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在学生のみなさんへ 学長メッセージ

2021年4月20日
東京経済大学学長 岡本英男


昨日(4月19日付)の新聞報道によると、新型コロナウイルスによる世界の感染者数が再び急増し、1日あたり70万人(7日平均)を超えて過去最多の水準となっています。国内でも再び感染者数が拡大傾向にあり、4月18日時点で新規感染者数は5日連続で4000人を超える状況となっています。このようなニュースに接すると、どうしても暗澹たる気分になることは事実です。

他方で、河野太郎規制改革相は、新型コロナウイルスワクチンに関し、9月末までに接種対象者全員分を確保できる見通しを示した、などという記事を目にすると、心の中に微かな希望の光が差し込みます。しかし肝心なことは、感染者数の拡大やワクチン接種の状況に一喜一憂することではなく、コロナ禍という状況の中で自己を律し、いかに大学生らしい学びを貫くかということです。

私は昨年の『大学報』にて、学生の立ち入りを禁止したキャンパスの状況を、レイチェル・カーソンの『沈黙の春』にある「春がきても鳥の鳴き声が聞こえない沈黙した世界」のような光景だと描きました。たとえ青空の下で欅と銀杏の若葉が光り輝いていても、学生の姿が見えない、そして声が聞こえないキャンパスは本当に寂しいものでした。

したがって、4月8日の授業開始日に、多くの学生の皆さんが明るい表情でキャンパスを行き交っているのを目にしたとき、待ちに待った春が大学にもようやくやってきたという思いを新たにしました。皆さんもどうか、このときの新鮮な感動と喜びを忘れないで、実りあるキャンパス生活を送ってください。

そのことに関連して、私から皆さんにお願いがあります。根強い感染症拡大という状況下でもキャンパスでの活動をやめないためには、皆さんの意識と行動が重要になってきます。引き続き、一人ひとりが基本的な感染予防策を踏まえた適切な行動をとり、自主的に体調管理に努めてくださるようお願いいたします。とくに、常時マスクを正しく着用すること、アルコール消毒液等でこまめに手指消毒を行うこと、対面での食事、食事中の会話を避けること、この3点については、遵守してくださるようお願いいたします。また、通学の際にも、大学近隣の方々を含め、不安を抱えて生活している人々がいることを深く理解して行動してください。

本学は、建学の理念として「進一層」と並んで「責任と信用」を掲げています。皆さんは、この「責任と信用」という言葉を胸に抱きながら、キャンパス内はもちろん、通学の途中でも、そしてキャンパス外でも、自らが感染しないことはもちろん、周りの人たちを感染させないことを前提とした行動の継続をお願いいたします。このことが皆さんの大学生活を実りあるものとすると同時に、皆さんを誰からも信用される「責任ある社会人」に育てあげるものと私は確信しています。