2018年12月5日(水)・6日(木)、東京経済大学現代法学部の徐京植教授が主体となり大倉喜八郎 進一層館ホール及び6号館F307教室で、韓国図書館使節団を招いての特別講演会「図書館に未来はあるか?~読書文化の活性化のために」を開催しました。
5日に大倉喜八郎 進一層館ホールで行われた講演では、李龍勳(イ・ヨンフン)韓国図書館協会事務総長と趙今珠(チョウ・クムジュ)ソウル道谷情報文化図書館長による講演が行われました。
趙今珠氏の講演では、「私たちが知らなかった世界の図書館」と題し、伝統的な図書館の3要素である図書館の建物、蔵書、専門職員(司書)が存在しない各国の図書館を紹介しました。紙媒体を保有しない「電子図書館」や、司書がいない図書館、Googleが60以上の大学図書館と協力して提供するサービス「Googlebooksproject」等を例に、電子化による物理リソースの削減やAI化の波、未来の図書館の展望に触れました。講演の最後に趙今珠氏は「未来では図書館は『体験できること』が重要になるかもしれない」とまとめました。
李龍勳氏の講演では、「韓国図書館界の現在と未来:悩みとその対応」と題し、韓国の公共図書館の歴史について解説。さらに、現在韓国の図書館で司書や利用者の数が減少し続けている現状について語りました。また自身が事務総長を務める韓国図書館協会の活動についても触れ、その中で「今後図書館の未来がどうなるかは利用者が司書を支持するかどうかにかかっている」と語りました。
質疑応答では多くの参加者から質問が投げかけられ、本学図書館と韓国の図書館との比較や公設民営の広がり、図書館の機能の変遷などについて議論が交わされました。
取材:学生記者 経済学部3年 佐野玲太