昨年12月、作家で本学名誉教授の徐京植先生が逝去されました。先生は、東アジア冷戦下の在日朝鮮人が直面した厳しい現実をふまえ、長きにわたって鋭い考察と批判を展開され、世界に警鐘を鳴らしました。深い教養に裏打ちされた先生の批評活動は、状況や歴史だけでなく、文学や美術・音楽など芸術全般にわたり、多くの読者を惹きつけてきました。また東京経済大学では20年余り人権論や芸術論を講じられ、多くの学生に生きる指針を与えてくださいました。その先生を突然喪い、いまは悲しみにくれるほかありませんが、いただいた恵みの大きさをあらためて振り返ることで、先生への感謝に替えたいと考えます。当日は先生が活躍された各分野で縁の深い方々からお話しをいただきます。あわせて先生の生前最後のインタビュー映像もご紹介します。多くの皆様にご参集いただき、在りし日の先生を偲ぶ場にしたいと存じます。
1951年2月18日、京都市生まれ。1974年3月、早稲田大学第一文学部仏文科卒。在学中の1971年、兄の徐勝・徐俊植が韓国留学中に逮捕。以後、2人が釈放される1990年まで救援運動に奔走。1980年代から作家活動。主要著作、『私の西洋美術巡礼』(1991年)、『子どもの涙:ある在日朝鮮人の読書遍歴』(1995年、日本エッセイストクラブ賞)、『分断を生きる:「在日」を超えて』(1997年)、『プリーモ・レーヴィへの旅』(1999年、マルコポーロ賞)、『断絶の世紀 証言の時代:戦争の記憶をめぐる対話』(高橋哲哉氏と共著、2000年)、『半難民の位置から:戦後責任論争と在日朝鮮人』(2002年)、『ディアスポラ紀行:追放された者のまなざし』(2005年)、『植民地主義の暴力:「ことばの檻」から』(2010年)、『フクシマを歩いて:ディアスポラの眼から』(2012年)、『越境画廊:私の朝鮮美術巡礼』(2015年)ほか多数。2000年4月より、東京経済大学教員(現代法学部/全学共通教育センター)。全学共通教育センター長、図書館長を歴任。2021年3月定年退職、名誉教授。2023年12月18日、永眠。
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会 場 |
東京経済大学 国分寺キャンパス 大倉喜八郎 進一層館 ホール (東京都国分寺市南町1-7-34) ※お車でのご来場はご連慮ください。公共交通機関をご利用ください。 |
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問合せ窓口 | 東京経済大学 広報課 Mail:pr■s.tku.ac.jp(■を@に変更) TEL:042-328-7724 |
主 催 | 偲ぶ会実行委員会(東京経済大学教職員有志) |