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2022年度社会保障・福祉系 合同ゼミディベート大会(第17回) 〜「ゼミする東経大」の恒例イベント開催~

「知的スポーツ」とも言われるディベートは、チームで課題を共有した上で、個々人が主体的・能動的に情報収集をして問題を「発見」する学習を重ねる、そしてチームの仲間と議論・協議を重ねるなかで、チームとしての独自の主張や提案を練り上げる・・・という、いわば「ワンチーム(One Team)」の精神が求められる試みです。一人でできることは限られていても、組織になることで一人では考えられないレベルの知恵や能力が結集した立案が可能になります。

このような貴重な経験を学生にしてもらうべく、わたしたちは17年前から東京経済大学の学部間の垣根を越えた34ゼミでディベート大会を行ってきました。東京経済大学では、学部によって研究手法の違いはありますが、経済学部、現代法学部のどちらに入学しても社会保障・福祉系のテーマを掲げるゼミで学ぶことができます。そこで、自分たちの身につけた力を試す場として、合同のディベート大会という試みを続けています。

今年も新型コロナウイルス感染症の蔓延と闘いながらのゼミ運営ではありましたが、幸い、大倉喜八郎進一層館ホールにてリアル対戦形式での開催が可能になりました。今回のテーマは、ギグワーカーの労働条件の課題など、2022年に多くのニュースで話題になったテーマなど時宜を得たものが揃いました。高齢社会化の進展により、就労する高齢者が900万人を超えるなかでのさまざまな労働災害の発生や、団塊の世代が後期高齢者となる時期を迎えるなかでの老人医療費のあり方など、いずれも社会政策的に重要かつ論争的なテーマで知的勝負を行ってもらいました。

2022年12月24日(土)に開催した今年のディベート大会には、63人の学生が参加し、以下の2つの形式で対戦が行われました。

(従来型ディベート)肯定・否定の立場に分かれて議論を闘わせる従来方式のディベート

(政策提案型ディベート)2チームが同時に一つのテーマをめぐって提案を競い合うコンペ方式

 

【第1対戦(従来型ディベート)】「母親が一切の身元を明かさない『内密出産』を認めるべきか否か?

【第2対戦(従来型ディベート)】「就労していない世帯も保育所を利用できるようにするのは是か非か?」

【第3対戦(従来型ディベート)】「老人医療費の自己負担を現役世代と同等にするのは是か非か?」

【第4対戦(政策提案型ディベート)】「ギグワーカーに労働基準法並みの労働時間、賃金の保障を実現するのはどうしたらよいか?」

【第5対戦(政策提案型ディベート)】「就労する高齢者に対し適切な労働安全衛生対策を保障するのはどうしたらよいか?」

【第6対戦(政策提案型ディベート)】「日本において公的な住宅手当を実現するにはどうしたらよいか?」

大会に向けて、学生たちは通常のゼミの時間に加えて、各自の空いた時間を調整して「サブゼミ」を自主的に繰り返すなど、各チームの仲間との試行錯誤や資料収集、討議を重ねてきました。当日の勝敗以上に、これらの経験こそが大切なことであり、社会で求められる社会人基礎力にしっかりと結実していくはずです。ディベート大会を経験した学生たちの今後の飛躍を期待しています。


ディベート大会参加ゼミ
・経済学部 尾崎寛直ゼミ 李蓮花ゼミ

・現代法学部 常森裕介ゼミ

(文責:尾崎寛直経済学部教授)

  • 検討に検討を重ねた自らの立論を披露する

  • 審査員が審査する前で、相手方チームに論争を挑む

  • ディベート大会終了後の記念撮影