自分に不意に襲ってきた災難のように感じられてしまうからです。

・わかっているはずの名前や地名が出てこない。ことばの引き出しにガタがきたのか、それともどこかにうっかりしまい忘れてしまったのか。思い出そうとしても全然出てこないのに、しばらくすると、何でもなかったように口をついて出る。笑って済ませる程度でなくなってきていますから、ちょっと不安を感じるようにもなってきましたた。

・もっと心配なのは体の方です。耳が遠くなったという自覚もありますし、目の疲れもひどくなりました。仕事を終えて夜、車で帰宅するときに、前を走る車の尾灯が二重に見えたりします。パソコンにタブレット、そしてスマートフォンなどを毎日長時間見つめているせいか、文字がぼけて見えたりすることも多くなりました。小さい字が読みにくくなって、本を読む時間も減りましたし、原書を読むことが億劫になりました。

・もっと困っているのは、トイレの近さです。特に最近体調を崩して熱を出したときには、数日間、一時間と持たないことが続いて難儀しました。慌ててトイレに駆け込んでも、ちょろちょろとしか出ないのですから、もう情けないやら呆れるやら。さっそくネットで漢方薬を買いましたが、効き目があるのかどうか、よくわかりません。熱を出した原因が何だったかよくわかりませんし、その後は、元通りにではないにしても、トイレに行く回数はそれほど多くはなくなったからです。

・テレビはBSを見ることが多いのですが、老化を防ぐ薬のたぐいのCMが多いのに、改めて気づかされています。無関心だったのが、そうではなくなった、こちらの変化のせいだと思います。同世代のタレントが「一度試したら手放せない」などと言って勧めています。「アホくさ」と思っていましたが、自覚があるとちょっと気になってしまう。そんな自分の変化にも老いを感じてしまいます。

・人の弱みにつけ込む手口は「オレオレ詐欺」が顕著です。何でと思うほど引っかかる人が多いようで、狙われているのは大半が老人です。しかし、テレビのCMや新聞雑誌の広告、それにネットのバナーなど、世の中にはそんなものが満ちあふれていますから、ついつい手を出してしまう人も多いのだろうと思います。欺されるはずがないではなく、気をつけようと考えるようになりました。

・つい半世紀前までは、人生50年と言われていましたが、今では平均寿命が80を超えました。最後まで五体満足というわけにはいきませんから、医者や薬に頼るということは避けられないでしょう。そこのところをどうやってうまくやりくりするか。そんなことを自分の身近な問題として考えざるを得ない時期になったことを自覚する、今日この頃です。

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2014年11月03日 08:14に投稿されたエントリーのページです。

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