自然科学から人文科学まで広い領域の学問を学び
現実に対処し、未来を切り拓く力を養います
絵画や美術作品をじっくり見たことはありますか?ある調査によると、美術館でひとつの絵を見る時間は平均30秒だそうです。一方で作品をどう見たらよいかわからないということもよく言われます。この講義では、そもそも美術作品を“見る”とはどういうことか、美術の“美”とはどう感じ、考えるものなのかという問いを前提に、1期はルネッサンス期から19世紀の終わりまでの、2期には近現代のアート作品を取り上げ、芸術表現が刷新されていった理由やその成り立ちを考えます。ポイントは芸術作品の制作背景だけではなく、そうした作品がなぜ求められ、どう見られたのかという視点もあわせて表現やテーマの変遷を歴史的に考察することです。
芸術家たちの苦悩や困難、評価のされ方といった歴史的な理解を深めることで絵画の見方は変わります。そうした歴史も踏まえたうえで、絵画をしっかりと観察し、自分なりに考える経験を通じて、“美”という感性に対する批判的リテラシーを養います。
1期には家族や労働、教育とジェンダーについて、2期には性をめぐるさまざまな現象について学びます。受講学生の男女比は半々。伝えたいのは、ジェンダーに関わる生きづらさが社会的に作られたものであるということ、作られたものは変えることができるということです。この大学案内を読んでいる人の中にも、周囲から「女の子は地元の大学でいい」と言われている女性がいるかもしれません。
また、「男らしくない」とか、「非モテ」であることに悩む男性もいるかもしれません。授業を通じて、こうした生きづらさの原因が、個人ではなく社会の側にあると気づくことができるでしょう。社会のあり方を疑う姿勢を身につけることは、卒業後も役立つはず。授業では、職場に不合理なジェンダー格差があることや、家事負担が女性に偏っていること、これらの問題をどう解決できるかについても扱います。個人が自分らしく自由に生きられる社会をめざして、ジェンダー論を学んでほしいです。
学部の専門科目の学びと並行したかたちで、自分の興味のある「教養」系の学問分野について、「教養講義科目」と教養(総合教育)科目関連の「演習系科目」をとおして深く探究し、所定の諸科目の単位(ゼミや卒業研究などを含む)を取得すれば、卒業時に「教養探求プロジェクト」の正式な修了証が(学部の卒業証書とあわせて)授与されます。なお、就職活動などでの利用を目的とする希望者には3年次2期末に「修了見込証明書」の発行も可能です。