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富士山の秋

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・あたりの紅葉がまだまだなので、富士山を上がってみることにした。河口湖からはスバルラインが一般的だが、富士吉田口の滝沢林道も5合目まで通じていて無料だ。で、まずは、一度も行っていない船津胎内樹型から。噴火の際に溶岩で埋もれた大木のあとが洞窟になったもので、付近にはあちこちある。まるで母親の胎内のようだというのでこんな名前がついたが、そうすると神社の中にある入り口は………?。しゃがんでも頭がぶつかりそうな狭い洞窟が縦横に広がっていて、たしかに奇妙な世界だった。

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・滝沢林道は4合目で通行止めになっている。平日だがキノコとりの人たちの車が結構とめてある。ナンバーも湘南や多摩や沼津といろいろだった。海抜は1800mぐらいだが、まだ寒いというほどではないから、木々の色づきもまだこれからという感じだった。黄色に色づくダケカンバは白樺の一種だが、ずっと頑丈そうで、しかも大木が多い。傾斜地に横に傾きながらしっかり根づいているものもある。
・山のせいか天気はめまぐるしく変わる。青空がのぞいたかと思うと、霧が下からはい上がってきて、あっという間にもやってしまう。残念ながら上も下も眺めはほとんど望めなかった。

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・2時間ほど歩いて、5合目の佐藤小屋に着いた。2230m。登ってきたのは、ほかに湘南から来たちょっと上の世代の夫婦とロシア語を話す10人ほどの集団。それに、途中で、下ってきたアメリカ人とモーリシャス人の青年。ふたりは昨日の夜頂上まで登っただが、道をまちがえて吉田口に降りてきてしまったようだ。バス停はないかと聞かれたが、富士吉田の町までずっと歩かなければだめだと答えてわかれた。佐藤小屋は一年中開いていて、冬山登山の基地になっている。ここで見事なトリカブトを見つけた。富士山の木々はここから少しあがったところが限界で、その上は砂地にわずかな草があるだけとなる。で、引き返すことにした。

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・富士山はあちこちで崩落していて、砂防ダムがつくられている。その中の大きなひとつに近づくと、下界に山中湖が見えた。しかし、上はまるでダメ。4合目までの下りは1時間ほどで、車で下っていくと、さっきの青年たちが歩いている。で、河口湖まで乗せてあげることにした。ふたりは東京で仲良くなって、富士登山に来たようで、このあとは一緒に京都まで行くらしい。アメリカとモーリシャスが東京の浅草で出会い、そのふたりに富士山で出会う。旅のおもしろさで、貧乏旅行をすればこそだが、だからこそ、誘拐、なんてことにもなりかねないのかもしれない。

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・本当に久しぶりに快晴になった。朝、河口湖まで出ると、冠雪した富士山がきれいに見えた。気温も急に下がって、2度。紅葉が一気に進む陽気になった。

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2007年10月22日 07:09に投稿されたエントリーのページです。

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