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第16回 社会保障・福祉系合同ゼミディベート大会 〜「ゼミする東経大」の恒例イベント開催

「知的スポーツ」とも言えるディベートは、チームで方針を討議して決定し、そして個々人が主体的・能動的に情報収集をして問題を「発見」する学習を重ね、その上で仲間と意見交換を重ねるなかで、チームとしての独自の主張や提案を練り上げる・・・という、いわば「ワンチーム(One Team)」の精神が求められる試みです。一人でできることは限られますが、組織になれば多くの知恵や能力を結集して1+1=3にも4にもなるような大きな力を発揮することが可能になります。

このような力を育成するために、わたしたちは16年前から東京経済大学の学部間の垣根を越えた3~4ゼミでディベート大会を行ってきました。

東京経済大学では、学部によって研究手法の違いはありますが、経済学部、現代法学部のどちらに入学しても社会保障・福祉系のテーマを掲げるゼミで学ぶことができます。そこで、自分たちの身につけた力を試す場として、合同のディベート大会という試みが生まれました。

2021年もコロナウイルス感染症の蔓延に曝された1年でしたが、幸い、年末近くまでは感染者の増加も抑えられて対戦形式での開催が可能となり、2021年12月25日(土)に開催しました。

今回のテーマは、現実にこの社会が経験したコロナ問題に関わる難題や、雇用・労働モデルに関わる最新テーマ、「2025年問題」とされる介護需給の課題など、いずれも社会政策的に重要かつ論争的なテーマで知的勝負を行ってもらいました。会場は初めて、大倉喜八郎進一層館ホールを利用して実施しました。

今年のディベート大会には、65人の学生が参加し、以下の2つの形式で対戦が行われました。

(従来型ディベート)肯定・否定の立場に分かれて議論を闘わせる従来方式のディベート
(政策提案型ディベート)2~3チームが同時に一つのテーマをめぐって提案を競い合うコンペ方式

【第1対戦(従来型ディベート)】「男性に対し、現在の女性を対象とした制度と同等の産前産後休暇及び所得保障を実施すべきか否か?」」

【第2対戦(従来型ディベート)】「新型コロナウイルス患者受け入れのための病床確保要請に応じない医療機関への診療報酬引き下げ(ペナルティ)を行うべきか否か?」

【第3対戦(従来型ディベート)】「新卒採用において、『ジョブ型雇用』(職種・職務内容を限定)を採用すべきか否か?」

【第4対戦(政策提案型ディベート)】「『ヤングケアラー』の生活・就労・教育に対する障壁を取り除くためにどうしたらよいか?」

【第5対戦(政策提案型ディベート)】「10代20代の若者の自殺者数を減らすにはどうしたらよいか?」

【第6対戦(政策提案型ディベート)】「東京都区部の介護需給の逼迫に対して、介護難民を防いで介護サービスを持続的に供給するために、自治体はどうしたらよいか?」

大会に向けて、学生たちは通常のゼミの時間だけでなく、各自の空いた時間を調整して「サブゼミ」を自主的に繰り返すなど、各チームの仲間との試行錯誤や資料収集、討議の準備で苦労を重ねています。

当日の勝敗以上に大切なこれらの経験こそが、社会で求められる社会人基礎力にしっかりと結実していくはずです。ディベート大会を経験した学生たちの今後の飛躍を期待しています。

ディベート大会参加ゼミ
・経済学部 尾崎寛直ゼミ 李蓮花ゼミ
・現代法学部 常森裕介ゼミ

文責・経済学部教授 尾崎寛直

  • 自分たちの検討を重ねた立論を発表する

  • 審査員が審査する前で、相手方チームに論争を挑む

  • ディベート大会終了後の記念撮影

  • ディベート大会に向けたゼミでの準備学習の様子