2025年1月14日付の朝日新聞で、東京経済大学現代法学部の中里浩教授(研究分野:経済法など)のコメントが掲載されました。
日本郵便の委託運送事業者に対する違約金の徴収について、公正取引委員会の下請法違反による指導が行われたにもかかわらず、その改善が大幅に遅れたことについての記事で、中里教授は、公取委が日本郵便の下請法違反につき法的拘束力を伴う勧告ではなく、早期の違反行為の解消を理由に行政指導をした点につき、日本郵便が指導の趣旨を真摯に受け止め、速やかに自主的な再発防止策を講じるべきと指摘。さらに中里教授は、日本郵便による違約金制度の変更は指導から半年後で、公取委の指導内容を下請事業者に説明していなかったのであれば、指導を形式的にしか受け止めていない可能性があること、さらに親事業者としての法令順守の意識が足りていないと強調しています。
また朝日新聞デジタル版において、中里教授は、公取委による下請法運用の優先度合いが格段に上がっていることは、日本郵便も十分に承知していたはずであること、同社が2023年2月、コスト上昇分を委託料に反映する価格転嫁に関する中小企業庁の調査で最低評価を受けたことが公表されていて、優越的地位の乱用や下請法の順守を強く認識できる立場にあったことを指摘。その上で中里教授は、不当な違約金徴収の実態を把握するためには、現場の状況や一方の言い分を確認するだけでなく、その事実・主張が本当に正しかったのか、客観性を担保できるように監査や反面調査も行うべきだったのではないかなどと提言しています。
朝日新聞デジタル(有料版)はこちらで確認できます。
※外部サイトに遷移します。遷移先URLは2025年1月14日時点のため公開終了の場合はご了承ください