2020年10月20日(火)、東京経済大学コミュニケーション学部の佐々木裕一教授がオンラインシンポジウム「情報社会の言論環境を考える~フェイクニュース、誹謗中傷とどう向き合うか~」(主催:国際大学グローバル・コミュニケーション・センター)に登壇しました。
このシンポジウムは、ネット上の誹謗中傷問題なども含む「情報社会における言論環境」全体をテーマにし、多様なステークホルダーと議論し、政府、企業、人々が今後この問題にどう向き合い・どう行動をとっていけば良いのか、そしてどのようなルールメイキングや連携が必要なのか、明らかにする目的で開催されました。
佐々木教授は、第二部「情報社会における言論環境の未来」と題したパネルディスカッションに登壇しました。パネルディスカッションでは、米国での「ソーシャルメディア・アディクション・リダクション・テクノロジー・アクト」(ソーシャルメディア依存軽減テクノロジー法)という利用者の依存を誘うアプリケーションのデザインを禁じる議員立法、Twitterのリツイート時に自身でのコメント記入(引用リツイート)が必要になったことなどネット上の言論環境について幅広く取り扱いました。
インターネット上の誹謗中傷というテーマでは、佐々木教授はインターネット上で誹謗中傷に参加する人はごく少数であり、特定の少数の人のみが中傷に参加している事実を利用者が知ることの重要性について指摘していました。
また、ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー』に言及しながら、大量のしかも硬軟織り交ぜた情報が小さい画面に流れてくる現在において、人間として情報を吟味することが困難になる故に誹謗中傷がなされやすい時代にあるのでは無いだろうか、との発言もありました。
取材:学生記者 経営学部2年 内田充俊