柴内康文@東京経済大学

Y. Shibanai@Tokyo Keizai Univ.

柴内ゼミ(2年/3・4年/卒業論文)を希望する方へ(執筆途中、PC閲覧推奨) [2015.11.13更新]

ゼミの選択によって、別に人生に影響があったり就職上有利、不利になったりすることはないと思いますが、それでも長い時間のお付き合いになり、私のゼミを選択しても中には後悔する人も出てくるように思います。なるべくそういうことのないように、私の指導内容や方針について十分に理解し、納得のいく選択をしてください。友だちが選ぶからとか、選ばないからではなく、自分自身で決めてもらえればと思っています。


 また、質問がある場合は最下行の電子メールアドレスまで連絡をしてください。

【学ぶ内容と、私の得意分野】

 まず、私自身の考える研究テーマや、書いてきたもののリスト、私がこれまで卒論として指導してきた題目をながめてください。私が自分の専門としていたり、学生を教えたりしてきたのは具体的にはながめてもらったようなタイトルになります。あるいは大まかに言うと、

  • マスメディア、また各種のコミュニケーションメディアを人々がどのように利用しているのか、
  • その利用が広く社会にどのような意味があるのか、
  • また人々のコミュニケーション、人間関係形成のありかたは何か、を、
  • 主に社会調査に基づくデータ分析によって示すことです。

 専門分野を学問の領域で示すと、社会心理学が専門になると思います。なお、自分が書くものの中には、以下のように数字やグラフが出てくることが多いです。ただし、学生の卒論は必ずしも調査的なやり方とは限らず、実験や、新聞/テレビ番組/映画/ネット掲示板等の内容分析などいろいろで、またテーマも必ずしも狭義 の「メディア」等に限られたわけではありません。

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 (こんな図表が出てくる論文・報告書を書いてきました)
 他に、クリティカルシンキングを通じたメディアリテラシーの養成についての教育、実践活動を行っています(例:「血液型説明本」ブームの問題点についてJapan Times 2008/12/31にコメント / 毎日小学生新聞2012/3/4にコメント )。

  • 2 年生の演習は 中心としては、メディア・コミュニケーションに関する社会心理学的な理解を深めるために、本格的ではあるが理解しやすい、その時点での比較的新しい専門書を取り上げて年に数冊購読して、解説また議論を行い、3回生以降での具体的な学習に備えるようにしています。硬派な内容が 多く負担は決して軽くないですが(担当者はレジュメで発表、全員が毎週コメント)、このような関心を持つ参加者が言葉や考え方に触れる機会になるようにしています。これまで(過去の勤務校含む)、以下のような本を扱ってきました。下線が2015年度東京経済大学・演習(2年)の課題図書です。
    • 『マス・コミュニケーション効果研究の展開』(田崎篤郎他、北樹出版)
    • 『メディアと政治』(蒲島郁夫他、有斐閣)
    • 『メディア仕掛けの政治:現代アメリカ流選挙とプロパガンダの解剖』(ドリス・グレーバー、現代書館)
    • 『ニュースはどのように理解されるか:メディアフレームと政治的意味の構築』(ラッセル・ニューマン他、慶應義塾大学出版会)
    • 『変容するメディアとニュース報道:テレビニュースの社会心理学』(萩原滋他、丸善)
    • 『世論(上巻)』(ウォルター・リップマン、岩波書店)
    • 『プロパガンダ:広告・政治宣伝のからくりを見抜く』(アンソニー・プラトカニス、 エリオット・アロンソン、誠信書房)
    • 『テレビドラマのメッセージ:社会心理学的分析』(岩男寿美子、勁草書房)
    • 『新版 社会 のイメージの心理学』(池田謙一、サイエンス社)
    • 『デジタルメディアの社会学』(土橋臣吾・辻泉・南田勝也編、北樹出版)
    • 『場所感の喪失〈上〉電子メディアが社会的行動に及ぼす影響』(ジョシュア・メイロウィッツ、新曜社)
    • 『マス・オーディエンスの未来像:情報革命と大衆心理の相克』(ラッセル・ニューマン、学文社)
    • 『インターネットは民主主義の敵か』(キャス・サンスティーン、毎日新聞社)
    • 『「みんなの意見」は案外正しい』(ジェームズ・スロウィッキー、角川書店)
    • 『インターネットの心理学』(パトリシア・ウォレス、NTT出版)
    • 『ウェブ社会のゆくえ』(鈴木謙介、NHK出版)
    • 『ケータイ社会論』(岡田朋之・松田美佐、有斐閣)
    • 『電話するアメリカ:テレフォンネットワークの社会史』(クロード・フィッシャー、NTT出版)
    • 『絶え間なき交信の時代:ケータイ文化の誕生』(カッツ/オークス、NTT出版)
    • 『社会は情報化の夢を見る:[新世紀版]ノイマンの夢・近代の欲望』(佐藤俊樹、河出書房新社)
  • 3 年生以降の演習は、 まだ異動したばかりで固まっていないところがありますが、卒業論文をにらんで、上記のような私自身の、また学生諸君が取り組んできたようなテーマについての分析が、自分自身で行えるようになるための実証手法の訓練を中心にしていきたいと思っています。これまでは、社会調査の実施、分析を1年間かけて取り組むようなことをしてきましたが、東経大では社会調査関係のスキルに大きな個人差があるので、(内容分析や実験の仕方も含めて)今後も試行錯誤をしたいところです。単なる本読みよりも、分析や調査を主軸にしていきたいと考えています(そのほうが負担が重くなると思いますが)。
  • 4 年生(卒業論文)は、2年次および3年次(さらに私の開講諸科目)の学修を前提として、自ら何かを調べ、新しい発見をし知見を作る(単に本で調べたことをまとめる、のでなしに)ということを目指してもらいたいと思っています。

