
「知的スポーツ」とも言われるディベートを3~4ゼミの合同で行ってきた年末恒例の企画が20周年を迎えました。東京経済大学では、学部によって研究手法の違いはありますが、経済学部、現代法学部のどちらに入学しても社会保障・福祉系のテーマを掲げるゼミで学ぶことができます。そこで、自分たちの身につけた力を試す場として、合同のディベート大会という試みが有志の教員のゼミ同士で行われてきました。今年でついに20回目を数えます。
ディベートでは、チームで課題を共有し、その上で個々人が主体的・能動的に情報収集をして問題を「発見」する学習を積み重ねます。そしてチームの仲間と情報を共有し、ディスカッションしながら有効な策を取捨選択して、チームの主張や提案を練り上げるというプロセスが重要になります。一人でできることは限られていても、組織になることで自分だけでは考えられないレベルの高度な立案が可能になります。
今回も、まさに国会で議論されている「年収の壁」問題や「子ども・子育て支援金」制度、低年金の問題など、時宜を得たテーマが揃いました。いずれも社会政策的に重要かつ論争的なテーマで、知的勝負が闘われました。
今年のディベート大会の場には、65人の学生が出席するなかで、以下の2つの形式と6つのテーマで対戦が行われました。
(従来型ディベート)肯定・否定の立場に分かれて議論を闘わせる従来方式のディベート
(政策提案型ディベート)2チームが同時に一つのテーマをめぐって提案を競い合うコンペ方式
【第1対戦(従来型ディベート)】「所得税の課税最低限の一律178万円への引き上げは是か非か?」
【第2対戦(従来型ディベート)】「子育て支援の財源確保のために医療保険から納付金(子ども・子育て支援納付金)を徴収することは是か非か?」
【第3対戦(政策提案型ディベート)】「社会的孤立による『拡大自殺』を防ぐためにはどうしたらよいか?」
【第4対戦(政策提案型ディベート)】「基礎年金の給付水準の低下による低年金を防ぐにはどうしたらよいか?」
【第5対戦(従来型ディベート)】「介護保険制度のなかに介護者のための現金給付(介護手当)を創設することは是か非か?」
【第6対戦(従来型ディベート)】「後期高齢者に対して、超高額治療薬を高額療養費の適用除外にすることは是か非か?」
大会に向けて、学生たちは通常のゼミの時間に加えて、各自の空いた時間を調整して「サブゼミ」を自主的に繰り返すなど、各チームの仲間との試行錯誤や資料収集、討議を重ねてきました。当日の勝敗以上に、これらの経験こそが大切なことであり、社会で求められる社会人基礎力にしっかりと結実していくはずです。ディベート大会を経験した学生たちの今後の飛躍を期待しています。
ディベート大会参加ゼミ
・経済学部 尾崎寛直ゼミ 李蓮花ゼミ
・現代法学部 常森裕介ゼミ
検討に検討を重ねた自分たちの立論を聴衆の前で披露する
審査員が審査する前で、相手方チームに論争を挑む
ディベート大会終了後の記念撮影