コミュニケーション学部長 山田 晴通
コロナ禍が続くのなかで、私たちは苦しみ、悩みながら、様々な物事に考えさせられて来ました。様々な意味でのふれあいが制約され、歓談、懇親、交流の機会が失われる中で、人と人を結びつけるコミュニケーションのあり方や意義についても、深く考え直すことになったと思います。
友人と、恋人と、あの人やこの人とも、もっと話したい、親しくなりたい、ふれあいたいといった感情を抑え込むことは、特に若い皆さんにとっては苦しいことであると思います。学問として学んだコミュニケーションに関わる内容が、日々の生活の中に生々しく落とし込まれてくるといった貴重な機会もあったことでしょう。
様々な機会に何度となく聞かされて来たことかと思いますが、そもそも、大学における学びは、教えられた内容を身に付けるという受け身の姿勢から抜け出し、自ら考え、行動する、自立した人間への転換をめざすものです。それは誰かに課された義務ではなく、皆さん一人ひとりが自分で選択した道です。その堅実な歩みを実現するのは、皆さん自身の努力に他なりません。
きびしい社会状況の中であればこそ、前向きに明るく努力することが必要です。「進一層」、すなわち、少しずつでもよいから前進し続けることを忘れないという精神をもって、日々の課題に取り組んでください。その積み重ねが、あなたの歩む足跡です。皆さんの学びは、やがて皆さんの人生の糧となっていくのです。