【ゼミと同時(あるいは事前)に履修を要望する科目群】

  • 私が担当する講義科目「メディア論」「人間関係論」は、 演習の内容と密接に関係するので必須と考えています。 少なくともゼミ、講義の両方の理解が深まり学習上効果的でしょう(2016年度は「メディア論」以外、担当科目の変更の可能性があります)。また私が担当する「社会調査ワークショップ」を含め、社会調査士関連科目(PRプロフェッショナルプログラム)は卒業論文等のことも考えたとき、履修を強くすすめます。少なくとも「社会調査ワークショップ」はできるだけお願いしたいと思っています(可能なら2年次中に)。データの読み方、取り扱いに慣れること は、どの分野に進んだとしても武器になります。
  • また、各種のコミュニケーション・プロフェッショナル(コミプロ)の認定申請を考えているのはよいと思います。領域は問いません。何となく時間割の空き科目を取る、ではなく、目的を持って履修するという習慣は大事です。
  • 選考を行う場合、これら(の履修、またその予定)は志望理由と並んで参考にしたいと思います。

【こちらが望む学生像・ゼミの雰囲気】

  • 向いていると思うのは、学ぶ素直さがある人、他者と協調性がある人(共同で作業をすることがありますので)。調べ物が嫌いでない人、緻密な作業ができる人(適当にいじったら、それはデータでないのだから)。
  • 向いていないと 思うのは、きたえてもらえるというような受け身の姿勢でいる人(何も身に付かず、苦痛が非常に大きいと思います)。あと、内輪でニヤニヤしたりブツブツ言ってるような人、テキトーにしておけば何とかなるっしょ、という感じの人(何ともなりません)。掲示やメールをあんまり読まない人。
  • 毎回の出席は必須です。宿題やゼミ外の作業もかなりあると思います。
  • 厳しいか、と言われれば、かなり厳しい方だと思います。今のところ異動したばかりで様子を見ながらしていますが、これまでもそういうゼミの評価を受けてきました(「ガチゼミ」などと言われていたようです)。
  • あんまり派手ではありません。私も好きではないです。地味だけど明るい人、というのには居心地がよいかもしれません。矛盾した書き方かもしれませんが。

【その他イベントについてなど】

 これまで行ってきたゼミでは、学期ごとのコンパ等はしていましたが、さらに学年によって、バーベキュー/鍋パーティ、合宿、スキー旅行などの自主的な企画があり ました。ただ、私から積極的に動くようなことはほとんどないと思いますので、あくまで学生さん主体でやりたい、ということであればたいていのものにはお付き合いする(というか、いざ決まればかなり協力する)と思いますし、そういうことを(企画)してくれる学生さんには感謝します。まあ、カラオケはあんまりしませんね。合宿も学生の強い希望を聞いて考えますが、個人的には国内の興味深い施設(美術・博物館、名所旧跡、社会的に意味のある見学場所)などをからめたものができればと思っています。

【私の人となり、趣味】

 こういうものでゼミは選ばないと思いますけれど、気になる人のために好みなど書いておきます。B級グルメ、肉・カレー・麺類全般、風呂全般(温泉から街中の銭湯、場末のサウナまで)。電子系ガジェットの個人輸入と周囲への普及活動。運動しろと言われてするのは水泳かスキー、すなわち浮力と重力利用のものか、ドライブ (予測と反射がいるのでスポーツだと思いたい)。どれも動力源はよそまかせ。そこそこ知っている街は京都(「裏の方まで人を案内できる」程度)、あと多少のニューヨーク(「ガイドブックなしでも地下鉄に乗って目的地を目指せる」程度)。映画は洋画邦画アニメアート系取り混ぜて雑食。ミュージカル(ブロードウェイ系。四季は見ない)、オペラ、落語少々。劇場関係だと小林賢太郎とか。音楽ローテはヤスタカ系、相対性理論、渋谷慶一郎、サカナ、電グル、くるり、安藤裕子、ヒャダイン、tofubeats(あとこのところ買ったのはCornelius、MONOEYES、LILI LIMIT)、アニメだと菅野よう子、ピアノはグールド、あとは若かったころの「洋楽」(70~90's)。ラジオは明け方からインター。読書・マンガはノンジャンル。今年に入っ てから買ったマンガはいちえふ/3月のライオン/機動戦士ガンダム THE ORIGIN/かくかくしかじか/アルスラーン戦記/昭和元禄落語心中/スティーブ・ジョブズ/めしばな刑事タチバナなど。一貫性はないですが、なんだか「サブカル系女子」みたいですね。ただ、こん な自分は嫌いです。Francfrancのサイトでシー ザーサラダ指南をしたこともあります。でも、料理が得意かと言われると得意ではなく、作るのはどんぶり飯ばかり。材料が揃っているところで鍋だけ振るのが好きなのは、料理好きとは言いません。なお、履歴書的な情報はリンクの通り。

連絡先: shibanai@tku.ac.jp