卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
また、ご家族並びにご関係者の皆様には、ご子息・ご息女様の成長と輝かしい社会人としてのスタートを心よりお慶び申し上げます。
これまで東京経済大学に対し、多大なご協力とご理解を賜りましたことを厚く御礼申し上げます。
本学は明治・大正・昭和の激動の時代に一代で大倉財閥を築き上げた大倉喜八郎により1900年に大倉商業学校として創立され、昨年10月に創立120周年の歴史を刻みました。
大倉翁が開校より学生に語り続けた一貫した強固な考えは、商業・経済・金融に精通した人材の育成と語学などの実学教育の重要性であります。
即ち国際性の涵養、挑戦し続ける姿勢(進一層)、責任と信用の大切さであります。この考えこそ120年を超える本学校風の核心であることを忘れないで下さい。
新社会人となる皆さんを迎える社会は希望にあふれた世界であると同時に、
少子高齢化・グローバル化による社会構造の変化、情報技術を巡る環境の変化が進み、これまでに無い、新しい社会の形を作り出すことが求められています。
幅広い視野とチャレンジ精神、それを支える壮健な身体、十分健康に留意され、様々な姿で実社会に於いて活躍されることを念じております。
私も本学の卒業生であります。社会人の先輩として一言申し上げます。
皆さんはこれから様々な業界において、各分野の専門知識・業務知識を習得し、立派な社会人として活躍・発展されるものと思います。
一方、人生100歳時代とも言われ、長い人生を心豊かに歩むうえで、大切なことは「より良き教養人」として自分に磨きをかけることであります。
音楽、美術、文学、歴史や芸能、何でも結構です。
仕事以外に語れる道を是非探して下さい。豊かな教養は皆さん方の人格を作り上げ、やがて品格となって現れます。人物選択の決め手は最終的に教養と人格だという人もいます。
私達大学関係者一同、皆さんのご卒業、そして社会への旅立ちを心よりお祝い申し上げます。皆様の益々のご健勝とご多幸を祈念いたしまして、私の祝辞とさせていただきます。
2021年3月23日 学校法人東京経済大学 理事長 菅原寛貴