東京経済大学の周牧之経済学部教授は、担当する「中国経済論」のゲスト講師に東洋大学理事長で元セブン銀行会長である安斎隆氏を招き、2019年5月31日(木)に講演会を行いました。
安斎氏は日本銀行、日本長期信用銀行に勤めた後、セブン銀行会長を経て、現在は東洋大学の理事長を務めています。講演の中で安斎氏は「現在は所得格差が広がり、いたるところで不満が噴出している。そしてグローバリゼーションの見直しという足踏みも起き、米中の覇権争いもある」と現在の日本と世界の情勢を説明し、日本をとりまく環境と経済状況を80年代から現在にかけてどのように変遷してきたか解説しました。
また、学生に対し「教員から習ったことを暗記する時代は終わった。自分で物を考えることができるようにならなければいけない。一方向からの理論を聞いてそれを暗記するだけではいけない」と述べ、「自ら考えることによって、皆さんは強い人間になると思う。特に20歳前後の若い時に"自分で考える"ということはとても大切なことだと思う。私は大学3年生のときに司法試験に受かったが、その時に暗記したものは社会人になってからは何の役にも立たなかった。忙しい職務をこなしていく中でようやく自分で考えることの大切さを知った」と自らの経験も踏まえ自分で考えることの大切さを伝えました。
講義の最後に安斎氏は「自ら生きるという力を出して強い人間になってほしい。常に自分の頭の中に疑問をもち考える力を磨いてほしい」と学生たちにエールを送りました。
取材:学生記者 経営学部4年 中村明日
安斎氏