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あらら、トランプだ!?

・接戦とは言え,最後はやっぱりヒラリーだろう。そんな話がほとんどだったのに,蓋を開けたらトランプの勝利で、メディアも市場も大混乱といったところだ。僕も開票速報を気にしながら、あらら、おやおやといった気持ちになったが、意外とは思わなかった。ひょっとしたらという思いが強くあったからだ。

・暴言やスキャンダルが何度露呈しても、公開の討論会ですべて負けだと判定されても、トランプの支持率は大きく下がらなかった。それだけ根強い支持があることの証明で、米国の状況に詳しい人からは、「隠れトランプ」がかなりいて世論調査は当てにならないといった話も届いていた。

・今回の大統領選挙は最低と最悪の対決で、少しでもよりましな方をという選択だった。だから今回の結果には直前のFBIの発言が大きかったという声もある。ヒラリーはトランプよりはちょっとまし、といった程度の支持が多かったということかもしれない。開票時に大暴落した株価も翌日には反発して、元に戻っている。トランプは意外なほど真顔で,発言も慎重だったし、オバマとの円満な引き継ぎ交渉も行われた。

・トランプを支持したのは白人層の男たちだと言われている。アフリカ系のオバマ政権が8年続いた後に、女の大統領になったのではたまらない。しかもヒラリーは大企業や金持ちを支持基盤にしていて、貧困や失業に苦慮する人たちの味方にはならない。民主党の候補選びで善戦したサンダースを熱狂的に支持した若者たちも、ヒラリーよりはむしろトランプにといった流れが強いという指摘もあった。

・もっとも世代別に見ると、今回の18歳から25歳までの投票行動は圧倒的にヒラリーで、その投票だけであれば選挙人の数は504対23になったという分析もあった。その意味では白人対有色、男対女以上に若者対大人の対立だったということができるかもしれない。これはEU離脱を可決したイギリスの国民投票とまったく同じ現象で、世界の流れは、これからの担い手になる若者たちの意思や希望を挫くことばかりだということになる。さっそくニューヨークやロサンジェルスといった大都市で,若者を中心にしたデモが連日続いている。

・トランプ勝利を歓迎しているのはロシアのプーチンやEU各国の極右政党だし、中国だと言われている。一方でドイツのメルケル首相は「宗教や肌の色、ジェンダーに関係なく民主主義や人権の尊重に基づいた価値観をもとに緊密な関係を築きたいと」といった発言をした。ところが日本の安倍首相は、緊密な関係を作るためにすぐに会いに出かけるといった発言をした。主人が代わっても「アメポチ」であることが何より大事だといった姿勢である。

・トランプ以上に暴言を吐いて物議を醸しているフィリピンのドゥテルテ大統領は,その反米的な姿勢の理由として、人間なのに犬のように扱われたといったことを言っている。それを聞いてすぐに思ったのは、安倍に代表される日本の支配層は、まるで人間扱いされて喜んでいる犬だな、ということだった。

・アメリカがごり押しをしたTPPがアメリカによって否定されているのに、自民党は衆議院で強行採決をした。トランプが明確に否定しているのだからほとんど意味のわからないことだが、気候変動を抑制するための「パリ協定」の批准をほったらかしにしての行動だから、ますますわけがわからないというしかない。もっとも、どんな失態をやらかしても、メディアは黙ったままだし,支持率も下がらない

・トランプになったアメリカはどうなるのか,といった心配をする前に、この国のダメさ加減にもっと怒るべきだと思う。アメリカがどうなっても、それに翻弄されないこの国の方針を考えることが,何より大事だろう。東京オリンピックまで安倍政権が続いたら、日本は確実に沈没するはずなのだから。

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2016年11月14日 06:58に投稿されたエントリーのページです。

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