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コラボの2枚

Sheryl Crow "Threads"
Ed Sheeran "No.6 Collaborations Project"

・このコラムの更新は3ヶ月ぶりである。それにしても聴きたいと思う新譜がまったく出ない。今回紹介する2枚のCDも、特に欲しいわけではなかったから、買おうかどうしようか迷った。しかし、3ヶ月も更新しないのは長すぎるからと買うことにした。

sheryl.jpg・シェリル・クロウの"Threads"は"Be My Self"から2年ぶりである。買おうかどうしようか迷ったのは、前作にそれほど感心しなかったからだ。今回はゲストを多く招いている。エリック・クラプトン、スティング、ブランディー・カーライル、キース・リチャーズ、ウィリー・ネルソン、クリス・クリストファーソン、エミルー・ハリス、ジェームズ・テイラー、ニール・ヤング、そしてジョニー・キャッシュ(故人)等々である。そしてそこで歌われているのも、ゲストや他の人のものだったりする。これが最後のアルバムになるかもなどと言っているようだ。引退するつもりなのだろうか。

・なぜ、このようなアルバムを作ったのか。ネットで探すと次のようなことばがあった。「少女だった自分と、床に転がって姉のレコードを聴いていたあの頃の昼下がりから今に至る私の人生の長い旅路を思い返すうちに、優れたソングライターに、ミュージシャンに、プロデューサーになりたいと思わせてくれたレガシー・アーティストたちと一緒に音楽を体感するようなアルバムを作ろうと思い立ちました。彼らと共に祝福し、彼らに捧げるものを作ろう、と」。

・アルバム・タイトルの"Threads"は糸や筋道といった意味だ。複数になっているから、彼女にとって大事な何本もの糸が織り合わされて、一枚の布になっているという意味が込められているのだろう。もちろん糸はそれぞれ、色も太さも材質も違うから、トーンは一つではない。彼女もそんなふうに自分の人生を振りかえる歳になったのかと思う。もっとも、次は若い人たちと仕事をしたいとも言っているから、これでやめるということではないだろう。迷ったが聴き応えのあるアルバムで、買ってよかったと思う。

sheeran.jpg ・エド・シーランの "No.6 Collaborations Project" も多数のゲストを招いている点で共通している。ただしこちらのゲストはぼくにはほとんどなじみがない。ぼくはラップは苦手だからやめておいた方がよかったかも、と思ったが、彼流にまとめられていて、聴きづらくはなかった。日本でやったライブをYouTubeで見て、たった一人でやっているのに感心した、コラボをやってもなかなかだと思った。共演したのは彼が大ファンだった人たちばかりだったようだ。「僕がキャリアの初期の頃から追いかけていたり、アルバムを繰り返し聴き続けているような人たちばかりで、そんな僕を刺激してくれるアーティストたちが、それぞれの曲を特別なものにしてくれているんだ。」ほとんど同時期に似たコンセプトをもったアルバムが出たことになる。

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2019年10月14日 06:36に投稿されたエントリーのページです。

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