学問研究を主としたほかのゼミと違って、武脇ゼミは、「公認会計士」「税理士」「簿記検定1級」などの会計の難関試験に合格することを目的としています。2014年度の公認会計士試験では、武脇ゼミから3年生4人、4年生1人の計5人が合格しました。東経大全体の合格者は6人ですから、ゼミ生たちは本当に頑張ってくれたと思います。
公認会計士試験は大変難しい試験として知られていますが、私たちが目指すのはあくまで大学在学中の合格です。とくに3年生のうちに合格すれば、就職活動もスムーズですし、残り1年の大学生活で好きな学びを深めることもできます。ゼミ生のなかには、3年で合格、4年で短期留学している学生もいますよ。
企業は、「どれくらい利益があがったか」「借金がいくらあるか」「資金はどれくらいか」といった企業活動の成果、いわば"成績表"を外部に公表する義務があります。これは「財務諸表」といって、投資や取引の判断材料にされる大変重要なものです。公認会計士の主な仕事は、この財務諸表が正しいかどうかを第三者の立場でチェックすること。また、企業経営の専門家として助言をする経営コンサルタントのような役割も果たします。つまり公認会計士は、株主や銀行、企業の取引の信用の下支えをする"縁の下の力持ち"のような存在なのです。将来は、会計事務所や監査法人で活躍できることはもちろん、一般企業においても組織の中枢で必要とされることの多い専門職です。
ゼミでは、管理会計を中心とした「問題練習」とその「解説」をひたすら繰り返します。簿記検定2級レベルの知識があることを前提としており、予習や復習も欠かせません。ゼミ生は毎年15〜20人程度。同じ目標をもった仲間の存在は、2年以上にわたる勉強期間中の心の支えになりますし、ライバル心がレベルの向上につながります。最初はボーダーライン上だった学生が優秀な仲間に刺激されてどんどん力をつけ、合格にこぎつけた例もたくさんあります。
単に試験に合格するだけならば、大学よりも専門学校の方が効率的かもしれません。大学では、資格試験と関係のない勉強もせざるをえませんから。では、大学で学ぶ意義は何か。それはまさに、「資格試験以外の勉強もできること」だと思います。例えば、生産管理や流通、マーケティングといった経営学や経済学の知識があれば、財務諸表の数字の根拠を深く理解できるため、より質の高い仕事ができるでしょう。さらに、取引先とコミュニケーションを図るうえでも幅広い一般教養は欠かせません。ビジネスの現場で求められているのは、高い専門性とともに、幅広い知識・教養を兼ね備えた人材なのです。
会計に関する資格取得を目指している人は、ぜひ東経大へ来てください。ゼミや授業では、教員が学生一人ひとりと向き合って精いっぱいサポートしますし、提携先の専門学校で学べる「会計プロフェッショナルプログラム(※)」をはじめとする学習体制もきちんと整っています。公認会計士や税理士などの資格は、コツコツと努力を重ねていけば決して手の届かないものではありません。高い志をもった仲間と共に学べる環境で、あなたもチャレンジしてみませんか。
(※)公認会計士、税理士、国税専門官、日商簿記1級を目指す学生のためのプログラム。選考試験を経た各年度50人が対象。提携専門学校の受講料は全額大学負担。
※掲載されている教員・学生の所属学部・職位・学年及び研究テーマ等は、取材当時のものです。