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安部デンデンに

・もういい加減にしてくれないか、という思いです。首相ではなく安部デンデンが似合いでしょう。自分の地位を悪用して、私利私欲に走る政治家はごまんといましたが、これほどひどいのは古今未曾有(「みぞうゆう」ではありません)です。息を吐くように嘘をつき、痛いところを突かれれば、話をそらして答えない。具合が悪ければ、仲間でも平気で裏切って切り捨てる。逆に利用できるものならば、自分の都合の良いように取りあげる。憲法はもちろん、天皇だって怖くない。何だって自分の思いのままにならないものはない。あたかも全能の王のよう。そんな感じさえするのです。

・森友問題の陰の主役は彼の夫人です。籠池氏との親密な関係は明白で、そのやりとりに秘書になった官僚を使いました。彼女は他にも、選挙の年に自民党の候補者の応援にも、官僚を連れて行ったようです。公私混同も甚だしいですが、安部デンデンは、彼女があくまで私人であることを、わざわざ閣議決定しました。他方で、秘書になった官僚の行動に使用した旅費などの費用は、記録として残されていないようです。これは国家公務員旅行法に違反しているのです。

・彼は憲法記念日に唐突に、改憲の宣言をしました。9条に自衛隊の根拠規定を加えるというのです。そのことを国会で問われると、彼は読売新聞で詳細に話したので、それを読めと答えました。憲法の改正を発議するのは立法府の権限です。行政府の長である首相には、改憲を言い出す権限はありません。自民党総裁として発言したと言い逃れをしましたが、読売新聞では首相の肩書きが使われていました。しかし、そんなことは彼にはどうでもいいのでしょう.何しろ「私は立法府の長だ」と国会で答弁したことがあるのですから。

・そもそも、改憲を言う彼には「立憲主義」の意味がわからなかったのです。憲法は国民ではなく権力者を縛るものなのに、彼はそれをフランス革命以前の王政の時代のことだと誤解していたのです。ところが彼は、日本の憲法学者の大多数が憲法違反だといって反対した安保法制(戦争法案)を強行採決したのです。そして今度は、学者の多くが自衛隊を違憲だと言っていることを理由に挙げました。露骨なご都合主義で、彼が考えているのは、憲法を権力者の意のままに変え、国民を縛るものにしたいだけなのです。

・そのことは「共謀罪」を性急に法律化しようとしていることからも明らかです。この法律は犯罪を、それが現実に起きる前の段階で取りしまること、もっと言えば、考えた段階でも取り締まれるものにする、体制批判の思想を弾圧できる恐ろしいものなのです。安部デンデンはこの法律の必要性をオリンピックのせいにしています。それは全く根拠のないものですが、それらしく「テロ等防止法」という名をつけました。この法律には最初、テロということばさえ入っていないものでしたが、世論は「共謀罪」には反対だが、「テロ防止法」なら賛成だとする人が多数になるということです。

・実際のところはうやむやにして、印象(イメージ)操作で国民をはぐらかす。おそらく背後に、そんな大衆操作に長けたブレーンがいるのでしょう。あるいは広告会社かもしれません。もちろんそこには、メディアに対する圧力と、それによる自粛や萎縮、あるいは忖度をさせているといった一面もあります。NHKは共謀罪についての国会を中継していません。森友問題でにぎやかだったテレビも、今は忘れてしまったかのように無視しています。この王様が裸であることは、誰もがわかっているはずなのにです。

・僕はこの春で大学を辞めました。もうやってられないという気持ちで、最後の数年間を過ごしました。国の方針は、大学への予算を削減し.言うことを聞くなら補助金を上げるというもので、大学は文科省の言うがままに、制度の変更をしてきています。それが今度は教育費の無償化を憲法に盛り込むというのです。教育のことを考えてではなく、これがまた、改憲をやりやすくするための印象操作の手口であることは明らかです。自分の思いが実現するなら、日本はつぶれてもいい。彼がやっているのは、そういうことに他ならないのです。

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2017年05月15日 06:49に投稿されたエントリーのページです。

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