言語選択

Search

日本語 ENGLISH

申込受付終了

9月30日(土)アダム・スミス生誕300年記念企画 ―展示会と講演会―

左:ロンドンのRoyal Academy of Artsの外壁に立つアダム・スミス像
右:ローダデール旧蔵『国富論』初版第1巻のタイトルページ

 今年は1723年に生まれたアダム・スミスの生誕300年にあたります。本学図書館は「経済学の父」スミスを顕彰する2つのイベントを企画しています。一つはスミス関連の貴重書を披露する展示会で、もう一つはスミス自身とスミスの経済学と深い関りをもった経済学者たちについて研究している3名の研究者による講演会です。
 講演会では、3名の研究者が、スミスと関連の経済学者たちの経済学史上における貢献をわかりやすく解説し、スミスに始まる古典派経済学の現代的意義を明らかにするとともに、展示会の出品資料についての理解を深めます。
 今回の記念企画は、本学図書館が世界に誇る所蔵品に直に接し、そのすばらしさを実感していただける機会となりますので、ぜひご参加くださいますようお願い申しあげます。

開催概要

日 時 2023年9月30日(土) 13:00~16:00
展示会場 東京経済大学 国分寺キャンパス 図書館1階
講演会場 東京経済大学 国分寺キャンパス 大倉喜八郎 進一層館(フォワードホール)
講演者 新村 聡(岡山大学名誉教授・特命教授)「アダム・スミスの大きな政府論―金融規制・公教育・累進税」
出雲 雅志(神奈川大学経済学部教授)「スミスを継いだマルサスとリカードウから受け継ぐもの」
安川 隆司(東京経済大学経済学部教授)「アダム・スミスとローダデール」
申込方法 ※申込受付は終了しました。
事前申込制。
本学公式サイトからお申込みいただけます。
※電話では受け付けておりません。
申込締切 2023年9月27日(水)
※申込者多数の場合、早めに締め切らせていただく場合がございます。
主催・問合先 東京経済大学 図書課
メールアドレス library■s.tku.ac.jp(■を@に変更)
電話(042)328-7764(平日9時~17時)
※8月8日(火)~8月16日(水)は大学一斉休務のため休館

講演 新村 聡氏プロフィール

岡山大学名誉教授・特命教授
1953年生。
東京大学経済学部卒、同経済学研究科博士課程単位取得退学、岡山大学経済学部講師、助教授を経て教授。2018年3月退任。
岡山大学名誉教授・特命教授、経済学博士(東京大学)。

タイトル:「アダム・スミスの大きな政府論―金融規制・公教育・累進税」

アダム・スミスは一般に自由放任と小さな政府を主張した代表的経済学者とみなされている。たしかに若いころのスミスは、市場経済の調和を信頼し、政府介入に消極的であった。しかし1760-70年代の金融危機を経験し、さらに商業社会がもたらす疎外・腐敗・格差拡大の現実に直面して、スミスはしだいに政府介入を支持するようになる。スミスの思想的進化を、金融規制・公教育・累進税を中心に考察する。


講演 出雲 雅志氏プロフィール

神奈川大学経済学部教授
経済学史学会代表幹事(2019-20年度)、リカードウ研究会代表(現在)、マルサス学会理事(現在)を歴任。

タイトル:「スミスを継いだマルサスとリカードウから受け継ぐもの」

マルサスとリカードウはスミスより40年から50年ほど後に生まれ、18世紀末から19世紀はじめのイギリス産業革命のただなかを生きた。ふたりはともにスミスの『国富論』に学び、物価の高騰や為替の下落、安価な穀物輸入、貧民の救済策などをめぐる、時代の新たな困難と課題に立ち向かう。スミスの「貧困」へのまなざしを継承したマルサスとリカードウから、いま受け継ぐものはなにか、考えてみたい。


講演 安川 隆司氏プロフィール

東京経済大学経済学部教授
一橋大学社会学部卒。ロンドン大学 MA in Legal and Political Theory。一橋大学社会科学古典資料センター助手、東京経済大学経済学部専任講師を経て、現在教授。経済学部長、副学長を歴任。

タイトル:「アダム・スミスとローダデール」

ローダデールは、スミスの最初の体系的批判者とされ、経済学史上で特異な位置に立っている。東京経済大学はその主著『公富論』の原型とも言える膨大なコメントを付した『国富論』初版本を含むローダデール旧蔵の経済学文献コレクションを所蔵し、インターネット上で公開している。本講演では、同時開催の展示会に出品している貴重書の解説も兼ね、ローダデールを中心にスミスをめぐる経済学者たちの仕事について概説する。