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気仙沼と十和田湖

去年は行かなかったが、夏休み恒例の東北旅行に出かけた。今年は青森まで行ったが、1日目は気仙沼まで。翌朝魚市場に出かけると、ちょうど船から魚を降ろしているところで、次から次へと鱶(フカ)が出てきた。さすがはフカヒレの町だけのことはある。積み上げられた小山が無数に並んでいる。フカの体はグニャグニャで、頭は切り取られてある。まるでアウシュビッツだなと思うとちょっと気持ち悪くなった。 photo36-1.jpg photo36-3.jpg
photo36-2.jpg photo36-4.jpg魚はほかにもいろいろ並んでいる。中でも見事なのは大きな(←)本マグロだ。ここでも滅多にあがらない大物らしく、仲買人たちがのぞきこんでは話していた。ほかに長い鼻をちょん切られたカジキマグロもごろごろと並んでいる。一本釣りで生きたままの大きなヒラメや鯛は一匹ずつ水槽に入っている。東洋一の水揚げだそうで、たしかにすごい。ちなみに、ここには高いところに見学者用のフロアがある。そこから見下ろすのだが、景色は壮観だった。
青森では三内丸山遺跡を見た。なだらかな丘にあるかなり大きな集落で、天気もよかったから、その環境の良さに縄文時代の豊かさが想像できた。巨大な塔は栗の木で作られている。栗の木がこんなに大きくなるとすると、栗の実はどれほどみのったことか。海岸線も今よりずっと近くにあったようだから、ここで何千年も暮らした人びとの生活はきっとものすごく豊かだったことだろう。5000年前のユートピア。photo36-5.jpgphoto36-6.jpg
photo36-7.jpg photo36-8.jpg青森は、本当に森の県だ。ブナやヒバの森がどこまでも続いている。広葉樹の多い森は松や杉に比べてもっこりとして緑の色も明るい。十和田湖から唯一流れ出る奥入瀬川の流れは、テレビでよく見てきたがやっぱりさわやかで美しい。雨続きのせいか流量も多い。両脇の崖から清水が落ちて、あたり一面に霧が立ちこめている。月並みだが、やっぱり幻想的な雰囲気だと思った。
十和田湖でカヤックをやった。着いた日は風があって波が高くてあきらめたが、翌日は無風で波もほとんどなかった。早朝にガイド付きで湖畔を散策して、その自然の豊かさに驚いたが、湖に浮かんで周囲を見ると、森の深さにまたびっくり。冬は-20度にもなって訪れる人もないようだ。泊まったホテルも4月から11月までの営業で、周囲には土産物屋もレストランもない。開発されすぎた河口湖とは対照的な景色だった。photo36-9.jpgphoto36-10.jpg
photo36-11.jpgphoto36-12.jpg桂の木は香木として有名だが、その巨大さは並外れたものだった。古い木の後に新しい芽が出て、やがて一つの根の上に何本もの幹が立ち並ぶ。樹齢は数百年で根の周囲は11m。近くにはツキノワグマの糞。十和田湖にはまた来てみたい。帰りに田沢湖によった。ここは三度目だが、今回はカヤックはやらず。かわりに、パートナーと一緒に、前回来たとき見つけた粘土の採集をした。白くてねっとり柔らかい。いい土なのだそうである。

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2006年07月31日 21:41に投稿されたエントリーのページです。

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