2018年5月15日(火)、東京経済大学の関昭典ゼミナールは、5号館E401教室で、Mero Sathi Project(メロ・サティ(ネパール語で「私の友達」の意)・プロジェクト2018の第一弾として、通訳・翻訳家として活躍するツァイ睦実氏を招いて、講演会を開催しました。
Mero sathi Projectは、3年前のネパール大地震を受け、ネパールに思い入れのある学生が主体となって発足し、これまで関ゼミのメンバーが中心となって、講演会やイベント実施などを通じた国際交流活動を行ってきました。
今回、講師として登壇したツァイ睦実氏は、2006年に本学に入学し、関ゼミの第1期生として学生時代を過ごしました。在学時代からK-POPアイドルの大ファンだったこともあり、韓国語の勉強に没頭。留学経験を経て、韓国語教育資格を取得しました。K-POPアイドルの通訳を務める機会にも恵まれ、「もっと語学力を極めたい」と一念発起し、韓国の大学校大学院で通翻訳学修士号を取得。卒業後は通訳・翻訳家として、イベント開催時の通訳や、漫画や書籍などの翻訳を行っています。
講演会でツァイ氏は、自らの経歴を追いながら、留学時に遭遇した文化の違いや、海外に興味のある学生に向けた奨学金制度の紹介、海外で修士号を取得するためのアドバイスなどを語り、ゼミ生を中心とした参加者は熱心に耳を傾けていました。
講演会の後には、質問の時間が設けられ、参加した学生たちは次々に質問を投げかけていました。「翻訳の仕事をする際に気を付けていることは?」との質問に対しては、「自分が満足する訳に決めつけるのではなく、本当にこの訳でいいのか、誰が読んでも読みやすい文章になっているのか、と常に自分に問いかけ、一つ一つ完成させるようにしている」と答え、「韓国語で書いてある文章をただ日本語に変換することだけが翻訳ではない。文章には書かれていない部分を読み取って、表現することが大事」と、翻訳の極意について話しました。
最後に、ツァイ氏は「留学を挟んだこともあり、他の同級生より長い期間を学生として過ごし、苦労したこともあったが、人生に無駄なことなどない。資格でも経験でも、生かそうと思えばどうにでもなる」と学生たちにエールを送り、会を締めくくりました。