


東京経済大学経営学部でオペレーションズ・リサーチに関する各種技法を学ぶ三和雅史ゼミの学生らが、2025年10月29日(水)、埼玉県児玉町にある株式会社日立ハイテクの埼玉サイトを訪問し、私たちが日ごろから利用している鉄道の線路の形状を測定する軌道検測装置に関する視察を行いました。
三和ゼミでは、経営計画や生産・販売・設備管理といった企業での意思決定のほか、都市・公共システム等、社会一般の問題解決を研究しています。今夏のゼミ合宿では、鉄道線路をモデルケースに選び、検査データの取得現場をはじめ、データを管理・分析するセンター、そして分析結果を日常業務で活用する現業区を見学し、データが実務に活用される一連の流れについての知見を深めました。
その上で、その検査データを取得する装置が、どのように製造され、また稼働中の装置をどのようにメンテナンスしているのかを現場で実際に見ることを目的に、今回の視察に臨みました。
視察では、同社の技術が詰まった工場で、データ取得の根幹をなす装置の設計や製造、メンテナンス、それに耐久・振動試験の現場を見学し、各々の現場での特に技術的な工夫について、担当の技術者から直接説明を受けました。
サイト内視察の前後には、株式会社日立ハイテクのエンジニアとの懇談の場が設けられました。「業務では何が大変ですか」という学生の質問には「設計では小さな装置の中に様々な電子機器を入れる必要があり、さらに効率的な配線や排熱も考えないといけないこと」といった回答や、「毎日走行する列車に搭載されている装置なので、トラブル発生時にどのタイミングにどこで点検に入るかといった対応が難しい」といった回答がありました。
一方で、登山が趣味の社員には、初心者でも登りやすい山についての質問が出るなど、終始和やかなムードで見学会は行われました。
視察を終えた学生の1人は「これまで机上の数字だった「データ」が、現場を見学させてもらったことで、具体的な「モノ」として感じられるようになった」と話していました。
三和ゼミでは、今回の経験を活かし、データから社会問題の解決に向けた応用について、さらに研究を進めていくということです。
教員紹介:三和 雅史