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出版業界のしくみを元取次社員が解説! ~「出版流通の基礎知識」

東京経済大学学習センターは2025年11月17日(月)、ランチタイム講座「出版流通の基礎知識」を開催しました。今回は書店と出版社をつなぐ「取次」の元社員で、現在は本学の職員が講師となって、出版業界のしくみや課題などを解説しました。

講義の冒頭、日本の出版流通の特徴である委託販売制度、再販売価格維持制度について説明が行われました。
これは出版社が定めた価格で書店が本を販売する制度で、書店は売れ残った本を出版社に返品できるというしくみです。多くの書店へ現物を流通させられるメリットがある一方で講師は、過剰な流通による返品の増加などのデメリットもあると解説しました。また、出版業界の課題として無書店自治体増加による文化拠点の喪失があると指摘しました。

その上で「現在はHONYALという小型書店の開業をサポートするサービスや無人書店店舗の取り組みなどに取り組んでいる」と業界の新たな動きを紹介。電子書籍が普及する中でも「紙の優位性が高い場面もあり、書店で本を探す楽しみ方を知ってもらうことや、インプットの場面では紙を読んでもらうなど、共存していく形をとり続けることが必要だ」と話していました。

さらに、「出版物が人に与えるポジティブな影響は非常に重要で、今後の日本に必要不可欠である。課題は多い業界だがその分やりがいはあるので、今後のキャリア選択の参考にしてほしい」と学生にエールを送りました。

会の終盤に行われた質疑応答では「コロナ禍以降、オンラインで本を読む人は増えているが、出版取次の利益はどうなっているのか」「返品された本はどのように回収されるのか」といった質問が上がっていました。

学生広報スタッフ 現代法学部2年 田邊諒羽