


東京経済大学経営学部で、社会が抱える諸課題をオペレーションズ・リサーチ(科学的な意思決定法)により分析・解決する方法を研究する三和 雅史ゼミは、6月18日(水)、西武鉄道株式会社の協力を受け、同社の東村山駅付近で進められている連続立体交差事業を見学しました。
当日は、建設現場の事務所長から、この事業の内容やスキームに関して説明を受けた後、6月28日(土)夜から翌朝に予定されている高架橋上新線(新宿線下り)への切換え直前の現場や新しい駅設備などを見て回ったほか、同社関係者との質疑応答が行われました。
現場の見学では、ホームドアが一直線に設置されていないのは、様々な長さの列車の発着に対応するためであることや、駅部においては営業線の直上に高架橋を作る工法を採用しているため、ボルト1本の落下でも大事故につながる危険があることから、極めて慎重に工事が進められていること、また、日中の営業時間帯と終電から初電までの夜間わずかな時間の中で効率的に工事を進めるための工夫や沿線環境に配慮した設備や施工法などについて、実際の現場や実物を見ながら説明を受け、理解を深めました。
西武鉄道の担当者によりますと、2013年12月に事業認可を取得後、2014年12月に工事が着手され、2012年度から始まったこの事業が進むことで、事業完成後には、踏切事故がなくなり、道路と鉄道それぞれの安全性が向上。府中街道等の5ヶ所の踏切がなくなることにより交通渋滞が解消され、これまで鉄道により分断されていた沿線地域の一体化が図られ、新たな魅力あるまちづくりが推進されるということです。また、側道等の整備により、居住環境の保全が図られ、駅への交通アクセスだけでなく、周辺地域の安全性と防災性が向上するということです。
三和 雅史准教授は今回の見学のねらいについて「本学の学生に身近な国分寺線で進む大規模プロジェクトを通して、その仕組みと内容、またこれに関連する課題と解決策を実物に触れながら関係者から直接聞くことで、今後の研究に役立つ実践的な知見を得る機会にしてほしい」と語ります。
今回の見学に参加していた三和ゼミ長の遠藤 海陽さん(経営3年)は「ゼミで日ごろ学んでいる手法が実際に関係する現場を見学することで、社会と学習のつながりを実感できた」と話していました。