地球温暖化や原発事故のニュースを見ても分かる通り、環境やエネルギー問題は、世界経済の成長・安定を左右する最重要課題の一つです。また安全で豊かな国であり続けるために、地域社会の活力を取り戻すこと、地域の自然を次世代へと守り繋いでいくことも欠かせません。そこで周ゼミでは「グローバリゼーション」「地域」をキーワードに、再生可能エネルギーや地域創生などについて学んできました。
周ゼミが大切にしているのは、「リアリティのある学び」です。毎年参加するシンポジウムやイベントは、気心の知れた学生同士の発表の場ではなく、有識者や第一線で活躍する社会人が相手です。プレッシャーも大きいでしょうが、明確な目的意識がある分、ゼミ生は非常に真剣に取り組んでいます。文献の精読・議論のほか、ゲスト講師の講演を聴講する機会も多く、みな熱心に学びを深めています。
2015年12月に、環境省と中華人民共和国駐日本国大使館の協力を得て、「環境とエネルギーの未来 国際シンポジウム」(主催:東京経済大学)を開催しました。日本と中国の有識者や行政の担当官を招いた大々的なイベントでした。シンポジウムの企画立ち上げ、問題提起、当日の運営に至るまで、ゼミ学生が主体となって取り組んでくれました。シンポジウム当日は多くの聴衆を前に、壇上で「再生可能エネルギーへの転換を図るには」「水素を使った新エネルギーによる『水素社会』の実現のためには」などの問題提起を行い、白熱した意見交換がなされました。
環境省などの協力のもと、自然と共生しつつ地域活性化の輪を広げることを目指して、全国各地で毎年行われている地域会議のことです。
2016年度は周ゼミが倉敷(岡山)でのローカルサミットに参加し、「子育て」「祭り」「経済」など、多種多様な分科会でゼミ生が発表しました。地域の抱える課題を整理・分析し、国内外の先進事例やデータとともに明確に提示したことは、「新しい視点をもらえた」「議論が深まった」と大変喜ばれました。今年は東近江(滋賀)でのサミットに参加する予定。今年もゼミ生の活躍に期待しています。
日本の大学では易しい授業・ゼミが好まれることが多いようですが、"易しい"ことが学生にとって本当に"優しい"かどうかは疑問です。高い目標に向かって、楽しく学べるよう真剣に鍛えていくことが、本当の優しさといえるのではないでしょうか。
周ゼミの学生も最初から高い志を持って入ってきたわけではないでしょうが(笑)、ここで本気で学んだ結果、1年前や2年前とは別人のように、みな立派に成長してくれています。特に、幹事(グループの代表)を務めた学生は、就職活動で苦労した姿を見たことがありません。質問力や企画力、プレゼンテーション力、社会人と接する際のコミュニケーション力などが、ゼミ活動を通して自然に身につくのだと思います。皆さんも真剣に学べる大学、環境を選んでほしいと思います。
※掲載されている教員・学生の所属学部・職位・学年及び研究テーマ等は、取材当時のものです。