東京経済大学

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2015年度 第4回
現代法学部 礒野 弥生 教授・学部長

山へ、海へ、街へ。現場で「法」をとらえます。環境問題を考えるゼミ。 現代法学部 礒野弥生 教授・学部長 山へ、海へ、街へ。現場で「法」をとらえます。環境問題を考えるゼミ。 現代法学部 礒野弥生 教授・学部長

Isono Yayoi
東京経済大学 現代法学部 学部長
東京都立大学法学部法律学科卒業。東京都立大学社会科学研究科 修士課程修了。東京都立大学社会科学研究科 博士課程修了。東京都立大学 法学修士。主な研究分野は、行政法、環境法。

そもそも、「現代法学部」では何を学ぶのですか?

 法学というと"分厚い六法全書を暗記するのかな"と思う人もいるかもしれません。あるいは、法律は"古めかしいもの"といったイメージを持っている人もいるでしょうか。
そうではありません。法律は社会のなかで常に機能しているものであり、法学とは、そんな法律を事実と照らし合わせて解釈し、「どのような法律上の問題があるか」「どのような対応が可能か、必要か」などを考え、世の中の問題の解決を図るための学問なのです。
 なかでも東経大の現代法学部では、"現代"という名の通り、ビジネスや行政そして各人が直面している課題――環境、福祉、消費者問題など――から、法学の基礎や法的なものの見方を学んでいきます。

礒野ゼミでは、具体的に何をするのですか?

 今年度のテーマは「環境問題における地方自治の役割と法」です。前期は、判例や論文の読み方を習得し、環境問題への理解を深めます。いま取り組んでいるのは「アスベスト問題」。判例やそれに関する論文を読み、なぜその結論に至ったのか、結論の妥当性はあるかなどを考えます。後期はグループ研究を行い、12月のゼミ報告会で成果を発表。さらに1年の集大成として1万字の論文を執筆します。やることが盛りだくさんで決してラクではないと思いますが、ゼミ生たちは皆、驚くほど力をつけていますよ。

実際の現場に足を運ぶことも、重視しているそうですね。

 人の話を聞き、現場を見て、自分の頭で物事を考え、判断を下すこと――。それは学部を問わず、社会で生きていくために不可欠な能力だと思っています。ゼミ合宿などで現場を訪れ、当事者と会うことを重視しているのはそのためです。これまでに、東日本大震災の被災地、水俣病の現場、自然保護が課題となっている屋久島や釧路湿原、循環型社会を目指す長野県大町など、あちらこちらへ出かけて学びを深めてきました。

人前で話す力をつけるために、ユニークな取り組みをしているとか?

 ゼミの冒頭に毎週、全員が一つのテーマについて2分間のスピーチをします。スピーチのお題は「好きな言葉」から「アスベスト問題に思うこと」まで様々。やってみると分かると思いますが、2分間、一人で話をするって意外に大変なんですよ(笑)。ゼミ生同士が互いをより深く知る機会になりますし、プレゼンテーション能力を養う良い訓練になっていると思います。

法的なものの見方を身につけることは、将来どう役立ちますか?

 法の分野において「何が事実か」「何を要件事実(一定の法律効果が発生するために必要な具体的事実)として捉えるか」、は非常に重要なポイントです。それを誤ると、冤罪を生んでしまったり、権利があっても裁判上認められないこともあるわけですから。この「事実を的確に理解し判断する力」「論理的に結論を導き出す思考力」は、弁護士や裁判官といった法曹界の人材に限らず、企業人や公務員にも必ず求められる能力だと思います。また、コンプライアンス(法の遵守)が重視される時代ですから、法律の観点から問題を捉えて解決方法を提案する力は、どんな分野に進んでも役立つことでしょう。

Students'VOICE礒野ゼミで学ぶ学生の声

久保賢哉さん(3年)
昨年は、東日本大震災における漁業被害について1万字の論文にまとめました。実家が漁業なので、きちんとこの問題と向き合ってみたかったんです。震災や環境、公害などは簡単に答えが出る問題ではなく、いつも苦労していますが、その分、自分の頭で考える力がつくように思います。将来は公務員になって地元の北海道に貢献するのが夢。地方自治体のあり方や公務員としての考え方について先生にお話しいただく機会もあり、日々とても充実しています。
山下智大さん(3年)
論文や文献を読んでレジュメを作ったり、グループで議論したりと、礒野ゼミの事前準備はとても大変です。きちんと勉強しておかないと、ゼミ中に発言することもできませんから。でもそのおかげで、文献を読み解き要点をまとめる力、人にものを伝えたり質問したりする力は、1年前の自分とは比べものにならないほど鍛えられたと思います。ゼミ生が2、3年合わせて10人と少人数なので、あたたかく、そしてみっちりと指導いただけるのも魅力です。

※学年は取材当時のものです。

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