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大久保奈弥准教授が中学生向けに「サンゴは語る」を上梓

  • 海の豊かさを守ろう

サンゴの研究者として知られる東京経済大学全学共通教育センターの大久保奈弥准教授は、中学生を対象にした学びの入門書として「サンゴは語る」(岩波書店)を上梓しました。

2021年3月にスタートした岩波書店の岩波ジュニアスタンダードブックスは、中学生のより深い学びや探究への扉をひらくことを目的に創刊されたものです。

これまでに地球温暖化問題、貧困や難民などグローバルな課題、宇宙についてなど7冊が発刊されています。

今回の出版に際して大久保准教授は次のように、読者世代にメッセージを寄せています。

私は子供の頃から変わっていると言われてきましたが、それを良いことだと捉えて生きてきました。生き物はそれぞれ違って当たり前、他人と同じである必要は全くない、あなたはあなたのままで良いのよと、親からいつも安心感を与えてもらったからです。おかげで、私は自己肯定感がすこぶる高く、大学院生時代にはアンケートで「人生にどの程度満足していますか」と聞かれて「120%です」と答え、大層驚かれた記憶があります(笑)。

一方、国連の調査結果(昨年)によれば、日本の子どもの精神的幸福度は37位、調査した38カ国中、ワースト2位という悲しき結果です。経済的に恵まれた子供たちが多いのになぜでしょう。その理由は様々あると思いますが、子供自身が選択する自由が少ないという説があります。あと、これは私の単なる推測ですが、世間を気にしすぎる日本の大人が、子供たちに対して同調圧力を与えているのではないかと。なんとなく、子どもの精神的自由が失われているように感じるのです。

だから、私は、この本を通じて子ども達に、サンゴやその仲間たちの多様な生き方を知ってもらいたいと思っています。オスとメスがひとつの体になっていたり、同じ種でも様々な個性があったり。人間もサンゴと同じ生き物であって、他人と違うのは当たり前のことなのだと。それがあなたの個性で、あなたしか持っていない素晴らしい宝物なのですよと、伝えたいです。